
15日(日)、アクセスサッポロのオールトヨタドライブ王国2015秋に遊びに行ってきました。
ホールを丸ごと貸しきって、新車の展示よりも子供向けのアトラクションにスペースが割かれていました。というわけで幼児を連れた家族連れで大変賑わっていました。
特別展示車に注目。
燃料電池車のNS4は流麗なシルエットの5ドアハッチバック車。ナンバープレートの形状と左ハンドルであることから欧州向けのイメージとなっていました。
遠くから計器盤を眺めると、ステアリングの奥に一眼メーターらしきものがあり、さらにインパネの中央には10インチを超えると思われる大型の液晶画面があり、カメラで捉えた後方視界とカーナビ、それにエネルギーフローモニターがレイヤー風に表示されていました。
現在でもルームミラーが役に立たない箱車のトラックを中心に、後方視界を常時表示する液晶モニターとカメラのシステムが普及しつつありますが、カメラと液晶が安価に手に入るようになった今、乗用車にもその流れが及ぶのでしょうか。
そうなると自動車のデザインはガラスが小さくなる方向に進んでいくのかもしれません。
もう一つがリアルミニ四駆のエアロアバンテ。
大径のホイールとペラペラのタイヤが目に飛び込んできましたが、サイズは295/30ZR22 103Wという現実味の薄いものでした。しかし検索したらこのサイズはちゃんと市販されていてビックリ。たまにこれくらい薄っぺらいタイヤを履いた大型SUVを見かけますがね。
さらにリヤエンジンなのに前後同径。ツメが甘かったか?
販社の異なるクルマを一度に見比べられるのが利点。
クラウンアスリート、マークX、カムリ、SAIについて、それぞれ運転席や後席に座ってみました。
やはり、インパネやアームレスト等のソフト素材やシート地などで差をつけてあり、クラウンは流石と感じました。
マークXはカムリよりもインパネのソフト感に優れ、さらに後席もリクライニングや分割トランクスルーがあって中々機能性が高い。
設計年次の古さから燃費や安全装備で遅れが目立っているのは止むを得ませんが、それでも良ければ満足の行くクルマだと思います。
SAIはボディサイズと価格と質感のバランスが他のセダンのヒエラルキーから外れた存在。
後席のアシストグリップはウレタン巻としてあり、ここまでやるかと驚きました。
運転席はフロントガラスの下端が高すぎるのが難点。「ステアリングは右手だけで握ってて下さい」と言わんばかりの造りとなっていて、センターアームレストはスライドするし、手のひらをインパネの端に手のひらを置いて中央のジョグダイヤルを操作出来るようになっていました。
2個分のカップホルダーは中央の仕切りを引き上げると底板まで付いて外れてきました。しかも底板は折り畳み可能でコンパクトに収納出来るというマニアックな機構も。原価は100円は下らないでしょう。これを外すともっと底が深いボックスとなるのでした。
ラゲッジは流石に奥行が少なくて広くはありませんが、リヤオーバーハング部分は幅が大きく取られていてゴルフバッグは最低限入るように設計されているようです。という、中身に興味深さがあるクルマでした。
そして試乗です。
① カローラフィールダー HYBRID G“W×B” 車輌本体価格2,530,342円(税込)
メーカーオプション:スマートエントリー&スタートシステム
初試乗です。
運転席に乗り込むとピラーが細くて視界がパノラミックであることに驚きます。
スポーツシートを装備しているので、サイドサポートが上まであり、肩がタイトでした。
スピードメーター横のカラー液晶はマツダコネクトと比べて情報が多すぎて消したくなります。
1.5Lハイブリッドの運転感覚は流石最新モデルという感じで、過去のトヨタHVやCVT車で目立ったアクセル操作の違和感が取り除かれていました。ブレーキを離してクリープ走行を始めると、アクセルを深く踏み込まなくてもスムーズに加速していきます。ブレーキ操作も何ら違和感なし。全く普通のガソリン車と同じ感覚で運転出来ました。
試乗を終えてホールでの展示車をじっくり見てみましたが、ラゲッジは十分広く、床板もガッチリ頑丈。リヤシートはセンタートンネルが無くて足元が広々。センターアームレストも完備。
外装のデザインがダサいのでデビュー当初はガッカリしたものでしたが、その一方で今やTSS-Cも装備出来るようアップデートされ、道具としてはかなり使い勝手の良いクルマだと感じました。デザインで損をしている部分はあると思います。
② アクア X-URBAN 車輌本体価格2,351,749円(税込)
メーカーオプション:スマートエントリーパッケージ、LEDヘッドランプパッケージ、ビューティーパッケージ、ナビレディパッケージ
