
こんばんは。
2005年にER34を購入して気が付けば12年目。
購入当初から最終ステージをタービン交換車としてきちんと仕上げるつもりでメンテナンスとリファインを繰り返してきましたが先日インジェクタ吹ききったこともあり最後のファクターとなっているインジェクターの変更を決定しました。
そこでインジェクターの選定に入りましたが大分ER34用の大容量インジェクターは種類が減ってしまった印象です。
2ホールや4ホールの大容量インジェクターは減り、比較的制御のしやすい多孔式のインジェクターに切り替わりつつある印象で最終的には最近の定番になりつつあるSARDの550cc 12ホール (レジスタ高抵抗)で車種別キットのある63599を使用することにしました。
一応計算上ブースト1.2kとした場合
2.5bar=384cc 実効ピーク燃圧4.4k 差圧3.2kですのでざっくりと計算するとピーク吐出量は
3.2÷2.5=1.28
√1.28=1.13137 × 384 =約434cc
ってことでほぼタービンプロフィール限界で吹ききったというのはほぼ計算通りです。
(燃圧によりインジェクターの吐出量は増大したりしますが、適正なスプレーパターンやソレノイド駆動で吐出されるとは限らないのでインジェクターの適正稼働率で運用するのがセオリーです)
同じ条件でSARDのインジェクターのピーク値をざっと計算すると約622ccですので稼働率はおよそ70%目標ですね。
ちなみに基準燃圧上は比率0.79なので約80%で、純正プロフィール比ですとやはりおよそ70%となります。
さて、インジェクターを交換するのは良いとして問題は製品精度。
一般的に各種インジェクター製造元メーカーさんの許容誤差は±3~8%程度。
仮に5%の差があった場合・・・370ccインジェクタの場合で+側で388cc、-側で351ccですので随分と差が出てしまいます。
これが550ccとなると・・・+側で577cc、-側で522ccと随分な差になってしまいます。
気筒別補正の入らないノーマル制御のエンジンならばこの差は顕著にエンジン回転のバラツキとして出てきますし、実測値でない公称値決め打ちでの現車合わせでもインジェクターを大容量化するケースが多いだけに不調の一因となります。
最近は純正インジェクターならレベリングインジェクターを扱う場所も入手先も増えましたが社外の大容量となるとそれも難しいところです。
ここで少しレベリングインジェクターについて説明をしてみようかと思います。
レベリングインジェクターという物を私が知ったのは7年くらい前でしょうか?
インジェクター洗浄のオプションとしてストックしている同一型番のインジェクターの中から噴出量の近いものをセットにしてエンジンの気筒別の燃焼状態をできるだけ均一にしようという考えのもと生まれたサービスのようです。
エンジンのダイナミックバランスのようにブレを低減するものの燃料版といった感じですね。
私のエンジンも各部の重量合わせと動的バランス(低偏心化処理)を施工していますが回転の起点となる燃焼状態がばらついていたのでは折角のダイナミックバランスも本領を発揮できません。
ダイナミックバランスやレベリングインジェクターは導入がパワーなどに繋がるようなものとも少し違いますが、機械的な精度が上がることによるストレスの軽減とスムーズなエンジンの吹け上がりに大きく貢献してきます。
レベリングインジェクターを依頼すると大抵このようなレポートが作成され、いくつかの噴射パターンでの測定とアベレージなどが記載されます。
画像は私が現在使用中のノーマルのレベリングインジェクターのレポートです。
導入時に少々トラブルありまして2組目なのですが1組目の平均吐出量は確か390ccほどだったかと。
NEO6のRB25DETなどは特にプラグへのアクセスも悪く、いちいち燃焼状態を確認・・・なんてやってられませんのでこういった要素は非常に助かるものです。
そう、レポートを見ながら悩んだ末に発想を転換して思いついたのが
新品のインジェクターを送付して実測レポートを作成してもらう
という解決法です。
実測値さえ分かればセッティングツールは有りますので気筒別設定できますし、現状でも使っている機能です。
インジェクタ数値の設定例
色々と調べた末にここはひとつ先駆けとなった
株式会社IRSさんのお力をお借りしてみようと打診したところ
広報・営業の野本様より快く作業OKのお返事を頂きました。
今回は新品インジェクターを送付しての検証ですのでクリーニングはなしでレポートのみ。
費用は2000円/1本 (税別)とのことで今回は6気筒なので6本分。
代金が1万円超えの場合送料サービスとのことでしたので12960円で強力なセッティング資料が手に入る感じです。
レポート内容はほぼ上で掲載したレポートと同じフォーマットになる模様です。
(上記にはない3bar全噴射もしていただける模様)
噴霧状態の均一化、吐出量の均一化はチューニングに限った話でなくエンジンに対して非常にメリットのある事なのですがなぜか一般的なメニューに組み込まれてこないのが不思議です。
IRSさんではリビルト方式での
レベリングインジェクターのweb販売も行ってますので興味ある方はこちらも覗いてみてください。
(納品されるインジェクターと同型のインジェクターのコア返却が必要となります)
(社外品のセットの場合返却コアも同じ社外品のコア返却が必要となります)
また物理的なレベリングができなかった社外の大容量インジェクターなどでも実測値を知ることで、制御側でバランスすることが可能なECUも多いかと思います。
目下色々手配中ですので状況が進み次第また記事にしてみようかと思います。