2020年11月20日
スバルとトヨタが共同で作ったFR2ドアクーペである、86BRZですが、あまり触れたことがないです。
乗ったのは二回、ド初期のBRZの最上級モデル、マイチェン後の86GTリミテッド・・・確かザックスタンパーが入ったモデルだったか、その程度です。両方ともマニュアルでした。マニュアルで乗るべき車だと思ったので意図的にマニュアルを試した記憶があります。
一回目の初期モデルに関してはあまりいい感触が残ってません。ただ、この類の車が無い中で、所有欲や興味をそそるべく、大して儲からないであろうことを理解して出してくれたのは、素直にエライなぁと思いました。
二回目は、なるほどザックスダンパーはいい仕事しているし、そこかしこ改良したんだなぁ・・・と感心しました。この手の車は最初頑張ったけど後になり手抜きで最後の最後はただの惰性生産車になる事が多い中、真摯に改良してるんだろうと思いより頑張ってほしいと思ったものです。
さて、長めのモデルライフを終えて二代目に切り替わるようですが、基本的な構成は変えずにエンジンが2.4リッターに排気量アップ、ATモデルにはアイサイトもくっ付くようです。
ふと思い返すと、わざわざマニュアルを選んだわけですが、二代目はATモデルにアイサイト・・・と聞いて、この車のキャラクターや意義を取り間違えたかなぁと。
そもそも、トヨタであればセリカ、日産であればシルビア、ホンダならプレリュード、三菱だとFTO・・・
86BRZが位置したポジションは旧来であればそこであり、ピュアスポーツでもないわけです。死語ですがデートカーとか言われた車であり、4ドアおっちゃんカーよりはスポーティだけど、マニュアル必須では類だったのです。
86レースとか他にこの類の車が無い為にスポーツ性に頭が向いてしまい、ちょっと間違った期待をしてしまったのかも知れません。フラット4エンジンのFRというそれまでにない構成も作用した気がします。
ただ、冷静に考えればやっぱ「出目」は「デートカー」類なわけで、そう考えるとこの車はATでちょいプレミアム感がある普通プラスアルファくらいの走りが出来れば十分なんだろうと。特徴的なエンジン音が加味されれば十分以上とも考えられるわけです。
マニアックな専門サイトなどではサスの構成がダメで、専用シャシーなのに勿体ない・・・などと断罪しています。
確かにボクの素人考察からしても、この車を記号性から判断した場合は??マークが出ます。
まず、フラット4を積む意味があったのか。水平対向エンジンは左右方向に広がるのでフロントサスペンションの構成には制約が出ます。長いアーム長は取れませんし、複雑なアーム構成も取りずらい。結果、直立したストラットサスとしてます。
加えて、ドライサンプならいざしらず、排気管やオイルパンの設置を考えると意外にエンジン搭載高が下にいかない。ポルシェはさすがにドライサンプフラット6ですから、低いですが、それでも補器類を上に乗っけたり小さなボディサイズの頃はリアサスが省スペース志向で苦労は絶えませんでした。
つまり、あまり目立った利点がないのです。
ただ、FF直4のスペシャリティではダメだと判断した場合、トヨタには手持ちの4発FR化出来るシャシーがない又はやったとしても美味しくない、そうなるとスバルの持っているFF・AWD混成シャシーの方がFR化が楽と判断したのでは?
そうなると、成り行きで基本構成が決まっていき、911などのハイエンドスポーツカーほどコストが掛けられるわけでない当該クラスの車を作るにあたり、相当苦労したんだろうなぁ、と今更ながら思うわけです。
多分ですが、走り以上に気を使ったのはカタチだとボクは思っています。
レンタカーやカーシェアでは済まされない、自分の車で持ってみたいと思わせるスタイリングや雰囲気・・・これが最も重要視されたのかな、と思うんです。
そうなると、二代目もそういう路線だとは思いますが・・・
世界的にセダンワゴンが沈没しつつある中、もしかしたらこういうスペシャリティカー系のがまだ生き残るすべが残っているのかも知れません。そうでなきゃ、二代目も出さないでしょうし。
個人的には新しいZより、所詮低速でしか走れない日本では86BRZのほうが乗るにはいいのかな、と思ってしまいます。
ネックは、名前。ハチロクってねぇ、苦笑。
Posted at 2020/11/20 12:43:26 | |
トラックバック(0) | 日記