2020年09月17日
田園調布の次に思い出したのは、京都の事。
同じような時期に、所用で京都に出向いて、鴨川沿いのおうちにお邪魔したのだが、家に入る前にチラっと車庫が見えて、止まっていたのはカローラでした。
京都の相当な資産家と聞いて家に来てみたら、まぁ立派だし、そもそも鴨川沿いは相応の家じゃないと敷地を用意出来ない、、、とか聞いていたのでなるほど車は興味ないんだな、と思いました。
しばらくお邪魔して、さて帰ろうとしたら、ん?キレイなガラス製の箱(ラリックだったかなぁ)にチラっと見えるのはジャガーのカギ?あれ、ジャガーか何かお持ちなんですか?と聞いたら予想外の回答で
「ああ、DB7の鍵ですね」
な!アストン!?!?!でも、カローラが居たような・・・・
「うちの車庫は縦長で、奥にいます。普段はカローラが前にいます。見せびらかすのも嫌なんで」
とのこと。東京なんかは、言ってみれば地方からの寄せ集めという観点もあるし、いい意味での成金趣味のオンパレードで消費が繰り返されていて、経済を回していますが、京都はその点お金の回り方が水面下なのか解り辛い。
しかしながら、完全に隠すのは嫌なのか、ちょっと透けるガラスの箱にわざわざ鍵を閉まってあるのが、個人的には「なんとも京都人・・・」と思ったのです。
その晩、ある京都のホテルに泊まってバーのカウンターでエドラダワーを飲んでいたのですが、僕の左横にはお公家みたいな顔した4人の紳士がいました。
しずーかに飲んでいるので、つまらなそうな酒だなぁ・・・と思いました。背面のテーブルで楽しそうに大阪弁で話している紳士たちとは偉い違いだな。。。
そのうち、テーブルの人たちが帰り、僕とその静かな紳士四人だけになったのですが、暫くすると四人が話し始めました。
「いやぁ、大阪の人達には圧倒されますなぁ」「ほんと、元気でいいことですなぁ」「いやぁまるで居酒屋みたいな感じでたくさん飲まれてましたなぁ」「まぁそれは大阪ですからなぁ」
おいおい!急に饒舌になったぞ!そして出て来るのは直接話法でない大阪に対するディスり、笑。
私が経験した京都人のそこはかとないプライド集は以下の通り
・うちの屋号はね、xxxっていうんです、え?有名な神社と一緒?あ、あれはね、室町の頃にうちの屋号を取って付けた名前です。いや、まぁでもうちより古い家もたくさんありますがね、まぁでも東京がまだ湿地帯だった頃からみんな京都は家がありましたな。
・ああ、奈良・・・なら・・・ああ・・・大阪の人が寝に帰るとこですね。ほんと、感謝してますよ、大阪の人がこっちに来ないようになるために奈良がありますもんね。
・いや、冗談ですけどね、冗談なんですけどね、ええ、冗談ですよ、東京に行くことを「下京する」なんていうのは、ほんと、悪い冗談ですけどね。
・いや、コアラさんみたいな方にはうちに泊まっていただいてね、それこそ上げ膳据え膳でね、ゆっくりされて欲しいんですけどね、いやほら運転お好き聞いてましてこれは引き留めてはいけないとね、いやほら速く帰らないと山科当たりから京都東まではよぉ繋がりますねん。
もっとありますけどね。
バーの京都紳士四人組はどこぞのロータリーかライオンズの人々らしく、大阪集団が帰った後はいかに京都が凄いのか、神戸大阪をややもって下にみてるのか、奈良と和歌山がどこにあるか解らない、滋賀って寝るとこ?という趣旨の話に終始していました。
おいおい、じゃぁボクは流人が流されるところ扱いじゃないか・・・。
ふと、アストンの前にカローラを置きつつ、ガラスケースのアストンキーをチラっと見せた主人の顔が浮かびました。
まぁ、そんな京都が好きなんですけどね、全くまぁ腹も割らなきゃ胸も開かない、に手も焼いても食えない人たちがいっぱいで、でもそんな場所と人が残ってるのも日本らしくて良いんじゃないですかね。地方の個性あっての日本ですから。
Posted at 2020/09/17 11:17:43 | |
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