2022年07月03日
現在、クラッチ操作が必要なマニュアルトランスミッションで、しかも7速を採用しているメーカーはほとんどないと思います。基本的には6速までです。
何故7速になったのかは分かりませんが、勝手な憶測だと「オートマモデルメインで設計し、その影響でマニュアルも7段シフトになった」というのがメインな気がします。
メジャーどこだと、ボクが今ぱっと頭に浮かぶのは911,アストンの一部、コーヴェットが7速マニュアルモデルを製造していると思います。
確か911はZF製?のPDKを流用したもので7速に。アストンはVH時代のはグラッツィアーノの2ペダルMTを3ペダルにした関係で7速(今のヴァンテージに積まれている7速は解らないけど)。コーヴェットはちょっとわからない・・・。
面白いのは、三車種ともシフトゲートの切り方が違う事。
911は真上から見て普通の6速MT(Rゲートは左上)に7速目が右上に追加されたもの。アストンはレーシングパターンの1速配置(つまり左下)に2速左上からの通常の6速マニュアルパターンが配置されているもの。コーヴェットは写真で判断する限り、普通の6速パターンに追加して、一番右に7速(上)とR(下)が追加されたもの。
911の7速は触ったくらいの経験はありますが、これといっていい印象がありません。当時乗っていたボクスタースパイダーは6速MTで、こっちの方がタッチが良いという記憶があります。7速が右上に「追いやられた」格好に思え、これはオーバートップのその上の上なんだな、と思いました。多分、991でも992でも、GT3系の搭載している6速マニュアルは全然違うフィーリングなんでしょうね、クラッチ含め。
コーヴェットは解りません。ただ、前の手のコーヴェットのマニュアルはずぼらにシフトして、1→4とか2速発進して6速叩き込んでも普通に走ったので、そういう意味での7速だとすると、シフト配置が最も合理的に思えますし(他はまるで盲腸のように思える配置)、アメリカン7速なんだろう、と思います。・・・何がアメリカンか知らんけど。
驚いたのはアストンの7速。
1速が左下、ということは発進時しか1速は使わないレーシングパターンなわけです。これは昔の911がそうでした。1速だと思って何も知らずにシフトするとバックする奴。
要するに、走り出したらあとは1速使わずレースしろ、という実に明快な答えであって、そもそも街乗り考えてない。
アストンのそれも、その通りで、911ではアカラサマに感じた7速が「エコギア」という雰囲気が全然なくて、完全にレシオ的にも7速で最高速狙うくらいに感じるものでした。
そうか、この車、マジで1速は発進だけなんだ・・・と。
当然ですがこのパターン、思った以上にクセがあるというか、慣れない。習熟と何か吹っ切れた思い切りがないと、シビアなスロットル開閉と合わさって只管にぎこちない動きしかしません。
ただ、911と違い、何か吹っ切れた刹那、とんでもない興奮のるつぼへ自分を叩き込むのはまさにアストンマーティンの世界。面白い事に、シフトタッチやクラッチミートが一気に甘美なまでに融合し、キチガイ行為に入り込む前に圧倒的満足感と快感に襲われることになるのです。
ちなみに、最終インパネを装備したその個体に関して言えば、それまであった危なっかしい感もなく、絶対的実力値においても相応に高いところにあるのは、V8ヴァンテージSを乗っていた自分とすると、率直に悔しいものです、笑。
まぁアストンマーティンが好きなんで、バイアス掛かっていますが、それでもやっぱり911の7速とはわけが違う。あ、感触はどっちもどっちです、笑。あとクラッチは明らかにアストンが重い。
工業製品や性能において、アストンの7速が911の右に出ることは不可能だし、コーヴェットの世界をアストンが侵食することも出来ません。もし、一台だけ所有するとすれば、しかもアストンとコーヴェットを知らない場合は簡単に911に落ちると思います。
ただ、V12の熱源を知ってしまった今、どんなに911が良かろうが、速かろうが、アストンマーティン以上に満足する事はないでしょう。コーヴェットに関しては、本格的に味わったことが無いので何とも言えませんが、あればあれで911にもまさる桃源郷なのではないかな?と思います。
