
さて、みんカラ始めて5年ほど経ちますが今ここに来てようやく(?)
馬力とトルクの話をします。
内容としてはお題目そのままなのですが、なんだか
馬力とトルクの事を勘違いしている人が結構多いのではないか?と思ったので。
なんだかこういう↓風潮が強い気がします
「馬力は最高速度を左右し、トルクは加速力を左右する」
これってホント?説明できますか?なんとなくでそう思い込んでませんか?
って事ですが、いきなり結論を言います。
「最高速度と加速力を左右するのは馬力です。」
トルクなんて極端な話見なくてもいいのです(極論ですよ?)
だってトルクが加速力に左右する訳が無いじゃないですか。
トルクってのは力であって
速度を伴いません。
”10kg・m/4000rpm”とか書いてあるから間違うのかもしれませんが、これは4000rpmの回転数で爆発してるときのピストンの力が10kg・mですよ。ってだけです。
対して馬力ってのはトルクと回転数から算出する
仕事量です。
つまり馬力は速度を含む力で、トルクはただの力なのです。
え、イメージできない?
例えると、
自転車のペダルを漕ぐ(踏む)力がトルクです。
体重200kgの力士のスペシャルな脚力でペダルを踏めばすごいトルクがでるでしょう。
仮にそれで20kg・mの力が出せるとします。
ですがそれって加速力ですか?
この踏む力には速度がありません。たとえ秒速1ミリメートルの速度で踏んでも、秒速100メートルの速度で踏んでも同じトルク20kg・mなのです。
そして、
自転車のペダルを漕ぐスピードが回転数にあたります。
ペダルを踏む力(トルク)と漕ぐスピード(回転数)が
合わさって馬力になります。
トルクだけあったって前に進まないのですよ。
物体を運動させるための仕事量である馬力が最高速度も加速も左右するのです。
と計算を使わずに大体のイメージで説明しましたが着いて来れてるでしょうか・・・?
論より証拠。一つの実例を挙げましょう
①馬力:175PS、トルク:42.8kg・m、車重1530kgの車
②馬力:215PS、トルク:26.5kg・m、車重1500kgの車
馬力は②が約1.23倍高く、トルクは①が約1.6倍高いです。
この①と②の車は
どちらが加速がいいでしょうか?
トルクが加速を左右するのであれば、①の車の圧勝でしょうね。
加速性能の指針として0-100加速があります。そのタイムをこの2台で比べてみます。
①8.4秒
②6.65秒
はい②の勝ちです。
トルクが1.6倍も高い①の車はまるで適いません。
そして、馬力とタイムの関係
→ 215PS÷175PS=1.23
→ 8.4秒÷6.65秒=1.26
馬力とタイムがほぼ比例していますね。
ちなみに①の車は
アテンザディーゼル(2.2L)。②の車は
マークX(2.5L)でした。
これがトルクが高くても馬力が無いと遅いという一例です。
ちなみにアテンザディーゼルに馬力と車重が近い
エクシーガ 170PS、23.4kg・m、1570kgの0-100加速は8.7秒です。
馬力はほぼとんとん。トルクは1.8倍の差があるアテンザディーゼルとエクシーガの0-100加速は殆ど変わりません。
ほぼ同じ重さの車をほぼ同じ仕事量(馬力)で加速させたのですから当然の結果です。
(ただし両者の加速の仕方は違います)
さて、実例も出したところで色々な車の0-100加速タイムをプロットしてみました。
(計79台分)
※プロットした車はガソリン・ディ-ゼル・EVです。HVはシステム出力とか調べきらんので除外。
以下は
「馬力と0-100」、
「トルクと0-100」の散布図です。
馬力のグラフのほうがトルクのグラフに比べて相関性が高い事が分かります。
・馬力と0-100・・・相関性0.773
・トルクと0-100・・・相関性0.560
どうでしょうか?ココまで見てまだトルクが加速に左右すると言えますか?
馬力を見たほうが加速性能を判断するのに向いていると思いません?
