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2013年03月30日

水抜き剤について

水抜き剤について 始めに・・・
長いです。とっても長いです。文字だらけです。画像もありません。読みたければ覚悟しろ(?)

↓ ↓ ↓ ↓


水抜き剤の主成分はイソプロピルアルコール(以下 IPA)です。(これに防錆剤等が加わったものもある)


濃度は99%のものが多いかな。


さて水抜き剤の目的・効果ってなんでしょう?

名前の通り、ガソリン中の水を除去するためのものですね。

ガソリンに水はほとんど溶解しません。(数百ppmくらいは溶解してますが)

水の比重は1.0でガソリンの比重は0.75~0.77くらいですので、多量の水が混入するとタンクの底に溜まる訳ですね。


では、どういう原理で除去するんでしょう。

IPAはアルコールですので水が溶けます。また、アルコールですのでガソリンとも溶けます。

つまり、IPAに水を溶解して、それをガソリン中に溶解させることにより、水を除去するというわけ。

IPAと水のその後はガソリンと一緒に燃焼させてオシマイ。

という極々簡単な原理で水を除去するわけです。


めでたしめでたしヽ(〃'▽'〃)ノ☆゚






ちょっとまって、これで終わり?


まさか、そんなわけ・・・


ないですよね~。( ̄□ ̄;)!!



良い話には裏があるもんです。

イソプロピルアルコール。こいつのもたらす悪影響。なんでしょうね~??

極たま~にいますが、水抜き剤をいれて、「エンジンが軽くなった」とか「調子が良くなった」とか 抜かしちゃう 言うお方がいらっしゃいますね。

さて??

まず、水が堆積していたとしてもほとんどの場合悪影響は感じません。というのも、ポンプの吸い口はタンク底よりも少し上にあるため相当量の水が溜まらないと直接水を吸い込むなんてことはアリマセン。

コーナリング時やブレーキング時に吸い込む可能性はありますが、もしそんなに大量に堆積していた場合、恐らくエンジンがガタつくとおもいます。そんなに大量の水を吸ったら一時的に失火しますから。

そこまでいったらもう末期ですwww

ですので少々水が溜まっていても、”水がある”なんて実感は運転していてもわからないのですよ。

つまり水の有無で「エンジンが~~」とならないですよね。

※厳密に言えばガソリン中の水分は少ない方が燃焼効率も上がるので調子は良くなるといえますが、”そんなレベル”を求める(実感できる)のはレーシングカーくらいです。


あとはガソリンとIPAどっちが熱量あるんでしょうかね?(パワー出せる?)

「エンジンが~~」なんて言う手前IPAの方が優れているのでしょうか?

ガソリンはC4~12くらいの炭化水素が主成分です。

IPAは”C3H7OH”ですのでC3ですね。

さてどっちが熱量あるんでしょ?

ま、単純に考えてもアルコールがガソリンよりも熱量があるわけもないですね。

という事は、IPAを入れたらむしろパワーダウンですwww


手元にある水抜き剤(\100)には燃料40~60Lあたりに200ml入れるとあります(どこもこんな量でしょう)

となるとガソリンに対して0.5~0.33%の割合です。

ま、この程度の量であればパワーダウンも感じないでしょうね。


つまり、水の有無でもIPAを入れる事による組成変化でも、エンジンの調子が良くなる要因は特にないです。


・・・と、プラシーボ効果の証明はこの程度にしておいて・・・(〃 ̄∇ ̄)ノ彡☆


さ、悪影響についてです。

まず第一に!(というか元凶です)

IPAはアルコール類なので腐食性があります。

車で言うとゴム・樹脂・金属に対して腐食性があります。


①ゴム
燃料系にはパッキンやチューブ等にゴムが使われています。
アルコールはゴムを膨張させダメにするのでNG
対ガソリン用ゴムと対アルコール用ゴムは違うので「ガソリンが平気なゴムなら~」とはいきません。


②樹脂
ゴムと同様にアルコールとの相性は×です。
樹脂と言っても色んな種類があるので相性の○×は存在するでしょう。
車の樹脂タンクはどうなんでしょうね~??


