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2017年04月19日 イイね!

最終仕様のリセッティングとセッティングの考え方について2

最終仕様のリセッティングとセッティングの考え方について2こんばんは。

前回に続きまして、今回は実際に行っている変更手順などを。
本日のタイトル画像は意味深にコチラ。
勿論利用価値もありまする。
特にBNR32トカネ。





<画像1 インジェクタ補正STDデータ>


まずこちらの画像ですが、これはスタンダードデータのインジェクター補正の数値です。
前回の数値と照らし合わせて見て頂きたいのですが、注目してほしいのは燃料噴射時間変換係数です。

通常滅多に変更することもない項目ですが、エアフロ容量を大きくし、燃料系統も大きく強化した際はこちらを使用してある程度燃料に対する全オフセットをすることが出来ます。

基本燃料噴射時間を決定するために使用される数値で、これについて解説しているものも多くはないですが大体ノーマル書き換えなどで対処するときに使用する俗にいうK定数というものとほぼ同じ扱いで利用できます。

という事で現在使用しているインジェクター係数とエアフロの掛け率でこちらを補正するとこんな感じになってきます。

<画像2 新たにベースにするインジェクター補正データ>


時間変換係数はおおよそのエアフロ倍率と燃料補正割合の平均をそのまま基準データに掛けたもので、実測値が判らない場合は公称値もしくは3σ(3しぐま:正規分布;確率的偏差みたいなものです)が判っている場合はそちらを元に計算しても構いません。

各インジェクターの補正値は実数から計算したもの。

無効燃料噴射は今回は公称値に戻してあります。





次に私の車両の場合、エアフロ電圧マップ(判定電圧側)をずらしてしまっていますのでこちらを基準に戻します。

PFCのデフォルトでは0~5120mvを32で割り込んでありますので単純に160×マップ番号の数値で、1のところだけ0となっています。

今回はデフォルトに戻すわけですが、なぜここを変更していたかというと
車両によってどうしても運転条件切り分けのできない同一エアフロ電圧を使用してしまうケースがあり(これはD制御でも同様)、運転パターンAでは丁度よいのに、運転パターンBではどうしても一時的に薄くなってしまうなどの場面が出てしまいます。
特に電気負荷やエアコン負荷と重なりやすい部分で起きやすく、エアフロ特性は電圧が上がっていくに従って空気増分の割合が跳ね上がりますので、微妙な差を調整しきれないからです。
他の高機能なフルコンではその条件を絞るために多くのセンサーを利用していますが、基本的に専用の追加センサーを使用しないPFCではこれを部分的な分解能を上げることで対処することになります。

勿論全体の配列容量は32のままですから、部分的に分解能を下げる領域もでるのですが実際にセッティングをしていると実走ではほとんど使われない中間ゾーンも多く、2点間補正も行われている上に、他の要素で帳尻合わせることもできますので実際にはあまり問題になりません。

要するに追加センサーの代わりに、電圧の僅かな違いを利用してそれで運転状態を判別するために変更していたという事ですね。

<画像3 Z32エアフロSTDデータ>


さて、電圧配分を直せば当然VQはズレるのですがとりあえず試走できるレベルに合わせないといけません。
経験的に電圧マップで
7~12
17~20
あたりをざっくりと調整すれば試走できる状態になりますが、この中でも特に
1180mv付近 1280mv付近 1800mv付近 2100mv付近でズレるのが多いかと。
目安として2700mv付近まではほとんど正圧に入らないはずなので、ニュートラル判定でブーストカットしている車両などではその上は実際に負荷をかけて走らないとどうにもなりませんし、負荷をかけた分電圧もずれてきます。


上記を踏まえて軽く調整したのがこちら。

<画像4 エアフロ修正データ1>


このままではどこが変更されたのか分かりにくいので少々加工して比較した画像がこちら。
グラフ中の白い部分が差異のある箇所です。

<画像5 エアフロ比較画像>
少しは見やすいでしょうか?


とりあえずこのデータでまたログを取ってみたいと思いますが、(仕事溜めすぎて(爆))作業時間がなかなか取れてませんので次回へ続きます。



Posted at 2017/04/19 23:15:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング記録 | クルマ
2017年04月19日 イイね!