で、鋭い人(?)は加速性能は車重によっても変わるじゃないかと突っ込むと思います。
なので
パワーウェイトレシオと
トルクウェイトレシオもグラフ化↓
P/Wレシオの相関性が0.804
T/Wレシオの相関性が0.693
当然、車重を加味しても馬力で見たほうが相関性は高いです。
以上までを見るとトルクを見てもなんとなく加速の判断はできそう。と見えますね。
まぁ、ぶっちゃけそうです。
比較するモノの燃料油種が同じであれば 基本的に馬力が高けりゃトルクも高いのですから、トルクをみても加速性能を判断する目安にはなるんです。
※燃料油種がったら比べられませんよ(ガソリンvs軽油とか)
ただし、
本質として間違っている事は念頭に置く事。
カタログに馬力とトルクの2つが書いてある為、
「馬力は最高速度を左右し、トルクは加速力を左右する」という間違いが生まれたのかもしれません。
まぁ、もう一つ理由があるんですけどね・・・。
ではもう一つの理由とは何か?
それはですね・・・
「日常で0-100加速なんてやんね~だろ。」っていう事。
信号が赤→青に変わるまでに回転数を上げ、青になった瞬間にロケットスタートしそのまま時速100kmへ・・・
やりませんよね。
要は実用領域での加速性能の善し悪しの話をすると見方が変わるのです。
たとえば
200PS/9000rpm、20kg・m/6000rpmのエンジンは高回転数では速いのですが、低回転で走ろうと思うと加速がとろくなります。
かえって
150PS/4500rpm、30kg・m/3000rpmのエンジンのほうが低回転での加速は良かったりします。
これが、トルクが高いほうが加速が良いっていう理屈を生んだもう一つの理由でしょう。
実際問題としてはこれも発生してる馬力の問題なんですけどね。
※”馬力=トルクx回転数÷716”なので、回転数が同じならトルクが大きいほうが馬力が出てる。
※後者のエンジンは最初の加速は勝ちますが、そのあと前者のエンジンに抜かされます。
あ、そういえば
馬力が最高速度を左右する理由を書いていませんでした。
車っていうのは、エンジンの力と車両が受ける抵抗の釣り合いが取れる所までしか速度がでません。
車両の抵抗が多いほど最高速度は下がり、車両の馬力が大きいほど最高速度が伸びます。
※余談ですが、駆動形式は最高速度には全く関与しませんのであしからず。(たま~に勘違いしてる人います)
馬力と最高速度の関係はとっても単純ですね。
ということで、さらっとまとめ。
①最高速と加速力を左右するのは馬力
②トルクはその車の加速の仕方(性格)を判断する目安
ちなみに、他にもギア比とか色々な要素で性能は変わりますので総合的にはそれらも加味する事。
色々と端折ってますが、今回の件はあくまで馬力とトルクの話に絞ってのお話でした。
馬力、トルク、回転数、車重・・・etc
車には色々な情報があって、それらは各個人の技量で視える情報が変わります。
※性能曲線図を見ただけでその車の特性が殆ど分かったりもします。
貴方は何処まで視えてますか?
追伸:以上の内容は全てウソです。今日はエイプリルなんとかなのでwww
4/2追記:内容がウソってのはウソです。なので内容は本当ですよ。
※プロットした車両一覧
ヴィッツ/スイスポ/シビックR/インプレッサ/クラウンアスリート/アルファード/オーリス/ロードスター/ロードスター/フェアレディZ/タント/アテンザディーゼル/BMW 120/BMW M135/BMW 328/BMW 435/BMW 428/BMW 550/BMW 640/アコードユーロR/アルファ147/アルテッツァ/アリスト/アリスト/オーリス/アテンザ/Bb/ブレイドマスター/ブルーバードシルフィ/ブーンX4/カルディナ/キャパ/キャラバン/セリカ/コルトラリーアート/コペン/エクシーガ/ギャラン/ギャラン/ゴルフGTI/ゴルフGTI/GT-R 09”/イプサム/イスト/レガシィB4/レガシィ(BP)/レガシィ(BG9)/IS F/GS350/GS430/IS250/エリーゼ111R/マーチ/マークX/ムラーノ/ムラーノ/ノート/911GT3/206/RX-7/スイフト/ティアナ/ティーダ/ヴィッツ/ウィンダム/ウィングロード/ウィッシュ/ウィッシュ/BMW 320dセダン/BMW 320dツーリング/BMW 523dセダン/BMW 523dツーリング/BMW X3XDrive20d/BMW X5XDrive35d/E350BlueTECセダン/E350BlueTECワゴン/ML350BlueTEC/エクストレイル/BMW i3/テスラモデルS
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2015/04/01 19:24:00