③金属
アルミとの相性がかなり悪いです。銅との相性も良くない。
燃料ラインにはアルミが使われている場合があるので危険です。
また、アルミエンジンの車両は避けるべきかと。
※高温になるほど腐食性が上がる性質なのでエンジン周辺はなおさらに・・・。



と、結構危ない要素が盛りだくさんです。


たとえ1%に満たない量のIPAでも使い続けていけばいずれ不具合を招くかもしれません。

水抜き剤の注意書きにも必要量以上入れないようにと書いてあります。濃度が上げれば腐食もより短時間で進みますからね。

※ちなみにIPAは塗装剥がしにも使えますよん(シンナー等に比べたら弱いですが)

たま~に入れる程度であれば問題ない程度なのでしょうが、水抜き剤をたくさん入れる人は頻度を落とした方が良いと思います。


また、燃料消費が遅い人(サンデードライバーなど)は水抜き剤を入れてから長期間給油しないでいると”IPA漬け置き”になってしまうので、さっさと給油したほうがいいですよ。

長時間放っておいてもIPAへの水の溶解量は変わりませんから(むしろエンジンかけて燃料循環させたほうがよく混ざって溶解も早いでしょう)水抜き剤をいれたらさっさと走って給油して濃度を下げたほうがいいと思います。
※ハイブリッド等の低燃費車も給油サイクルが長くなりがちなので同様に注意です。


と言うわけで、水抜き剤は入れすぎ注意です。

そもそもガソリンタンクに水なんてそうそう溜まらないのですから入れる必要性自体が疑問とも言えます。

もし入れるにしても年1回の投与でいいのではないか。


水による不具合とIPAによる不具合どちらが危険かといえば私は”IPAです”と答えますけどね・・・。



あ!そうそう。一応言っておきますが、別に「水抜き剤なんて無意味」と言ってる訳じゃないですからね。「こういう弊害も考えられますよ」と言ってるだけですからね。

(よしフォロー完了。敵を作らないように発言には注意を払わないとね。うん。)




水抜き剤。ガソリンスタンドでは勧めるけどディーラーでは勧めない・・・。なんとなくこれがすべてを物語っている気がしますねwww










そうだ、水抜き剤と似たようなもの(?)で、ガソリン添加剤なんてのもありますね。

大きく分けると、”洗浄系””パワーアップ系”の2種類がありますね。

主成分を調べて列挙しようかと思いましたが、種類がありすぎて調べきらん(爆)

とりあえず、見つけたものだけでも↓

・アルコール系
・トルエン
・ポリエーテルアミン
・MPC
・G-BPA


こんなのが多い?みたい。

では、一個づつ見てみましょうか。


・アルコール系 --------
エタノール、メタノール、MTBE、ETBEなどが該当します。

アルコールはオクタン価が高いので、いわゆる”パワーアップ系”に分類される添加剤と言えばいいのでしょうか。(オクタン価向上剤と言ったほうが良いか)

参考:オクタン価(RON)
→エタノール 112
→メタノール 111
→MTBE 117
→ETBE 118
→レギュラー 89以上
→ハイオク 96以上


こう見れば、まぁ混ぜればオクタン価は確かに上がりますね。

しかし、実際はレギュラーは90~91くらいでハイオクは98~100くらいですから、例えばレギュラーをハイオクのオクタン価にしようと思ったらとんでもない量が必要です。

タンク容量が40Lの車の場合、レギュラーとエタノールを混ぜてオクタン価100を作ろうとすると、”レギュラー22L+エタノール18L”という配合になります。

ほぼ半分エタノールになってしまいます(爆)

アルコールはガソリンよりも熱量が少ないので燃費は悪くなるし、こんなにアルコール分布が大きいとガソリンエンジンでの設計ではムリが出てきます。(アルコール燃料車のセッティングにしないと)

