大型版・毎日乗れるスーパーバイク　それがNinja650

レンタルした車両は全面ブラックで、車名のデカールが貼ってあるだけ。フロントカウルはたくさんの面で構成されているので余り殺風景ではないが、2トーンカラーやグラフィックがあった方がよりスタイリッシュだ。


ウインドシールドは低いため機能性に乏しく、ヘルメットの風切り音はネイキッドと変わらなかった。
燃料タンクはハンドルとの干渉を避け、ニーグリップ部分を細身にしながらも15Lの大容量を追求してかやけにボコボコしている。
ハンドルはフルカウル車らしくセパハンを装備しているが、バーハンドルでも創り出せるアップライトなポジション。グラディウスは軽い前傾姿勢になるがNinja650は若干より前傾になる程度で、ハンドルに体重がさほどかからないので姿勢で疲れることはなかった。

ガッツリ走り込みたいので峠や急カーブが連続する道を幾つも盛り込んだ。

レンタルした車両は2020年モデルの逆車仕様で、走行距離は1万km。タイヤはフロントがロードスマートⅢS、リヤがパイロットパワーであった。どちらも新車装着タイヤの寿命を全うして換装されたものだろう。

峠道を含め、一般道の走行なら期待以上の動力性能を持つ。
ギヤを含めた扱いやすさは1年前に試乗したMT-07以上で、6速2500rpmでもノッキングする気配がなく、アクセルを捻れば遅れなく加速してくれる。なので60km/h以上なら 6速に入れっぱなしで何の不満もない。
6速の時、60km/hは2800rpm、80km/hは3800rpm、タコメーターのバースケールが白と橙に点滅する4000rpmでは84km/hだ。
峠の登りでも速度の維持が容易で、シフトダウン不要で立ち上がり加速ができてしまう。
急カーブでの曲がりやすさはグラディウス400を楽々上回り、低速トルクの厚さと相まってついついペースが上がってしまう。バンクセンサーは短く接地することは無かったが爪先は地面に擦れる時があった。
低排気量でも低いギヤを駆使してトルクを引き出してやればいいのだが、エンジンを吹かす習慣がない自分には4000rpm以内であらゆる道を満足に走り切れる650ccツインはきっとピッタリなんだろう。
エンジン音は街中を2000rpm台で流していると発電機のような、道路工事のような音に聞こえてしまう。マフラーを替えたくなった。

リヤサスがフカフカしており座っただけでも結構沈む感があった。
車載工具の中にフックレンチがあったのでリヤサスを見てみたが、レンチを掛けられる箇所が見当たらず諦めてしまった。
帰宅後ネットで取説を読んでみたら左側面のカバーを外す必要があるとわかった。
フロントサスも同じくソフトでコーナー進入前に軽くフロントブレーキを握っただけでも沈み込みが大きい。
このようなサスのセッティングなので公道走行の乗り心地はかなり良かった。

シート下の収納スペースはETC車載器と書類に加えウエスが1枚くらい入る深さがあった。
タンデムシートは面が小さく、荷掛けフックはタンデムステップの隣にしかない。ツーリングネットの掛け方に難儀した。

554.9km走行し、給油2回の計が17.26L。
燃費は32.15km/Lとなり30キロ台に乗ったのが驚きである。
グラディウス400とほぼ一緒である。流石は2気筒だ。
逆車仕様だったので燃料は割高なハイオクだが、日本仕様はレギュラーガソリンなので燃料代は中型バイク感覚である。
平均燃費計はスタート時にリセットし33.4km/Lだった。

2022年モデルは913,000円（消費税込）で、4気筒のアドバンテージを持つCBR650Rや上級装備が奢られているYZF-R7と比べてバランスが取れているのではなかろうか。