
今日、いつも通り父のマンションに立ち寄った。すると父は、「今日はちょっと腰がいと〜てな」という。「どうしたの?」と私たちが聞き返すと、急にうれしそうな顔をして「昨日、大阪にいってきてん」という。すると、父は三越伊勢丹やルクア、さらにシネマスクエアのフロアパンフレットを私たちの前に差し出した。「そう、行ってきたんだ」と私たちは感心した。そこで、うろちょろと歩き回ったのですね。そりゃ〜、この夏には91歳を迎える父です。やっぱりカラダに堪えますよ。
で、さらに「今までの大阪駅は下に降りるしかなかったんや。ところが、上に行くエスカレーターがあるねん。改札口を出たら、南が大丸や。北がイセタンで、ごっつう広おて便利や。イセタンの前にも、座るとこがいっぱいあるから楽やで」と、目を輝かせて言う。1時間ほどかけて、わざわざ大阪まで出掛けていく。この好奇心、行動力が父の元気の源なんですね。「イセタンはたいしたもん、おいてへん。あんなものあかんわ」と父が言う。いわゆる父好みのブランド物が、入ったフロアになかったのです。父は、エルメス、ダンヒル、バーバリー、アカスキュータムがお好み。エルメスなどは、ヘルメスと言いますから。フランス語では、Hは発音しませんから。パンフレットをチェックしている妻が、「お父さん、あるよ。紳士物はもっと上の階よ。お父さんの好きな、ライカもあるよ」。その日も父は、ライカを持ってパシャパシャと撮影してきたという。ライカという妻の言葉に、またきっと、父はひとりで大阪へ、伊勢丹のライカショップに行くな〜と感じた私でした。
そこで、はたと気づいた私。そうか、父は関西人だったんだ。ほら、新しいものができたら、とりあえず行ってみようかというのが大阪人というか、関西人。5月4日のオープン時には50万人以上の人が押し寄せたとか。父も、あんな混んでるとこにはいかへん、と言っていたのが、やっぱり新しいものは見てみようというのが、関西人の父なんですね。私たちなんて、夏が過ぎて、ほとぼりの冷めた秋ぐらいに行こうか、なんて言っているくらいですから。いや〜90歳の父、その行動力、好奇心は恐るべし。一応、尊敬します。でも、私は混んでいるところは嫌いだから。
Posted at 2011/05/15 01:57:42 |
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