水抜き剤でも触れましたがアルコールはアルミを腐食する事、ゴムを侵すことからお勧めできません。


と、こんなことするくらいなら初めからハイオク入れた方が良いです。

そのほうが安く上がりますし、腐食の懸念からも解放されます。


そして、最大のポイントを申し上げましょう。

たとえオクタン価を上げてもパワーアップにはなりません。

オクタン価を上げる一番の理由は高圧縮比にする為であり、それにより高出力が得られるのです。

レギュラー車のオクタン価を上げても、エンジンの圧縮比が上がる訳ではないので、出力は変わりません。

むしろアルコールを混ぜたら上記のように熱量の関係からパワーダウンを招きます。

参考:真発熱量(kJ/kg)
→エタノール 26.8
→ガソリン 44.0
※エタノールはガソリンの61%しか熱量がありません。


ハイオク車のオクタン価をさらに上げる事も正直言って無意味です。市販のハイオクのオクタン価で設計されてるエンジンなのですから、これ以上オクタン価を上げても意味は無いです。
※エンジンの圧縮比を変えてるなどの理由があるならば別ですが。


つ~こって、アルコール系の添加剤はパワーアップに意味なし。(水抜き剤としての効果はあるけど・・・)



・トルエン
 --------

もはや深く言う必要もあるまい、BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)はゴムに対して攻撃性が高い。

やめておきましょう。

※ちなみにコレもオクタン価向上タイプです。



・ポリエーテルアミン(PEA) --------

これはハイオクガソリンにも配合されている清浄剤の成分です。

ゴムや金属に対して攻撃性がなく、そして洗浄効果が高いという特徴があります。

デメリットについては、まず、添加剤としては高額です。

代表的なものではワコーズのフューエルワンがPEA系なのですが、これは1600円くらいします。


そして、洗浄効果が高いが故に不具合を起こす場合があります。

というのも、今まで汚れで隙間等が埋まっているお陰で正常に動いていた・・・なんて場合。落としてしまうと不調になったりします。

(バルブやピストンリングの吹き抜けによる圧縮の低下、クリアランス増大による磨耗の促進など・・・。)


また、ゴム等に攻撃性は無いのですが、濃度に注意が必要です。

というのもPEAはエンジンオイルと混ざると重合反応を起こし粘度上昇を招く性質があります。

(燃料はエンジンオイル側へ混入しますので、それと同時にPEAも混入する)


PEAは濃度に気をつければ、清浄剤としては一番信用できる部類だと思います。(要否はともかくね)



・MPC --------

クレのパワーブースターの主成分らしいです。

よくわかりません(爆)

MPCとはマイクロパワーキャリアの略のようです。

燃料を効率よく燃焼させる効果があるそうです。

やはりよくわかりません(爆)


・G-BPA --------

クレのスーパーガストリートメントの成分です。

”G-BPAがシリンダー内の完全燃焼を促進し、エンジンパワーを大幅に回復。さらに排気ガスをよりクリーンにします。”だそうです。

これもよくわかりません(爆)


クレの商品は良く目にするのであえてMPCG-BPAという謎の成分もピックアップしましたが、調べても良くわかりませんでした(爆)




ということで、まだまだ他にも成分はあるかもしれませんが、とりあえずはこんな所で。


○総評

・清浄剤 
→ PEAはお好みでどうぞ。(不調になる可能性も考慮の上でね。)
  (濃度とエンジンオイルに注意しましょう。)


・パワーアップ系 
→ MPCとかよくわからない成分の商品については、ぶっちゃけ何とも言えません。
   しかし、ガソリン以上のパワーを出すにはガソリンより熱量のある燃料を使うか、
   N2Oなどで高酸素の燃焼環境を作るでもしないと不可能だと思います。
   普通に考えればガソリンより熱量の低いものを混ぜたら出力は低下しますよ、
   100と99を混ぜても101にはならんですよ。


→ オクタン価向上系は無意味だとバッサリ切り捨てさせてもらいます。
   オクタン価90のガソリン40Lにオクタン価112のモノを200ccいれてもオクタン価は
   90.11にしかなりません。無意味。
   無意味なのにデメリットはあるというすばらしき事実。





個人的な意見ですが、まとめとして・・・

「ガソリンには余計なもん入れんな。」

「レギュラーに添加剤入れるくらいならハイオク入れろ」


って事で。ちゃんちゃん。







あ、そうだ、重要な事なので最後にもう一度言っておきます。↓

このブログの内容は個人的な解釈・見解であり、該当商品・会社に怨みがあるわけでも不買運動をしているわけでもありません。

私はこう思います。ってだけなのであまり真に受けすぎないでくださいね。
ブログ一覧 | 小難しい話とか | 日記
Posted at 2013/03/30 23:26:30

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