最終仕様のリセッティングとセッティングの考え方について1

最終仕様のリセッティングとセッティングの考え方について1リセッティングその1とセッティングの考え方について。

こんばんは。







先日のインジェクタ変更後暫定でセッティングを出しておきましたが思うとこがあり真面目にリセッティングをしようかなんて思ってます。
文章にしてみたらこれまでの総まとめ的に書いてますのでかなり長く、読みにくいですが点火時期と燃料の関係ほか合わせ方の例などを交えて書いてみました。
数回に分けて掲載していく予定で、2回目からは実際的に自分で行っていくセッティング作業を紹介していこうと思います。



こんな感じの補正値を入れていた訳ですが

<旧補正値画像>


インジェクタの噴射量については実測値を根拠にした補正値です。
IRSさんで作成していただきましたレポートの数値からの比率ですね。
旧タイプのパワーFCで370cc、現行タイプのパワーFCで365ccを基準として算出してあります。

SARDの公称値では無効噴射は0.8msとのことなので、純正の0.628を当てはめると本来なら無効噴射に入る補正は+0.172です。

しかしこの状態では全域でかなり薄く出てしまったために暫定で更に0.03msほどを加えた0.2msで割といい感じにA/Fが出ていることは確認済みですがどうにもセッティングデータ的に美しくない(トータルの帳尻合う事でいえば間違いではない)ので判定基準を燃料系基準+理論マップで実数値を目指して少々作り直すことに。

現状ではエアフロはVQだけでなく電圧位置でも調整していますが、電圧割り当ては一度均等に戻して個体差の強いエアフロVQをしっかり合わせ込んでいく手法を取ります。


私がセッティング記事を書く際は、いつも説明が無駄に多かったりするわけですが、どのようにセッティングを決めていくかという事をしっかりと決めておかないと、鶏と卵の話になってしまいことセッティングに慣れていない方が実際にセッティングを行う際にはいつのまにかアチコチといじってしまい、最終的に訳が分からなくなる事態に遭遇しやすいからです。
ここでまわりくどい、とか、面倒と感じた方はプライベートでのセッティングは恐らく向いてませんので信頼できそうなプロにお任せするのが賢明です。
信頼できそうなプロを探すのも一苦労ですが、目安として
特定のECUのダメなとこを羅列しているようなチューナーさんは、まっとうなセッティングを行えないケースが非常に多いです。
社外の制御追加基盤やフルコン、サブコンは色々ありますがそれぞれ制御基準が違ったりしますので、その違いを理解できてないとうまくセッティングが出せず、結果~はダメだと言い訳を始めるパターンです。
そういえばPFCもよくこの例でボロクソに言われますが…
時代遅れのオモチャですら満足に調整できない人が、とても複雑な高度なECUをきちんと扱えるとは思えません。ってのが個人的見解です。

勿論マイナーどこから有名ドコまで、超高機能な制御機材はあるわけで、制御モードも複数選択できたりと便利ですが、一般的な制御で走らす分にはPFCでセッティング出せないなんてことは滅多にないです。
フェイルセーフが無い事を除けば安価でシンプルなツールですし、セッティングの基礎を1ユーザーが学ぶにはちょうど良いボリュームだと思っています。

話が随分ズレましたが・・・

さて、今回は負荷領域や回転領域、燃調マップと点火マップは基本変更を行わないセッティングとなりますがこれから自分でセッティングをやりたいという方の為にセッティングの進め方を改めて記載しておきます。
(ここでは最低限、A/F計と調圧レギュレーター、燃圧計が用意できている状態でPowerFCでのセッティングを前提としております)

1:車両状態の洗い出し
現在組み込んでいるエアフロ、インジェクター、タービン特性、ブーストコントローラー、燃料系パーツ、固有制御(可変バルタイ機構などの仕様)の素性を書き出しておきます。
同時にそれらの純正能力なども出来る限り調べておきます。

2:セッティング手順の確認
どのような順序でデータを変更するかを決定しておきます。
通常はスタンダードデータから
基準合わせ=各変更パーツに必要な補正値をまず入力し、またはPFCの仕組み的に逆算しておきます。

例えばインジェクターがいまひとつ素性が判らないだとか、ノーマルインジェクターだけどやけにずれるなんて時は

一応燃圧が基準通り変化なし、ノーマルエアフロもしくはきちんとVQの取れているエアフロの場合を前提として
O2フィードバックを無効にし
暖機終了後に読み込むアイドル位置とその周辺マップの燃料補正値を100に書き換えます。
点火時期はその車のアイドル点火時期(ER34なら15度とか、BNR34なら20度とか)へ書き換えます。
PFCは燃料マップ100のときに、目標A/F14.53をとりますのでこの数値になればPFC上のSTDインジェクタデータ(取扱説明書に記載されています)とほぼイーブンという事になります。

このとき例えば15.5をA/Fが示していれば基準容量よりも燃料を噴いていないということですので
15.5(現状)÷14.53(目標値)=1.066
ということでマップ上では106~107程度、もしくは全部のインジェクタ係数を1.066で書き換えればおおよそ目標のA/Fになるかと思います。
ER34の現行PFCでいえば365ccが基準データですので実際のインジェクタ容量は約344ccしかなかったという事が逆算できます。

逆に13.5だった場合は0.929ですので、こちらでインジェクタ数値を補正かけておけば基礎的な燃料のズレを合わすことが出来ます。

ここでピンときた方もいると思いますが、調圧レギュレーターを導入している場合この段階で燃圧側を調整してしまうという手もあります。
例えばER34で344ccしかなかった場合燃圧を2.5から2.8に変更すると大体365cc付近になりますのでインジェクターはあくまで100として、基準燃圧をズラして整合を取る方法もなくはありませんが、あくまで参考手法としておいてください。


