
いっぱいシリンダーが突っ込んであって、排気量莫大な方が好きだ!と世の中の批判を受けそうな車が好きといった憚らないワタクシですが、その対比であるEVも実は結構乗ってます。
多分、純粋なEVで初めて乗ったのは三菱Iミーブだったか。その後は、日産リーフ、BMW・I3、テスラ・モデルSとX、ジャガーIペイス、メルセデスEQ400などなど・・・
まだIミーブの時はEV旋風はありませんでした。リーフが出ても自動車界の傍系である感じは抜け出せて無かったと思います。
今では結構なメーカーがEVを作っていますが、その旋風はテスラが作ったものでしょう。彼らの判断は一件保守的(なんせ、普通のデカいセダンでデザインは奇抜ではない)ですが、その手のモノに興味を示す層に効果的な作り方と売り方をしていたのは、今となってみてはそれが正しい判断だったというのが解るかと思います。
BMWのI3が掛けたコストに対して微妙な成果しか挙げられてないのとは対照的です。超先進的だし、エンジニアリングは上質なんですが。
そんな各社を横目で見ながらポルシェが満を持して出したのが、タイカン。
なんせ、充電設備にしたって超高速なものを自前で用意すると発表したり(これはテスラに似ている)、意外に保守的にも見える普通の4ドアでまとめてきたり(これもテスラに似ている)、色々なEVを見て出したポルシェの回答は非常に興味がありました。
で、乗って来たのは「タイカン・ターボ」。おい、EVにターボかよ、と突っ込みたくなりますが、まぁ・・・4Sに比べてターボしてる、とでもしておきますが(?)。ターボの上にはターボSがありますが、こちらはローンチスタートすれば2.8秒で100kmhに到達する鬼のような車です。ちなみに、最高速度はターボとターボSは260kmhです。変速機構を使っているのでEVの中ではトップスピードが高い車です。
で、中間グレードとはいえ十分以上に速い、良い車でした。
ポルシェがスポーツカーだ、と言い張る理由が理解できるくらい着座位置は低く、リアシートはまるで911のリアシートを引き延ばしたような、座れるけど閉塞感がある雰囲気は変わらない物。要するに、4人大人が快適に移動できる空間を作ってあるわけではないです。
只管に重心が低いおかげで、2.3tと無茶苦茶に重たいくせに良く曲がるし、違和感も少なく、走行モードに問わず(スポーツ+の変な人造音は癖がある)快適で楽しく、シームレス。
回生ブレーキシステムなども考え抜かれてテストしまくったのでしょう、違和感がなく気持ちが良い、というの部分に関してはEVの中では傑出した出来です。
そういえば、乗り心地はリアシートより明らかにフロントシートの方が良かったです。そういう面からもドライバーズカーというのがいえそうです。
個人的には乗り心地だけでいうと、ジャガーのIペイスが一番良かったように思えますが、総合得点を出したらポルシェが一番でしょう。まぁ、後出しじゃんけんだから当たり前、とも言えますが、それを減点対象としてもタイカンの出来は抜きんでてます。
まぁ、ここまでポルシェを本気にさせたのは時代の流れとテスラの存外なヒットでしょう。テスラのアラもなく、BMWほど奇抜でない、そして運転が楽しい、何よりシームレス。
ボクの思うEVの良さはシームレスであること、そして反応が究極的に高レスポンスである事だと思います。弱点は充電。僕の使い方だと、趣味の車をEVにして、いつもは大して乗らないとすれば、ほっておいておけば充電されている感じになると思いますが、でも趣味の車をEVにする気分にはなれません。
そして、ポルシェのやる超高速充電(日本でもPCには10分で300km走行まで持っていけるのを置くようです)はバッテリーへの負荷が心配です。
まだまだ未知の部分も多いので、むしろこの車はシュミとして買うのが一番いい気がします。もしかしたら、気分屋の僕は急にこれが趣味車で欲しくなるかもしれませんし、乗用するのであれば今の段階では毎日長距離走るならディーゼルがいいかなぁと感じます。
いずれにせよ、半歩図抜けたEVがポルシェから出たのだけは間違いない、と言えそうです。
Posted at 2021/01/11 12:26:28 | |
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