
アルピナB10の直進性が妙に良い、というのは前に書いた通りなのですが、そんな話をある車業界の人と話していたら、それエアロよりサスじゃない?と。
サス、、、トーインとかキャスター角とか?と言うと、そうじゃなくてアブソーバーに秘密があるんじゃないかなぁというわけです。
BMWは5シリーズはフロントサスの形状はずっとストラットでした。
F10型で初めてダブルウィッシュボーン式になり、それまでの超高速域でやや他のドイツメーカーに比べて怖くなる感じが無くなり、替わりに独特の軽快さは少し薄れたようにも感じました。
ストラット式サスペンションは軽量かつパーツ類が少ないどちらかと言えば簡便な方式ですが、例えばフロントがマルチリンクサスの車と比べると、ストラットはアッパーアームが無くなりアブソーバーだけでサスペンションの剛性を作り上げる必要に迫られるサスペンション形式みたいな感じです。
要するに、アッパーマウントと結合するケースや、その中で上下するロッドの剛性が外乱にどう対応出来るかで、相当変わるのがストラットと言う事になるはずです。
その人言うには、アルピナのザックス製ショックはケース剛性も高く、且つロッドは他より太いというか、より剛性があるものを使っているはずで、それが直進性を上げているのでは?という推測をしていました。
確かに、、、
思い出すと自分が乗っていたE65後期の750ショートは超高速域に入っていくと何やら捩れる様な、言いがたい不安感がありました。そこ行くとB7スーパーチャージは感じなかった気がします。
あと、E46のB3と普通の320iにビルシュタインのプロキットを入れた場合ですが、これもアルピナの方が大台を超えてさらにというシーンで明らかにB3の方が自信をもって真っすぐ走っていた記憶があります。
エアロパーツの効果もあるとは思うのですが、もしかするとアルピナの足回りって、乗り心地以上に、アブソーバーの剛性が自慢なのかもしれません。むしろ、その剛性があるから、乗り心地も良く出来るのかも知れません。
サスをぶった切ってチェックしてみたり、非破壊検査してみたり、あと寸分の狂いに違いがあるのか、、、そんな事をするとアルピナがやった事の凄さが、もっと数値的に解る気がしてきます。
E39の5シリーズは、確か記憶上540iがハイラインで900万いかないくらい?525iなら500万円台だった気がします。
方やB10は前期モデルのV8で1270万円+OPですから400万円くらい軽く540iより高いわけです。
ただ、当時最新のスウィッチトロニックを始め、アルピナ独自の改良が数多く散りばめられているのを考えるとそう高いもんでも無い気もします。
B10V8は6気筒モデルと違い、ウォームセクター方式のステアリングなので、想像よりモッタリとしたハンドリングなのです。
これはスポーツカーでなくスーパーGTなんだ、そもそもセダンをリムジンと呼ぶ意味はそういう部分にも表れている気がします。
それにしても、こんな事をよくぞ21世紀になってもやってくれたもんだなぁと感じます。大したもんです。
Posted at 2024/04/25 23:24:16 | |
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