
95年型のボルボ850GLEエステート、別になんの資産価値もないし、取り立て乗り心地が良いわけでもなく(むしろガタガタする)、しいて言えば見た目が好きでいまだに残っています。
思い出もたっぷりで、後にも先にも自分の所有者で鹿児島県まで行ったのはこの車しかありません。整備するところを変更して、大幅にコストダウンAND安定した性能維持が出来たのも延命に大きな影響を与えました。あのまま、あそこで整備し続けたら金だけ無くなり調子が悪くなるだけだった事でしょう。
さて、そんな850も外装に関してはあんまりこだわりが無いというか・・・段々汚れて来たというか、これ磨いてもどうにもならないなぁと思っていました。最近では洗車機にブチ込んで終了、という寂しい掃除の仕方に終始していました。
右のリアドアは板金時に色がずれてしまい、それがどんどん悪化していき、なんか残念な雰囲気が着実に出て来ていたのも事実。三年前くらいに一回コーティングに出したのですが、なんとなくキレイになっただけで根本的に染み渡る汚れはそのままでした。
まぁどうにもならんでしょう、というところに一人の職人が表れて「右の色ズレはズレじゃなくて、周りが汚いだけで磨くとかなり近くなりますよ」と言うのです。
おいおい・・・本当かよ・・・。というわけで、その彼に任せることにしました。
まず、彼の見立てが素晴らしい。一瞬で三年前にコーティングをして、その前(かなり前)にも一度やっていて、それがどんなコーティングでどんな磨きをしたのは大体当てて来たのです。一週間ください、という時間にも驚きましたが、それもそうしょう。
まず、マスキングの技術が凄い。そしてキワの汚れ落としが異様にウマイ。これ、もちろん素材に害を与えてません。もう20年経っている車なので、樹脂が駄目になる可能性も大いにあるのですが、非常にウマイ。うまいのに、壊さない。
バッジは原則外さないと無理くらいの汚れっぷりでしたが、見事に復活しました。
見る人が見れば、ここどうやったの!?ってくらいに細かい場所の処理が半端ない。無論、ボディの大まかな場所はいわずもがな、完璧です。ここは塗膜がうすいから危ないだろうなあ、と思っていたところは見事に薄い磨きでしのいでいるんです。
正直、コーティングというものには相当お金を突っ込んで、結果として「まぁ大したことない」という気持ちがどこかにあったのですが、世の中にはここまでやる人が本当はいるんだなぁと思いました。
引き取って帰り道、この車に乗っていてこんなに見られたこと無いってくらい、注目度は高かったです。丸ペンしたわけでもなく、だけどワンオーナーの二桁ナンバーで、だけどとんでもなくキレイ。心持、乗り味まで凛とした感じがするんですから不思議なもんです。
職人の彼曰く、東京の良いホテルに乗り付けてカッコいいレベルにしたかった、とのこと。なるほど、確かにそのレベルになりました。しかし、その苦労は作業場がバフのカスで目いっぱいになっているのを見ると明らかでした。
これはもうゾンザイな扱いはボルボに出来ないぞ・・・そう思いました。しかしねぇ、ボルボの正規Dもこれくらいの愛情と技術を見せてほしいです。どこのD行っても最近はそんな空気がない。本当にボルボ好きだったらそんな修理しないだろって・・・。
まぁ、自分は自分のやり方で、決してボロは認めず乗り続けようと思います。祝20万キロ突破。
Posted at 2016/03/28 00:05:05 | |
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