
ボルボが大型のステーションワゴン、V90の生産を終了するようです。
その後はどうやらクロスオーバータイプのステーションワゴンEVへ統一されるようです。現行クラウンエステートみたいな感覚のカテゴリーでしょうか。
ワゴンというカテゴリーが難しい時代なのかもしれません。
しかしながら、フォルクスワーゲンのパサートみたいにセダンが無くなりワゴンに統一される場合もあるので一概にワゴンが全滅するわけではない気もします。
代わりに出ているのはマルチモノスペースか、やや車高が高い何かですね。昔ならまともに走らない分野のクルマが技術の進歩でまともに走るようになり、より広い、より快適で目線が高いものを消費者が欲するという事なのでしょう。
そして、ヨーロッパなどでも公式の場やビジネスシーンであっても、これまでなら濃色系のボディカラーを纏ったフルサイズサルーンが必須であったシーンにSUVやミニバンが出ていくケースが認知されるようになったのもデカい気がします。
ステーションワゴンの場合は、単純にファミリー層がより便利な方に動いたのでしょう。そらワゴン並みに走って頭上空間広くて、荷物も一杯つめて、しかも下回りすらないならそっちでいいかってなりそうです。
とはいえ、ステーションワゴンの独特のかっこよさってあるんだと思うんです。
例えば、アウディのRS2アヴァント。
あれ、ただワゴンが速いからカッコいい、じゃないと思うんです。その後のB5型に存在したRS4アヴァントも、ワゴンにオーバーフェンダーが付いていて圧倒的に速いというのは、実にカッコいいモノでした。スポーツセダンとは違うんですよね。ワゴンで便利で速いからえらい、じゃなくて、ワゴンの形でなんか異形であることがかっこいいと言いますか。。。
ワゴンにしかないかっこよさって、セダンより荷物が詰めます、じゃないくて、デザイン面のものあると思います。ただ、明らかにリアのオーバーハングが伸び切ったようなデザインになっている場合は別かもしれませんが。
現行V90はボルボにしては珍しいDピラーが激しく傾斜した、まるで過去にあったアウディの100アヴァントみたいな形状で、ただのボルボ最大級ワゴンのイメージを覆すもので、実際のところCピラーも前傾しているので、乗り込むだけであると一個下のV60と大差ない(実際のところV60は非常にスペース効率がいい)クルマでした。
その優雅な感じは乗り味にも現れていて、弟分のV60がただ固かった先代V60の一部グレードとは違う、明らかなボディ全体の剛性が良い、アジェイルなハンドリングを特徴としているとは反対で、ゆったりと直進するのが良いクルマでした。
ほんと、乗ると良いんですよ、V90は90で。S90になるとこれがまた少し違うというか、ボルボにしては作り分けがされていて、S90はもっと固まり感があるんです。V90はいい意味で緩い。
この「緩い」というキャラクターを持つ車が昨今少なくなり、しかも大型のワゴンが無いというのは、じゃぁSUVにいけっていうのか?と捻くれそうな気持になりそうですが、、、数十台乗り換えたくせにSUVほぼない自分なので、寂しいものがあります。
またひとつ時代が変わっていくのですねぇ。
Posted at 2025/09/05 23:30:09 | |
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