
愛すべき後輩から「子供が二人に増えるのでもう、無理です」とイマイチ意味が解らない電報が届き、結果としてマイボクスターに乗って一緒にフリードを見に行くことになりました。
要するに、今乗っているBMW一世代前の1シリーズじゃ家族移動が無理になるってことなんですが、、、何で無理なのか、去年マセラティ3200GTで子育てしている家族をサービスエリアで発見したボクには理解が出来ません。
逃げるな、戦え。
そんなボクの声はちっとも彼の心には刺さらず、イリーガルな公道レースに手を染めていた頃の目つきはどこえやら、ヒツジみたいな顔になり下がった後輩は「スライドドアじゃないと」と無意識に横でぼやいていました。
ああ、洗脳されてる・・・ひそかにフリードに向かう道すがら、勝手に進路変更してマカン買わせちまおう、アストニッシュしてやる・・・ともくろんでいたのですが、後輩は執拗に「あの、ホンダに向かってますよね?ホンダはこっちですよね」としつこくネチネチ言ってくるので、仕方なくホンダにピットイン。
「NSXってありますか?無ければビガー見てみたいです」というボクの声をかき消す賑やかさは、どうやら週末ホンダまつり(?)における焼きそば食べ放題とフリードリンクによるファミリー賊の襲来によるものと察知。
マイカーの置き場所を探してもらっている間、じっくりファミリーを見ていましたが、単世代であったり、二世代であったり、三世代で孫までいる場合もあり、皆様焼きそばを夢中で食べている。ここでお昼済ませちゃおう、とかそういう感じなのか、とはいえセールスマンも仕事はしていて、そんなもりもり焼きそば食べつつ地味に商談は進んでいる様で、特段深い話もなくフリードが契約されているようでした。
凄い、、、スライドドアではなく、フリードに洗脳されている、、、深い話もせずに契約だなんて、300万円とか400万円という大金をつぎ込む行為とは思えない所業です。焼きそばになんか入れてるんか、またはフリードリンクにエンドルフィンでもぶち込んであるのか解りませんが、ボクには異様な光景に見えました。
もう多分救えないであろう後輩を捨てて、ファミリー賊にドアパンチされない場所へ勝手に止めて、ボクはZR-Vを見てました。
なんだこれは!と岡本太郎の真似をしても無反応の女性セールスマンを向こうに、ああ、この車400万円超えるのにドア内側カバーないな(先日の日記はこれのせい)と思ったり、その割にセンターコンソールは縫い目があったり、でもなんかメーターの質感は悪い意味でガジェット感薄いな(この車の場合、ガジェット感を重視した方が良い気がする)、とかモンモン見ていたのですが、ふと後輩の方を見ると、もはやヒツジの顔から家畜の目(失礼)に変わりつつフリードを見ていました。
どんなもんなのフリードは、とボクも思って見に行ってみると、なるほど確かに良く出来ている。
二本スポーク(!)のステアリングを回しながら、ゴレンジャーのビデオでも流して、パパは昨日巨人戦を見に行ったぞー!とか子供に自慢しながら、今日はマクドナルドのドライブスルーだぞー、とか話していたら、すんごい幸せになれるんだろうなぁ・・・と、思わずボクまでブレインストーミングされかけました。
冷静になれば、同じシャシー、同じようなパワーパック、表面はとても快適ながら一枚剥ぐとどんなかわからん内装材、なんだかんだホンダはホンダなんだな・・・と思わせる乗り心地、、、
違う、これは違うぞ、後輩よ、今の1シリーズか、またはM135iの認定中古に乗り換えて、SNSに動画をアップされる事など恐れずに、動くイナバの物置を新東名で縦横無尽にぶち抜くパパになるんだ!!!!
後ろの席から運転している後輩にテレパシーを送ったのですが、それは届かずに、結局見積書と気になる色の気になるグレード(総額375万円)の個体をホールドして替えることになったようです。
まぁ確かに5ナンバーサイズだし、それでスライドドアで、安全装備も一応付いていて、まぁ確かにこれ一台あったら子育てと奥さんの移動はクリアしちゃうよなぁ・・・と、人間として終わっているボクでさえ解る、日本の家族向け商品なわけですが、、、
5難波?日本向け?子育て家族?
5難波ってそもそも、そこに縛る意味ってなんなんでしょう?そして、いつまで日本みたいな特殊事情に合わせる製品を日本メーカーは作ってくれるんでしょう?そして子育て家族って、これから増えるんでしょうか?
勝手な予測ですが、フリードって実際問題シャシーとか大差ないし、一発目で気合入れた後は、実は結構惰性走行なのでは?と。で、今回がもしかしたら最後なんじゃないかなぁと。
だって、あまりにもパイが小さい。大衆車枠として考えた時に、世界販売におけるこの車のシェアというか母数はあまりにも単一車種としては小さいはず。そんな儲からない仕事をいつまでやるべきなのか、、、ボクがステークホルダーなら「さっさと日本なんぞ捨てろ」と言いそうです。
ちなみに、ナンセンスな雑誌たちはシエンタとガチバトル!!!とか必死のインプレを載せていますが、高畑充希に似た男性セールスマンが言うには「フリードって思ったほどシエンタと競合しないんです」と言ってました。へー、、、
へー、、、
同じタイヤ4つの物体なのに、二人しか乗らないし燃費悪いし、物は乗らないし乗り心地は硬いし煩いし、フリードより明らかに終末期のボクスターを動かしつつ、こういう車がまだ出てくる日本はまだ大丈夫だけど、もう出せませんよ、という時が来たら、ああ日本ていう国は良い国だったね、なんてならないといいんだけどなぁ・・・と思った日でした。
Posted at 2024/08/30 20:12:21 | |
トラックバック(0) | 日記