2012年09月09日
乗ってミラージュしてきました。
数字に表れる燃費、車両重量、空気抵抗係数などは立派ではありますが、貧乏くさくて所有する喜びは欠片も感じられないという印象でした。
まず、徹底的な軽量化ですが、その裏返しとして省略、薄肉化が激しいです。
ドアを開けると、大概のクルマって敷居に樹脂のプロテクターが付いていますが、ミラージュには無く、鉄板むき出し。キズは避けられないでしょう。
ラゲッジのカーペットは紙みたいな出来で目を疑いました。多分、手で簡単にちぎれます。
リヤシートの背もたれを倒すとこのカーペットは必ずめくれてしまいます。そして、一度折り目をつけてしまったらつきっぱなし。
そして、カーペットをめくると現れるボード。パンク修理キットが収まる凹みの上にチョコンと載るだけの最低限のサイズでした。定位置がどこなのかも分かりません。
通常目に見えない部分は徹底的に塗料をケチっていて、これはこれで潔いと思います。
というわけで、部品や塗料をケチケチして1品数十グラム単位の軽量化を図っていることが分かりました。
さて、公道を走ってみます。グレードは最上級の「G」でした。
ミッションは副変速付きCVTで、アクセルを踏む→エンジン回転数が上がる→速度が上がるの反応がまるで直接的でなく、運転していて気持ち悪かったです。
普通二輪の免許を取るのに乗っていたバイクのギヤチェンジが実に爽快だったのと対極にあります。
タコメーターが付いていましたが、そもそもCVT車にタコメーターを付けてもあまり意味がありません。ドライバーがエンジンの回転数をアクセルワークでコントロールすることが出来ないですから。
「ECOドライブアシスト」という表示が付いていました。マツダのi-DMに類する仕掛けなんでしょうね。これはどうやら他のクルマで瞬間燃費をゲージで表すのと同じ。子供だましのように見受けられました。
いくら燃費がいいからといっても、運転して楽しいという感覚はゼロですね。
ただ、ミラージュは年間数万km走るような営業車とかレンタカーとか、単なる移動手段として使い倒される用途には適しているでしょう。
ミラージュには4WDが開発されなかったので、ディーラーでは横滑り制御を含むセットオプションを最初から織り込んで価格表を作っていました。
横滑り制御を付けると納期は11月となります。しかし横滑り制御は4WDの置き換えには成り得ません。
果たして、ミラージュの発売で日本のマーケットはどのような反応となるのか注目していきたいと思います。新車効果は早々と薄れ、落ち着いたら国内の販売は月1000台位と予想します。
Posted at 2012/09/09 22:20:52 | |
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試乗会 | 日記
2012年09月09日
新型ノートに乗った次にスズキへ。
まずはショールームでFXをチェック。
外観は先代を引き継いでいますが、外板は全部プレスが新しくなっていました。
ヘッドランプは先代に酷似しているのでフロントフェンダーはそのままかと思いましたが、ボンネットフードの見切り線が違っていて、やっぱり新作でした。
使いまわせたらプレス金型を作らなくて済むのでコスト低減出来るのですが、ここは流石のスズキです。
3代目の途中で追加されたスティングレーは僅か1年7ヶ月の期間ながらフロントを全部新作してきましたからね。
タイヤは155/65R14にサイズアップ。
3代目まではベースグレードで155/65R13を一貫して採用していましたが、先代は2006年10月にFMCしたムーヴのマネをして145/80R13に格下げ。ムーヴが2010年12月に現行型に切り替わるとベースグレードでも155/65R14に上げてきて、今回のワゴンRもピッタリ尾行してきました。ここはイメージダウンとなる点です。
内装の質感をノートと比べると、ノートはワゴンR以下であることが明白でした。それだけワゴンRは巧みに質感を表現しているのです。シートも隅までしっかりしたコシを持っていました。新型カローラもワゴンR以下に思えるほどインパネは見栄えが良かったです。
リヤシートは途方も無い広さでした。狭いのに比べれば広いのがいいに決まっていますが、徹底的に遠ざける技術開発にしのぎを削るのが軽自動車唯一の世界なんですね。ガラパゴスですね。
リヤシート定位置でのラゲッジの奥行きは目算で20cmくらい。一番前までスライドさせると床面積は2倍ほどになり、十分な広さが得られます。
ラゲッジボードは厚みがあってガッチリ作ってあり、収まりも上々。ノートの低品質が際立つ仕上がりでした。
リヤシートを前倒しすると、ラッチが利いて背もたれがカチッと固定されるのです。隅々までしっかり作られている車という印象を持ちました。トヨタ車と違って、前席のシートベルトアンカーアジャスターもちゃんと付いています。
ノートの開発マンはワゴンRを見たら驚愕することでしょう。エアコンはフルオートで、ミラーは電動格納で、メーターは自発光でタコメーターも省いていない。これを110万で売るんですから!
