
画像はウィキペディアより。
ここ最近は、車を開発する、という事に合理的な答えやアプローチが見いだされ、良いセダンはこう作るとか、良いSUVはここをこうする・・・みたいな方程式の決定打が出来つつあるのか、デザインディティール以外何もかも似ている車ばかりが増えてきた気がします。
しかし、それまでは各メーカーがテンでバラバラな方向性と得意分野を以てして、良くも悪くも他とは違う車を作っていました。今ほどグローバル化がなされてない影響もあったのでしょう、国ごとの事情に合わせていても良かったのもデカかったと思います。
日本なんかは小さい国土で高温多湿、高速道路は大して速くないが渋滞が多くて短距離移動が多い・・・そんな事情から車を開発していたので、さもありなん、な車が出来上がっていたと思います。
そこいくと、フランス車は特異なものが多かったですね。
シトロエンXMもその一つ。
まず、この国の車は高級車なのにハッチゲート付きが多い気がします。ルノーは30、25、21、サフラン、ラグナ・・・基本ハッチゲートな気がしますし、シトロエンもCXがそうですね(DSはセダン型だけど・・・あれこそ変わってる)。比較的保守的な車はプジョーくらいに思えますが、あれだって細かく見れば・・・。
で、XMもハッチゲートボディ(またはワゴン)なんですが、そのボディを受け持つサスペンションは形式こそ地味ながら油圧窒素併用のセミアクティブまたはフルアクティブサスペンション。バネ使わないハイドロアクティブサスペンションはシトロエンの代名詞みたいな足回りですが、一時期は他メーカーもパテント使っていたのは意外と知られてないかも知れません(確かW126の560SELとか、その前の6.9とかも使っていた気がします)。
とにかく何もかもが他とは違い成り立ちの高級車なので、まず見た目に驚き、内容を知って二度驚く、みたいな感じでXMを見ていた気がします。
乗った事は・・・確か一度だけ初期のXMに乗っているはずなんですが・・・どんなだったか覚えてないんです。同時にド初期のプジョー605に乗ったんですが、そいつがエアコン壊れていてクソ暑くて、そっちの印象しか残ってないのです。
なんにせよ、不思議な車だなぁと未だに思います。
そして、何でフランスってこんな車ばっかり作るんだろうと思うのです。
フランスに行っても、特段他のヨーロッパと路面が違うとか、移動速度が違うとか、特に異常な部分は無いようにボクは感じたのですが、、、、確かに石畳みの上を振動なく走るには良かったんでしょうが、他の国にもベルジャンロードはありますよね。
へそ曲がりなボクは、プライドが高いフランスの事だから、相手の車を見てわざわざやってない事を見付けてはそっちに走る事しかしなかったんじゃない?とか思っちゃうんですが、まぁそれだともっと酷い物も出来ていたはずだし・・・。
ただ、記憶がある他のフランス車を思い出してみると、確かに変わっていてもちゃんと合理的にまとまっていて、ああ良い車なんだなって思う事が多かったので、車創りって多様性があるもんだなぁ・・・と思うわけです。
DSにしても、ルノーサンクにしても、特異な上の合理性を発見した偉大な天才がいたんでしょうね。
そう考えると、最近のフランス車は、それこそデザインとか見ているとただただ他がしてない事をやたらこねくり回してしまう傾向があるような気がするし、乗ってみても昔ほどの特異な合理性が感じにくい気がしちゃいます。え?これならゴルフで良くない?とか、あ、これじゃぁトヨタでいいや、みたいな。昔だったら、CXいいなぁって思ったらクラウンじゃぁ100%妥協できなかった気がしますが、そこまでの決定的な何かが最近はハッケンしづらい。
まぁ、油圧死亡して鬼シャコタンになり動けないXMとか、そういう現象はもう起きないから、信頼性とのトレードオフをしたのかも知れませんが、寂しくもあったり。
どれ乗っても同じじゃん、という全メーカー共通の悩みをモロに受けているのはシトロエンのようなメーカーかもしれません。
偉大なり、XM。
Posted at 2020/12/15 17:12:07 | |
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