
ひょんなことで、一日乗ることが出来ました。約1200万円というのはRS5と殆ど同じ価格です。
アウディが作ったV8過給器エンジンはベントレーなどにも使われていて、ゆくゆくはポルシェにも乗ってくるようです。それくらいの汎用性と実力があって当然と、重要な使命として生まれたエンジンですから、やはり興味はありました。
まず、始動シークエンスは地味です。存外に静かなエンジンで、S5やRS5の始動音に似ているけど、はるかに抑えられています。走り出しても静かな印象に変化はなく、振動も少ないしパワーデリバリーに違和感もない、とにかくよく出来たエンジンです。アイドリングストップも難なくこなしますし、カタログ燃費10kmリッター弱を標ぼうするだけあって、都内を這いずり回っても6~5kmリッターは走ってくれます。
420馬力と2tの車重が合わさったとは思えない燃費の良さは時代を表していますね。意図的にエコランしたら都内で7km台に乗っかってきます。ちょっと前の400馬力オーバーの重量セダンでは考えられませんでした。
高速に乗ってもコンフォートモードのままでは新幹線のような静かで快適な移動空間です。
まぁこれじゃぁつまらんよな・・・ということでドライブセレクトでダイナミックを選択し、キックダウンスイッチまで踏み込めば有無を言わさずワープするかのような加速をします。ターボならではのトルクバンドの広さは高速での中間加速に一番有効に思えます。
サウンドまで今度のドライブセレクトは変えますが、なるほど確かにシフトアップ時も派手になるし、相対的には吠えるようになります。とはいえ、凄く理知的。ダイナミックにしても個人的には静かに思えるくらいでした。加速力自体は確かにトルクがあってS5より速く感じますが、それほど絶対性能では差がない感じでした。S5にプラスして300kg重い事が効いていますね。
まぁ加速力よりも、影響が大きいのは走りです。
さすがに300kg重いと、ターンパイクではイマイチ面白くない。異常に曲がるし、非常に速いのですが、電子の力で無理に曲がっているというか、スポーツデフのせいかターンインよりアウトする時に何か違和感を感じました。なんていうか、ステアリングを戻して直進に戻したけど、少し内巻きのモーメントが残っているような・・・オーバーステアとば別の意味で、何となく切り戻した時の感触がちょいと人工的でした。スポーツデフの設定がS5よりもかなりアクティブなのか、2tオーバーの車のくせに脱出加速は強烈な上に妙に曲がるのは独自の世界です。
この点に関して言えば、BMWのM3はもっとナチュラルだし、AMGメルセデスははっきりと違いを見せるし、同じようなカテゴリーの車のはずであるポルシェ・パナメーラは何か違う次元で走っていました。
とはいえ、ハーフウェットの中、頂上までの平均速度が京急の最高速度を上回るくらいのペースで走っちゃったわけで、相当次元が高い場所での比較ですから「どれも素晴らしい!!!」と言って間違いないです。どれを買っても満足出来ます。
ちなみに、コーナリング中の微妙なアクセルワークに対してはいまいちエンジンの反応がリニアではなく、ここで初めてターボラグを感じることになりました。この点に関してはNAエンジンの間髪いれず反応する特性の方が姿勢を作りやすいので良いですね。
カッコ良くて、速くて、オシャレな上に経済性も悪くない。
まさに今のアウディが誇る、最新にして最高のアウディでした。
PS
でも、S5のが好み。しいて言えば、1200万円払うならRS5に行きます。
Posted at 2012/12/04 22:54:18 | |
トラックバック(0) | 日記