スズキは超円高の影響を日産ほど受けていないんでしょうね。ノートには日産の収支の改善が託されているので、ワゴンRに比べて利益を相当盛っているんじゃないでしょうか。
続いて試乗。グレードはFXリミテッドでした。
メーターはノートに引けをとらない綺麗さでうれしくなります。スピードメーターの目盛りの色がスロットルの開け具合に応じて青と緑の間をゆっくりと移り変わっていきます。
スピードが13km/h以下でエンジンが停止するとのことで、赤信号で減速する際にその通りタコメーターの針がストンと落ちるのを確認しました。今ではタコメーターはエンジンの作動・停止を表示するためのものなんですね。
アイドルストップ中も「エコクール」の効果を体感しました。エンジンが停止していても、確かに除湿された冷たい風が続きます。赤信号1回の時間なら冷たさをしっかり維持できていました。
最新のCVTのおかげで加速も中々軽やかです。3000rpmまで回り、2人乗って申し分ない加速をしてくれました。
ワゴンRに乗ってしまうと、普段は市街地しか乗らない人なら小型車は不要に感じます。
あと、1年前にミライースが発売された瞬間に飛びついた人はワゴンRの総合的な性能、居住性、質感に感銘し、あっさり手放してワゴンRに乗り換えるケースが相次いでくる予感がしました。
三菱はあと1年軽の新車が出せない。もはや退場したに等しい感があります。
Posted at 2012/09/09 22:05:46 | |
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試乗会 | 日記
2012年09月09日
<2代目後期のデミオ1500cc・4速AT乗りのレポートです>
まずはショールームでXを見ました。外観は先代のイメージを継承しつつドアのプレスラインやブーメラン形テールランプといった新感覚を取り入れて先進性とカッコ良さを全身でアピールしているのを感じます。
ドアは4枚全て二重シールで現代の流行をしっかり押さえてありました。
インテリアはコストダウン丸出しという印象。
インパネの色が灰色でシボの彫りが浅くて、シフトレバー周りは全て灰色一色。
エアコンレジスターは全閉に出来ますが、閉じた時のロック機構が省略されていました。
サイドブレーキのレバーは金型の合わせ目のバリが出ているのも気になり、インパネは総じて「安物」になっていました。
ドアハンドルがメッキ処理され、ドアトリムに布が貼ってあるのがせめてもの救いです。
運転席に腰掛ける時、私は左手を座面の左端に突く癖があります。
ノートで無意識にこれをやった時「アレレ?」となりました。シートが大きく沈み、コシが無いのです。
これは明らかにスポンジの発泡率を上げて見かけだけ作ったもの。
長所を言えばシートの軽量化と低コスト。悪く言えば肉抜きです。私のデミオの方が確実にしっかりしています。
リヤシートは確かに広い。
そしてラゲッジ。先代の特徴だった2段トランクはオプション化されました。使わないとしても残念。
床のボードは何だか収まりが悪いです。取っ手は本当の「ヒモ」でした。
剛性は十分といった感じですが、ボードを所々押してみると沈み込んでしまいました。これではラゲッジに足を踏み入れたら床が抜けてしまいます。私の使い方には残念ながら合いません。
ボンネットの内部もチェックしました。フードは徹底的に短く作られ、インシュレーターは気持ち程度しか付いていませんでした。防音の効果というよりも遮熱とか歩行者保護の機能では?と感じました。後はステーの所定の位置への付け外しが一発で決まらなかったのが欠点。
超円高を背景に徹底的に原価低減が進められた結果が、内装を中心とした質の低下に繋がりました。
感性に利く部分は結構気にしますので、クルマにうるさい人は必ずや質感を指摘してくるでしょう。
実車を見てからカタログをもらってインテリアの写真を見ると、これが実によく撮れているんですよ!実車とギャップありすぎです。
DIG-Sを搭載する「S DIG-S」と「X DIG-S」って何て読んだらいいんでしょうか。
営業マンは「Sのスーパーチャージャー」と表現していました。
最高燃費を謳う「S DIG-S」は唯一リッター25.2kmです。
これはクラスで競合するデミオ13SKYACTIVの25.0km/Lを微妙に上回って1000cc以上の非HV車最高という既成事実を作るためのグレードです。
色は何と何と、シルバーのみ!36,750円払えばホワイトパールとの二者択一となります。
他には低級グレードでありながらタイヤが185/70R14から185/65R15と大径化して、最小回転半径は14インチ車の4.7mから5.2mへと悪化。
おそらく、S DIG-Sのみ空気圧パンパンでコッテコテの低燃費タイヤを履いているのではないでしょうか。
メーカーオプションはパールホワイトだけで、カーテンエアバッグもVDCも付けられません。HIDヘッドライトは全車付けられないのは物足りないです。
営業マンは日産の免税車の出遅れを嘆いていました。結構なお客さんがアクアに流れてしまったそうです。これでやっと他社と同じ土俵に立てるようになったのですね。
そして試乗です。グレードは最量販のX DIG-Sでした。
メーターは白黒のコントラストが良く、綺麗で気に入りました。
スーパーチャージャーによる力強い走りを体感できるよう、数km続く登り坂を登っていきました。
先日のミラージュとは打って変わって、CVTの変速はごく自然。2000rpmで60km/hまで普通に加速し、十分登っていけました。
ディーラー出発の際に平均燃費計をリセットし、これを監視していたところ、登り坂でもリッター12km程度を維持。
折り返しは当然下り坂。信号待ちも数分あり、ディーラーに帰ってきた時の燃費はリッター18kmでした!この走行性能の進化はお世辞抜きに凄いです。
車内の静粛性はハイレベルで、エンジンの騒音も全然気になりませんでした。買うんだったらDIG-Sにしないと後悔することになるでしょう。
日産はノートにはかなり強気な販売計画を立てていますが、その通り行ってくれればいいものの、質感の低さがどれだけ影響するか心配です。
Posted at 2012/09/09 21:47:40 | |
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