2022年12月16日
メルセデス本社のコメントだそうです。
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/258aa1c30df7f4a64bf9f6571e28601c5bd562db/?mode=short
昔々、メルセデスベンツというと気軽に見ることはなかったと思います。600プルマンなどは別枠にしても、例えばハネベンと言われた時代のセダンや、初代のSクラスカブリオレ(350SEカブリオレとか言いましたか)なんかは、東京ならまだしも地方に行くと、その都市の誰もが知るような名士やお金持ちでないと乗れない代物だったはずです。
そもそも今と違い、ハイエンドモデルしか無かったのもあると思いますが、バブル期前の1980年前後までは本当に輸入車は今のと比べて非常に少なかったと思います。
そこで思ったのは、今メルセデス本体がいう伸び代というのはどういう意味なのでしょうか?
正直、人口が落ちていて国富が流出中の日本において、販売台数が増えることは意味しない気がします。もちろん、相対的に高くなっている日本製高級車に対して「それを買うのとCクラスは変わらないよ?」というのもあるかも知れませんが、多分それでもなさそう。
今回の記事ではマイバッハが大写しになっています。
これは言ってみれば、旧来のメルセデスからずっと続くハイエンドラインです。当然、今も昔も利益率は良いはずです。昔は昔で凄く儲かったんです、最善か無か、というスローガンのもと、妥協なき製品造りはなされていましたが、今掛かっているコスト(IT関連や労務費のアップなどなど)が製品原価に振り向けられた良い時代でもあったので、実際問題一台当たりのコストって意外と変わってないんのでは?と個人的には思うのです。
となると、何を言うのかと言えば、販売台数でなく台数当たりの収益性の伸び代だと思うんです。いや、、、まぁ、、、誰でもそう思うと思うんだけど、、、
要するに、70年代であれば潜在顧客になりえなかった人々に、EやCやAで波及はさせたものの、予想よりおいしくない仕事に変わってきた潮目を感じ取り、ユーザー数減らせど儲かる方法を探すほかない、と考えたのではないでしょうか?
現実的に、BMW、メルセデス、アウディなどの高級ブランドはFFベースのお手頃ラインを切り始めてますし、上は上でより高額な車種を模索しています。
多分、下は下で、、、例えばBMWならミニ、メルセデスならスマート、アウディはVWかそのさらに下でさらっておき、将来来る移動ボット時代の顧客もがっちりホールドを試みるとは思います。
ただ、今ある高級ブランドについては、ブランディングをもっと綿密に上方シフトさせるのでしょう。そうなると、財務諸表上もとてもいい感じになり、投資家などに受けがよくなります。結果株価にも反映されるわけです。
アメリカなどは昔から経営者が理系でなく、銀行屋やロビイストやコンサルでした。マスタングにしろカマロにしろ、カーガイでなくてそっちの人が、これ儲かるでしょ、と作ったわけで、これはこれで凄い。
欧州は自動車会社の社長は理系博士が絶対でした。いや、今でもそうなんですが、その社長の方に並ぶ立場に財務役員や銀行屋がいるようになりました。
結局のところ、法人をどう生き残らせて、株価と株主と投資家へどう説明をし、他のコンペティターをどう排除するか、ここに全て焦点を当てざるを得ない経営に終始することになるわけです。
そうなると、今回のいう伸び代というのは、多分ハイエンド化と利益率の向上とセールス状態のコンパクト化を意味するのではないかな?という風に私は感じました。
ドイツは国もさることながら、経営陣の判断と、その判断に対する会社の動きが超早い。まさに経営のバルバロッサ作戦ですが、間違っても行き過ぎた金儲け主義が早期の崩壊に繋がらんよう、隅っこの隅で私は見ている予定です。
Posted at 2022/12/16 23:07:50 | |
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