もし、911を知るなら、ボクはやっぱりどこかの世代のGT3か、またはナロー時代の911を愛でるように乗る事しか、今ある満足感に並ぶものを得る事は出来ないかな、と思います。僕みたいな出来の悪い人間には、911はあまりにも良すぎるのでしょう。ボクなりの最大の911に対する敬意を言葉にするとすれば、あなたは大人過ぎて子供の僕には解らない、です。
トンネルに響き渡るシフト時の音、あればかりは卑怯なほど良かったなぁ・・・
シフトパターンで解る、メーカーの覚悟を感じた日でした。
Posted at 2022/07/03 23:22:03 | |
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2022年07月02日
政治は国民のもの、というウルトラ偽善サブタイトルを表題にした自民党の失笑広告に苦笑いしながら、暑い暑いと移動をしておりました。
仕事の移動はほぼほぼクルマですが、これは電車が嫌いという以前に運転が好きだから、という理由も大きいです。
逆にクルマの運転なんか好きじゃないけど仕方なく仕事で移動している人も多く見受けられます。その場合、傍から見ても解るくらい凄いつまらなそうな顔をしています。
そういう人とは相いれないのは解っていますが、その上で「クルマの運転をしたいから、車に乗る」事がある人の割合が気になります。
別にどこか用事もない、行きたいところもないんだけど、クルマを動かすと楽しいから車に乗る、というある意味でいう移動手段としての車の意義を全否定する、そういう行動です。
まず、移動する手段だけど楽しい、というと歩くから始まり最高峰は戦闘機とか宇宙船だと思いますが、後者の方はほぼほぼ無理And人類の能力の極限状況に近く且つコストも膨大で楽しいかどうか判断しかねるものに思えます。ある種の快感はありそうですが。
その中でも乗馬のような、元々は移動手段だったけど今は完全に趣味、というものがあります。
もしかしたら、、、クルマも乗馬と同じ部類になったりするのかな、と思ったりします。
というもの、例えば戦闘機などと比較した場合・・・戦闘機はまず凄く高いし、そもそも普通に人は乗れないし、仮に所有出来たとしても操作は煩雑で且つ準備も大変、挙句得られる感覚は下手すると即座に失神するレベル。クルマとは大違いです。
その点乗馬との共通点は、乗っていて心地よい場合があり、操作も煩雑すぎない、準備にしても生き物である部分を抜けばそこまで大変ではないです。コストは高いですが、戦闘機ほどではない。
クルマも似ている部分があると思います。特にこの先新車として製造が不可能そうな分野の車種に関しては、例えば乗馬クラブ=サーキット及び私有路で乗る事しか出来ない、という感じに限られた場所で且つ相応のコストや新しい社会適合を迫られる可能性があります。
そうなってくると、移動手段として適合てきたクルマ以外のクルマを所有し乗る人って、ただ乗りたいから乗る、という現在でもどうやらマイノリティそうな人々でしか残らない分野な気もします。
ただ、乗馬と違い、馬がモビリティとして活躍していた頃と比べても車の普及率は非常に高いので、分母を考えるとそれなりの数は残る気もします。
結局のところ、クルマのある種の特殊性・・・ただ移動するだけの物体であれば求められない部分が求められているのは移動手段としての便利さと、楽しさの融合があってこそ実現できるものであって、今後公道を移動する事にイノベーションが起これば、まるで携帯や電子レンジと同列の考え方を以て作られる、普通の工業製品になる気もします。
果たしてその時、クルマを動かす事が楽しくて仕方ない人達はどれくらい残っていて、そしてその人達はどうするのか、メーカーはどうするのか、あっちのクルマとこっちのクルマに分離されるのか、どちらかが見事に消え去るのか、、、、
あと10年もすると見えてくるかもしれませんね。
Posted at 2022/07/02 23:04:42 | |
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