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2023年10月11日 イイね!

クルマは人を幸せにするもの

車が絡んだ交通事故のニュースはコンスタントに目に入ってきますが、その度に思うのは「クルマは人を幸せにするために生まれてきたもの」なんだけどなぁという事です。

人類が生まれて、初めて手にした移動手段は多分徒歩です。それが、馬に乗ったり、その馬を動力源にした馬車が生まれたのが第二段階と言えそうです。

ちなみに、馬車の最高速度はせいぜい時速20キロ、持続時間は最高速だと1時間持たないくらい。エネルギー切れすると休憩に1~2時間必要なので、現実的な平均速度は一日中動かした場合5キロ、途中に駅で馬を交換すれば話は別なのですが実際問題思ったほど速くも無いし、遠くにも行けないのです。そういえば、駅といういう漢字が馬偏なのは、そういう事なのでしょう。

うーん、マリーアントワネットも馬車じゃなくて観光バス持っていれば逃げ切ったでしょうね。

では馬車の次はというと、どうやら蒸気自動車のようです。文字通り蒸気で走る自動車ですが、え?蒸気機関車が先でしょ?と思ったら、実は蒸気自動車のほうが少しだけ登場が速かったようです。

その蒸気自動車、本来は軍用目的だったそうです。性能的にはトップスピードはあまり場所と変わらず、給水も15分から20分で必要になるので、結果として今ある自動車のようにはなりえませんでした。最終的には復水器が備わったそうですが、その頃には次の主役になるガソリンエンジンなどの内燃機関が登場し、且つ効率やパワーの面で不利になったので、蒸気自動車は姿を消したようです。

というわけで、馬車も蒸気自動車も一部に普及するにとどまり、決して市民の足になる事はなく、20世紀を迎えてガソリンエンジン車が登場するわけですが、これも当初は明らかに特殊な動く物体扱いでした。

なんせ、この辺りの時代だと馬車がまだ活躍していて、挙句人力車もまだまだ活躍していました。19世紀末だと汽車が圧倒的に優位ある位置にありました。ただ、これは共同的移動装置です。

実は、馬は最高速度において、この時代(19世紀末)だとまだ善戦していますし、一日中移動することでいうと人間は案外凄くて、時速3キロで10時間くらい一日のうちに活動すれば30キロ移動するわけで、今でいう一億円とかそういう単位で開発されていた他の個人用移動装置は全く不要だったのです。

これが変わったのは、第一次世界大戦後と言えそうです。

1920年代、、、つまり今から100年前には既に今でも何とか路上走行に耐えうる車が生まれています。且つ、価格は推測ですがそれまでは一億単位であるとか、性能的に見るべきところが無いものであった自動車が急に何百キロも一日で移動出来て、且つ馬の最高速度を遥かに凌駕するものになっていきます。

小林彰太郎氏がいう、今日でも十分通用するヴィンテージカーと言わしめたランチア・ラムダもまさにこの時代です。

ただ、20年代から30年代はまだまだ高価だったので、それこそ馬車を使えた層が代替している感じだったのではないでしょうか?

その証拠に、この時代の車体製造者は馬車メーカーが多いですね(例えばヴァンデンプラとか)。

面白いのは、この時代既に、というべきなのか、自動車がただの個人的移動手段ではなく、レースやグランドツーリングという新しい高貴な趣味であったり、何かしらの娯楽や快楽を得るものになっていた事実です。

クルマがただの工業製品でない事は、この時代から決まっていたのかもしれません。

この流れをもう一歩進めたのは皮肉にも二度目の戦争のおかげです。

金属加工技術、空力学、大量生産ノーハウなどが第二次世界大戦をきっかけに一気に進み、安価な自動車が作られるようになり、かつ趣味のクルマたちは一気に性能を上げます。

初代フィアット500やアメリカでいうTタイプフォードの後継、イセッタやミニ、、、大衆が年収つっこむつもりで行けば買える値段のものがやっと出てきます。

趣味の領域は乗用車で時速200キロの壁を越えていきます。メルセデス300SLとかが、それですね。これも実際問題戦争で実現した技術革新の賜物です。

その革新が純粋に頂点を迎えたのはリーマンショック前後かと思います。そこから先はいかに運転を自動化をするか、みたいな改良と、環境負荷の低減の二点に完全フォーカスする形になります。台数の飽和もこの辺りというか、販売の鈍化もこの辺りから部分的には始まった気がします。

多くの人々に個人的移動手段を提供してきたクルマは間違いなく幸せにするためのものです。そこの趣味性も加味されるという特別な存在だったわけです。最近ではそれがだんだんと変わり、自動化とエコ化が進んで趣味性の退行が見られる気もします。

基本的には個人が自由に移動出来れば幸せだったものが、それ以上の何かを身に着けたことは、良い事なのかどうなのか、悩ましいところです。パーセンテージ的にはべらぼうに高いわけではないですが、悲惨な事故が絶えず起きていますし、なんとも難しいところです。

ここから先、寝ている間に目的地に付けるクルマが出たとすると、これはこれで幸せになる人が増えると思います。ただ、それだけを認めて他は公道からオミットする、なんてことが起きれば、解らないですが不幸せになる人も多くいるのではないでしょうか?

シンプルに、いい馬だ、的な幸せ製造装置だったはずなのに、、、

でも、よく考えたら、馬にも馬車にも先達たちは趣味性を取り入れていたわけで、人はそもそもただただ移動する事はあまり望んでいないのかもしれません。

移動に物語が伴う事を必須とするならば、これからの自動車の作る幸せとは一体どういう形になるのでしょうか?

次の足はそこら辺をしっかり考えることになりそうです。
Posted at 2023/10/12 22:19:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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