2012年にレンタカーの前期型でロングドライブを試した経験があります。その時はフィールダーで挙げたように発進や加速の時はやたら深くアクセルを踏まなければならなかったはずなのですが、フィールダーと同じようにその違和感が見事に払拭されていて、完全に普通のクルマになっていました。
タイヤは16インチなので最小回転半径は5.4mというホイールベース2700mm超のクルマ並み。タイヤチェーンを装着しても余裕があるように、というトヨタの良心だとは思いますが、15インチ車の4.8mとの大きな開きに、ナメとんのか?とも思ってしまいます。
実際に駐車場へ戻す時にステアリングを一杯に切ってみましたが、意外と小回りのしにくさは感じませんでした。この辺りは日常使いで色々試してみないと良否の判断は難しいのかもしれません。
今秋のマイナーチェンジでようやくTSS-C対応となったので、あと2、3年はクラスNo.1の販売を続けていけるでしょう。
10月の新車販売台数ランキングではデミオがアクアの1/4の台数に急激に落ち込んでしまいました。デミオのディーゼルはアクアと価格帯が重複するので比較対象になっているのでしょうが結局アクアに軍配が上がってしまうのですね。
③ ヴォクシー HYBRID V 車輌本体価格3,102,377円(税込)
背高のミニバンは自分でもちゃんと運転出来るのか確かめたく、初の試乗を志願。
幅と長さがハイエースと同寸であり、2013年にハイエースのレンタカーを運転した時はえらく苦戦した記憶があったのです。
フロアが低いので目線もそれほど高くなりません。
セレナに負けじとガラスを大きくしたので肩から上が剥き出しになる感じはありますが、これも安全のため。
走ってみると、車体の重さは全く感じません。クリープ走行のスピード、アクセルを踏んだ時の加速感、ブレーキを踏んでの減速感、ステアリングの操舵角と実際の軌跡などが先のフィールダーやアクアと同等にセッティングされていたため極めて簡単に運転出来、大変驚きました。交差点を左折したり、歩道の縁石を跨いで駐車場に出入りする場面でもローリングはセダンやコンパクトカーのような感覚でした。
バックで後退する時はバックモニターが活躍。これを付ければ大きなクルマを運転するのに怖さは全く要りません。これが現代のミニバンなんですね。
④ 86 GT“Limited”(6AT) 車輌本体価格3,179,717円(税込)
念願の初試乗。スポーツカーは所有出来ない。でも乗ってみたいというニーズが高いため、申し込みから1時間待機しての試乗となりました。
助手席に同乗してくれたセールスマンは86の商品知識がとても広く、会話していて楽しかったです。
ATのスポーツモードON/OFFの比較をさせてくれたり、直線で思いっきりアクセルを踏ませてくれたりと色々体験出来ました。
アクセルを深く踏んだ瞬間にエンジン音が高めに切り替わってドロドロとしたBOXERエンジンのサウンドをしばらく振りに聴くことも出来ました。シフトアップするとタコメーターの指針がピッとレスポンス良く下がるのも気分が高まりました。
このクルマだけで商売になるのかは分かりませんが、メーカーとしてアイコニックな存在は必要です。法規に引っかかってどうしようもなくなるまでは販売を続けてくれることを望みます。
最後。降りようとしてドアを開け、両足を外に出そうとしたらサイドシルに足が引っかかってしまった・・・。これもスポーツカーの味ですね。
試乗とは別に、エコドライブマスターというイベントにも挑戦してみました。
最初に10分少々、低燃費走行を啓蒙するJAF制作のVTRを観た後で、特別な測定器を搭載したプリウスに乗車。
助手席に座るのは自動車学校の教官で、アクセルを踏む、離すの指示を受けながら進みました。
遠くに去ってしまう前方のクルマに追いつけないイライラを募らせつつ、ごくごくゆっくり速度を上げて40~50km/hくらいで走行。停止位置よりだいぶ前でアクセルを離し惰性で進んでいきます。意外にも次の赤信号で前のクルマに追いついてしまうのでした。
満点は120点とのことで、上位の参加者には1万円相当の賞品が当たるとか。
普段からアクセルは無駄に踏まないよう配慮し、DJデミオで相当良い燃費を出しているので、あわよくば上位入賞を・・・と淡い期待を抱いた私でしたが、終わってスコア表を受け取ると、たったの85点。
低燃費走行はやり切ったつもりでいたので「あとどうすればスコアを伸ばせるんだよ!?」と思ってしまいました。
今回のチャレンジでは低燃費運転の実践としてはかなり大げさな、緩慢な加減速を強いられましたが、テクニック体得の一助として有意義なものでした。
