
あるデザイナーが「スポーツカーは顔よりテール」と言ってました。何故なら、抜き去ることこそスポーツカーの本領であり、顔をライバルのバックミラーに移し続けるなんてナンセンスだ、というのです。
成程。
ジャガーが放った最新型のスポーツカーであるF-typeですが、顔はなるほど割と普通ながらテールデザインは実に昂揚感ある特徴的なものに見えました。イアン・キャラムも顔より尻なのか?といっても決してフロントデザインがつまらないクルマではないわけです。むしろ、精悍であり、そこはかとない迫力を感じさせるのは、ディティール過多で無暗に威嚇するデザインが氾濫する中、秀逸であると言えると思います。
しかしねぇ・・・このエキゾーストパイプ・・・純正?と思わせるくらいに派手ですが、文句なしにカッコいい。V8モデルは4本出しを左右に、V6モデルは二本出しを中央から、どちらもカッコいい。
久々に本気のジャガーを見た気分。
コックピット、と呼んで恥ずかしくない運転席に座ってもその予感は全く軽減されません。点滅するイグニッションスイッチを押せば、ここ最近どこも派手になりつつあるスポーツモデルの始動音を上回る派手な音。乾いたサウンドがやる気を誘います。
高揚感を持ったまま走り出せば、感動。圧倒的な軽さ。アルミボディの経験が長いだけあり、アルミを使った良さがF-typeでは最もよく出ているように感じます。そして、そのボディに合わさる足回りが素晴らしい。一言で言えば、硬い。しかし、動く。
これだけ硬いのに、これだけストローク感がある足回りはこれまで乗ったことが無いかも・・・。アルピナともメルセデスとも、もちろんアウディとも違う、これはジャガーだと言い切れる足回り。スポーツカーとしてのセッティングとしてはワン・オブ・ベストと言えそうです。
現代的であり、疲労度は非常に少なく、しかしリアリティに富み個性もある、圧倒的な動力性能をも支配下におく・・・理想の「エブリディ・スポーツ」がジャガーから出てきたのは感動ですらあります。
素直なところ、現在持っているクラウンハイブリッドをこれに替えて毎日使えたらどんなに幸せだろうか、と思ってしまいました。もちろん、代車とウルトラプロボックスは同居するのは当然です。
ちなみに、試乗したのはロードスター。クーペにあるF-type「R」であったら、一体・・・ポルシェ911ターボ的カリスマを持ち合わせたジャガーなのか。そして、GT3的なものは今後出て来るのか。
XEも登場予定な中、やはり乗ったら好きだったF-type。なんて罪な車をジャガーは作ってくれたんだろう、恨むなぁ・・・。
Posted at 2014/06/29 00:23:01 | |
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