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2012年08月31日

マフラー交換によるトルク・馬力の変化

マフラー交換によるトルク・馬力の変化 さて、最近小難しい話をしていなかったので少し頭の痛くなるような話でもしましょうか(爆)

※いや~ネタは幾つかメモ書きしてあるんですけどUPしてないというね(笑)





よくマフラー交換をすると馬力が上がる低速トルクが減る、などと言いますね。

これって何ででしょうね??という話です☆


とりあえず、社外マフラーにする理由は”排気の抜けが良くなるからというのが多いでしょうかね(次点は音とかかな?)

で、”抜けが良くなって馬力が上がる”のは詳しく説明ができなくても、
なんとな~くそんな気がすると納得できる人が多いでしょう。




でも、低速トルクが落ちるってのは理解できます?

だって抜けがよくなるのに低速トルクが減るの?
※実際試したらそうなったんだからそうなんだろ。と言われたら、まぁそうなんですが。

ふん詰まりがなくなれば低~高回転全域でパワーアップしそうなものなのにね。


さて、これを説明するためには、まずバルブオーバーラップに関して話さなければいけません。

バルブオーバーラップってなんぞ?って事でさらっと説明をしましょう。

燃焼室には吸気と排気のバルブがありますね。


車のエンジン(4スト)って、

①吸入
②圧縮
③燃焼・膨張
④排気

という4つの行程を繰り返すので4ストローク/1サイクルエンジン(4スト)といいますね。

この”④排気→①吸気”の際に排気バルブと吸気バルブが両方開いている時間があります。(ほんのちょっとですけどね)

これをバルブオーバーラップといいます。

で、なんで両方開いてる時間があるの?っていう所が大事なわけですが。






オーバーラップの簡易図


簡単に書くとこんなイメージですが、吸気というのは基本的にピストンの下降による燃焼室内の減圧による吸引です。

そう考えると、オーバーラップなんて要らない気もしますけど、ちゃんと理由はあるんです。


ピストンは上死点に到達してもプラグやバルブに接触しないようになっていますよね。つまり、上死点まで行っても空間が残るんです。

この空間が実はムダなんですよ。

何でかって言うと、ピストンが上死点から下降を開始したらまずはこの空間に残っている気体を膨張(減圧)させるという余計な仕事をしないといけないからです。

この空間に残っている気体は④排気で残った気体なわけですが、排気の行程はピストンの上昇による加圧(押し出し)ですので、ピストンが上死点に達した時点で排気バルブが閉じてしまうとこの空間に残った気体は加圧状態で残ってしまうのです。





そうすると、吸気の為にピストンが下降し始めても、残留した加圧気体を膨張させきり圧力を下がるまで空気を吸い込めません





これでは当然、吸気の充填率は低下してしまいますね。

しかも排出しきれなかった排ガスが燃焼室に残っているのでなおさら悪いです。





余計な仕事排ガスの残留吸気量の低下と悪い事尽くめですね。


で、オーバーラップの出番です。


吸気も排気も流れている流体は気体です。気体にも慣性があるので吸気は入っていこうとする方向、排気は出て行こうとする方向へ慣性が働いています。

吸気開始のタイミングで排気バルブを閉じないでおく事で、排気を行いつつ、且つ排気の勢いを利用して吸気を引っ張るという効果があります。

オーバーラップさせる事で出来るだけ排ガスを追い出し、新鮮な空気をより多く燃焼室に取り込めるようにしているのです。



また、オーバーラップ時間は回転数によってベスト時間が違く、

・低回転・・・オーバーラップを少なめ(短め)
・高回転・・・オーバーラップを多め(長め)

となっており、高回転・流速が速いほどオーバーラップを多くとる必要があります。



低回転のセッティングにしていると高回転時にオーバーラップが少なすぎて吸気が入り難くなる。
 ※吸気が入り難くなるので、パワーが出ない。回転が上がらなくなる。(慣性を十分に利用できない)


高回転のセッティングにしていると低回転時にオーバーラップが多すぎて吸気が排気に引っ張られて抜け過ぎてしまう。
 ※吸気が吹き抜けてしまい充填量が少なくなるため、パワーが出ない。(吹き抜けの際ガソリンも一緒に出て行ってしまう)


つまり、低回転用のオーバーラップだと高回転がニガテ、高回転用だと低回転がニガテになってしまいます。

さくっと言うと、
 ・実用車はオーバーラップ少なめ(低回転・トルク重視)
 ・スポーツカーはオーバーラップ多め(高回転・馬力重視)
となっているといえますね。


さて、勘の良い方はオーバーラップとマフラーの関係に気が付いたのではないでしょうか?

