※以下内容には推測や独断を含むので、実際に試される場合は自己責任で。
※12/13、規格解釈を全面見直し修正した。
※12/15、一次検出に条件 a3. を追記。背景詳細は12/13のブログ「100円シガライタUSB電源・・・」参照。
※12/19追記 下記Nexus7で充電出来なかった事例はAndroid 4.1.2で稼働中に確認したもの。4.2以降では下記条件を問わず充電出来るようになっている。ASUSも当初は真面目に規格どおり作ってたのに、巷に溢れているiPod/iPad対応充電器が使えないってクレーム多発で方向転換したのか、あるいは只のバグか(謎・・苦笑)。
先日購入したNexus7、専用のAC充電器が付属してくるので家での充電は問題ないが、
付属品以外の充電器あるいはケーブルを使う場合にはそれらの作りや組み合わせによって、充電できたりできなかったりする。
スマホ用のmicroUSB充電グッズがあれば何でもOKって訳にいかないようで、外出中の充電手段確保には注意が必要だ。
実際に手元にあるもので試してみたら、こんな感じ。
(1) OK:純正ASUS充電器 --- 添付ケーブル---Nexus7 #当たり前だが。
(2) OK:パナ補助バッテリーQE-PL201/101 --- 市販のUSB-A~Micro(B)通信ケーブル---Nexus7
(3) NG:シガライターUSB電源(百円)---- 市販のUSB-A-Micro(B)通信ケーブル---Nexus7
(4) NG:シガライターUSB電源(百円)---- リール式USB-A-Micro(B)ケーブル(充電通信兼用?百円)---Nexus7
※単純にNexus7本体が「充電中」を示すかどうかで確認した。高速充電できているかどうかは見ていない。
まぁ個人的には、外出時のメイン使いがパナの補助バッテリーだし、クルマにDC-ACインバータは常備している。
せいぜい、クルマで出かけるときに純正AC充電器を家から持ち出すことさえ忘れなければ、たいていは困らずに済みそうだ。
とはいえ一応、備えあればナントカとも言うし、
闇雲にあれこれ買ったりイジったりする前に、USB充電に関して最新規格を調べてみた。
Nexus7がどこまで真面目に規格通り作ってあるのかはメーカー非公開故に不明だが、ASUSと言えば市場ではそれなりに名の通った会社、ルール無用の無茶苦茶なものを堂々作っているとも思えないので、調べても損はないかと(笑)。
本題、
判断条件および結果(充電動作)との関係は概ね以下。
単純に定常的な接続状態だけでなく、状態遷移を交えて見ているようだ。
※以下はあくまで単純な充電器に接続する場合だけに注目した斜め読み。詳細は下記ソース参照。
「Battery Charging v1.2 Spec and Adopters Agreement」
http://www.usb.org/developers/devclass_docs
a) 一次検出:接続先が充電に使用可能な電源かどうかの判断。
※自らのD+ラインに対GND間+0.5~0.7Vの電圧を加えたとき、D-ラインが対GND間 +0.4~0.8V範囲内か、+0.25V以下or+0.8V以上かで判断。
(D+~D-が短絡=線間200Ω以下で接続されれば、自らD+に出力した+0.5~0.7Vが、D-に+0.4~0.8V範囲内で戻ってくるはず、を期待)
a1. D-が+0.25V以下(=短絡されておらず、自らD-ラインに持つPull-Down抵抗だけが見えている、と判断)
→充電しない。給電能力が低い機器/ポートに接続されたとみなす。
a2. D-が+0.4~0.8V範囲内(=充電可能な電源に接続された、と判断)
→以下b)に続く。
a3. D-が+0.8V以上(=充電可能な電源「以外」の機器に接続された、と判断)※12/15追記
→充電しない。給電能力がない機器に接続されたと判断。
b) 二次検出:接続先がmax0.5Aまでの電源か、max1.5Aの電源かの判断。
※自らのD-ラインに対GND間+0.5~0.7Vの電圧を加えたとき、D+ラインが対GND間+0.4V以上か+0.25V以下かで判断する。上記a)と逆向きの判断。
b1. D+が0.4V以上(=D+とD-が短絡されている、と判断):
最大0.5Aまで出力4.75V以上を保証する電源に接続されたと判断(Dedicated Charging Port)。
→max0.5Aにて低速充電する。
b2. D+が0.25V以下(=D+とD-が短絡されておらず、且つ電源側でD+をGNDに落としていると判断):
最大1.5Aまで出力4.75V以上を保証する電源に接続されたと判断(Charging Downstream Port)。
→max1.5Aにて高速充電する。
純正の付属ケーブルではUSB通信できるゆえ、ケーブル自体が最初からD+/D-を短絡する配線はされていない筈。
多分Nexus7付属の充電器の内部にて、上記b2.と認識されるようなコントローラの類が仕込まれているのだろう。
おそらく純正ケーブルは一般的なUSB-A~MicroBの通信用に結線されていて、
ただし電源線・GND線には2Aくらいまで流せる断面積の太い線材を使っている、と思われる。
で、ここから実用編。
純正充電器とケーブルを使わない・使えない場合、どうすれば充電できるのか?を整理してみる。
電圧・電流の理論検証は長くなるので省略するが(実は真面目にやってないだけだが・・)、
上記を踏まえケース分けしての予想は以下のとおり。
A. 充電がまったくできないケース。
→以下いずれかで、MicroUSBプラグ側でD+ラインとD-ラインが常時オープンに見える、または充電可能な電源でないと判断されてしまう場合。
A-a. USB電源の内部でD+ラインとD-ラインがオープンになっていて、且つケーブルには
通信用の4芯ともつながっているものを使っている。
A-b. USBケーブル自体、両端プラグ間で電源・GNDの2線しか接続されておらず、
且つMicroUSBプラグ内部でD-~D+ライン間がオープンになっている。電源の仕様・特性は不問。
A-c. 「iPod対応」充電器を使い(内部からD-ラインに+2.6V近辺の電圧が出ているので条件 a3.に引っかかる)、
且つケーブルには通信用の4芯ともつながっているものを使っている。※12/15追記
B. 充電できるが時間がかかるケース(低速充電)。
→以下のいずれかで、MicroUSBプラグ側でD+ラインとD-ライン間が常時短絡して見える場合。
B-a. USB電源の内部でD+ラインとD-ラインが短絡されていて、且つケーブルは通信用の4芯ともつながっている物を使っている。
B-b. USBケーブル自体、MicroUSBプラグ内部?でD-~D+ライン間が短絡されている※※。電源の仕様・特性は不問。
C. 充電できて且つ短時間で終わるケース(高速充電)。
→以下のいずれかで、MicroUSBプラグ側でD+ラインとD-ラインが、接続当初は上記a2.を満たし、
その後上記b2.を満たすように状態遷移した場合。
C-a. USB電源にD+・D-ライン用のコントローラ?が仕込まれていて、且つケーブルには通信用の4芯とも
つながっている物を使っている(ex.Nexus7付属純正充電器+純正ケーブル)。
C-b. 上記b2.に至るD+・D-ライン用のコントローラ?が予め仕込まれているケーブルないしはアダプタの類を介し、
出力電圧4.75V以上@1.5A の電源を接続している。
※※たぶん、Galaxy Tab充電用アダプタと称して市販されているのが、上記のそれなのかもしれない。
いずれ検証してみようと思う。
冒頭のシガライターUSB電源はどうせ800mAだったか1Aだったかの出力しかないから、ちょっとイジって内部でD+とD-をつないでしまえば、低速充電用ってことで使えるようになるだろう。多分、だが。