#この最低限の基準合わせが出来たら、一度空ぶかしによるログと、実走での加速ログ、定速ログを取得しておきます。

(ログはA/Fを含めたログという認識ですので、A/Fを同時に取り込めない場合は録画するなり、汎用ロガーを利用するなりしてログと突き合せできるようにしておきます)

ログがとれたらTXT出力などでエクセルに取り込み、トークン(区切り)処理をして危険なA/F推移やノッキングがないかを確認しておきます。

過度のノッキングが出ていた場合は、負荷値と回転数ログから該当のマップ位置の点火時期を3度~5度程度下げておき再度試走してログを取得します。

あとはA/F推移をチェックしながら、マップ上と実際のデータのズレのあるエアフロ電圧をメモしておき、該当のVQマップの値を変更して目標空燃比になるように調整します。

A/F推移が完成しましたら、マップトレースで加速で読み込む軌跡を記録して、点火時期の調整を1度刻みで行っていきます。

ここまでデータが完成したら、加速時燃料増量値とその引き去り値で瞬間的なA/F推移を作成し、さらにシフトアップポイントで読み込むマップ周辺の調整を納得のいくまで行っていくという繰り返しです。

3:実作業とログ解析
手順でも触れてしまいましたが、基本ルーチンワークです。
慣れないうちは同時に複数のデータを書き換えないようにして、確実に1項目つつセッティングしていきます。
特に点火時期によりA/F値も左右されますし、可変バルブタイミング機構を備えた車両ではその変化時にA/Fなどが変化することが多いです。

ターボ車両の場合は負圧領域、正圧領域をそれぞれ3つ程度に負荷ごとに分けて行うとやりやすいかと思います。
これは負荷=エアフロor圧力センサーを基準にしているのと、その負荷ごとにおおよその目標A/Fがあるためです。

アイドル付近(-70~-50程度)
NA域走行軽負荷(-40~-20程度)
NA領域高負荷(-20~0(大気圧)付近)
ターボ領域低圧(0~0.3k程度)
ターボ領域中圧(0.4~0.7k程度)
ターボ領域高圧(0.8~1k程度)

大体はこのような感じでゾーンを決めて、そのゾーンごとにセッティングを決めていきます。
もっとハイブーストを使用する場合は更に0.2刻み程度にゾーンを区切っていきます。

4:考察
ログ解析では同時に様々な考察も行います。
主に回転数側での割り振りですが、過給の立ち上がり方に応じた要求燃料の増加や、サージング発生ポイント。
燃料増加による適正点火時期の見極め。
カムプロフィールによる取り込み空気量の変化と未燃焼ガスの関係などです。
燃焼温度は推測値ですが、排気温度計がある場合は若干推測しやすくなります。

ここで混同してはいけないのが燃焼温度と排気温度は必ずしも比例しないということです。
(この部分、かなり誤解されている方が多く、なかにはプロのチューナーさんでも理解してない方もいたりするので注意です)
例:排気温度高いので、燃料増やして、点火時期を下げた>>>結果触媒溶けて終了

判り易く説明するなら
30分前に沸かしたヤカンのお湯はぬるいけど、沸かしたてのヤカンのお湯は熱いって感じでしょうか?
点火時期を早めると燃焼温度は上昇します。
燃焼ガス排出までの行程時間いっぱいに燃焼させますので、燃焼室温度は高いのですが、燃え終わりから時間経過が長くなりますので排気管内を流れるうちに温度が下がります。

逆に、点火時期を遅めにしますと、排出までの時間が短いので、燃焼室内の温度は上がり切りません。しかしまだ熱い燃焼ガスが排気管に入り、更に燃え残った燃料が排気経路内で燃えたりして排気温度が上昇します。

燃焼温度の異常で起こるデトネーションなどの多くは、早めすぎた点火時期によりノッキングが発生し、そのためにピストン運動方向に対してブレーキのような力が加わり内圧が過剰に上がりすぎることで温度が急上昇した結果温度境界が破壊されてピストンやバルブを溶かします。
つまり、気化熱冷却目的で燃料が多く濃い状態でもノッキングが発生すれば、容易にエンジンブローに繋がるデトネーションを誘発するという事です。

確率的に燃料が濃い状態ではノッキングは発生しにくくはなっていますが、気体に比べ液体が多いと内圧が上がり易く、急激な温度上昇の一因になります。
たまに濃い分には壊れることはないだろうとタカを括ってる方も見かけますので念のため書いておきました。

長くなりましたがこの辺りの事情を考慮しながらセッティングを進めていくことになります。

次回へ続く。
Posted at 2017/04/19 00:33:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング記録 | クルマ

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