マフラーを変えると何が変わりますか??

”排気の抜けが良くなる””背圧が低下”しますね。

さて、オーバーラップと背圧の関係を考えてみましょう。

今回は排気の出て行く勢いが重要ですね。背圧の大小で・・・、

・背圧:大・・・排気の勢い:小
・背圧:小・・・排気の勢い:大

となりますね。
※単純な圧力の話です。(例:100→90kpaに流れるよりも100→50kpaへの方が流れやすい)
※バルブ開度が変わらなくても圧力が変われば流量は増減する。


背圧の大小はバルブオーバーラップ時の排気バルブからの抜けの大小に関わってきます。
※背圧が低ければ、排気バルブへの抜けが多くなる=オーバーラップが多いのと同様の効果がある。(よって高回転が得意になり低回転が苦手になる。)

つまり、

・オーバーラップ少ない&背圧高い車ほど低速トルク向けのセッティング。
・オーバーラップ多い&背圧低い車ほど高回転向けセッティング。

となります。


だから”社外マフラー=背圧低下=低速トルクが落ちる”となるのです。

※社外マフラーで背圧が上がる場合は逆となりますけどね(基本的にそのパターンはあまり無いですが)
※マフラー交換にあわせてバルタイも調整すればこの限りではありません。でもそんなことする人は殆どいないよね。
※可変バルブタイミング機構はこの吸排気バルブの開閉時期を調整しています(GDB:吸気側のみ、GRB以降:吸排気両方)


ちなみに馬力が上がるというのもココまでの話で説明できます。(最大馬力の話ね)

低速トルクが落ちるが高回転向きになると言いましたよね。

馬力とはトルクと回転数と定数によって計算される仕事量です。

たとえ低速トルクが落ちても計算で使うのはもっと上のトルクです。

そして高回転向きになった分回転数が稼げるようになるし、高回転時のトルクも上がるかもしれません。

という事は・・・馬力の計算で使う部分の数字は上方修正なわけです。

そりゃ馬力は上がるよね。”最大”馬力はね。




背圧はマフラー以外にもエキマニの形状や、配管径、配管の取り回しなどでも変わります。

スポーツカーは元々低背圧に作られているので、抜けの良いマフラーやできるだけ曲がりの少ない排気ラインなど工夫が見られます。

逆に実用車は排気ラインがうねうね曲がっていたり、マフラーがふん詰りだったりと低回転向けに作られているのが見て取れます。


※実用車のふん詰りマフラーは嫌がらせではなく狙ったものなんですよ(笑)



余談で私のインプレッサの話ですが、タービン交換の際に社外のハイフロータービンではなくスペックCのBBタービンをチョイスしたのも実は背圧の絡みがあったり・・・。

小径タービンの方が低回転から加給がしやすい(その分最後の伸びはイマイチ)というのもあったのですが、ハイフロータービンだと背圧が下がってしまうんです。

羽根が大きくなるとタービンでの排気抵抗が減るので結果として背圧の低下、低速トルクの低下という自体を招く(しかもハイフローなので低回転からの加給もおそくなる)

ハイフロータービンは最大馬力は上がるのですが、私の狙いと外れてしまうのですよね~。という(笑)



と、まぁこんな感じで社外マフラーによる馬力UP・低速トルクDOWNという事象の理屈でした。

細かい部分は他にもありますが、ざっくり言うとこんな感じです。(所詮素人知識ですしね)


分かり難い部分もあったかと思いますが、まぁいつも通りです。気合で読んでください(爆)

細かく書きすぎても分かり難いし、大雑把に書きすぎても分かり難い・・・加減が分かりませんね~(笑)
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Posted at 2012/08/31 23:13:47

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