
皆さんの車両は電子スロットルですか?
「電子スロットルは反応が遅く、アクセルを踏んでもワンテンポ遅れてスロットルが開く」ってイメージありませんか?
ECUの制御が燃費思考すぎてそうなっている部分もあるのですが、それを言うとケーブル式も同じなんですよね。スロットルが開こうが燃料を吹かなければ一緒。でも
電スロの方が遅いと感じる人が多い。
今回、ケーブル式→電スロの車両に乗り換えて色々試すことが出来たのでこうして書いてみるのですが・・・
大前提として私は「電子スロットルは悪くない」と思ってます(ました)。なぜならR6(蒼/紅)は電子スロットルだから。
R6(蒼/紅)は超絶レスポンスで反応する電スロです。
電スロだからワンテンポ遅れるなんて事はないんですよ。ってのを実感してるのです。
さて、
12/9のブログでアクセルユニットが歪むことで生じる不感領域(遊び)の話をしました。
とりあえず隙間にワッシャーを貼った事である程度の改善が見られ、この時点で殆ど確信できました。
この歪みが電スロがワンテンポ遅れると言われる原因だと。
ペダルを踏んでいるのに実際はペダルが動いていないから、スロットルは開かない。そりゃそうですよ
「開けって信号が行ってない」のですから電スロは開かない。
ワンテンポ遅れると感じるのは
踏み始めのタイミングじゃないですか?すでにある程度踏んでいる状態での調整では遅れる感じはしないはず。なぜならすでに踏んでいる状態からの調整は歪みが終わった後だから。
ということで、もうちょい本格的に対策を講じてみた訳です。
貼っていたワッシャー2枚重ね。少しずつズレていくようで。。。だんだん遊びが元に戻ってきました。
両面テープでは持続性に難があるかもしれません。
今回のメインパーツはこれ。
アクセルユニットの取付け部分右下への歪みを押さえる為にSUSプレートでステーを作ってみます。
試行錯誤しながら原寸合わせでこんな形に。
これを車両側のユニット台座にかませます。
インシュレーターで見えませんが、飛び出した部分がユニット台座の右へ出てその下の下地部分に接地しています。
しかし、どうやら右下へ沈むように歪む以外にもそもそも
ユニット台座がペラペラすぎるようで
右下を押さえたら今度は左下が浮き上がるように歪む(爆)
こんなイメージ。沈み込みよりは歪みは少ないのですが。
・・・もっと強度のある台座にしてくれませんかね(涙)
今回のプレートは右下への沈み込みを押さえる構造でしかないので、左下の浮き上がりへの補強はどうするべきか・・・。
出来る策としては、
「最初から歪む量と等しいテンションを掛けておく」こと。
左下が浮かないように、右下を少し余剰に持ち上げておいてテンションをかけます。
こんな感じでテンションをかける。
右下を余計目に高くしておき、ユニットを締め付けたら今までペダルを踏むと歪んでいた分を予め歪むようにしておきます。
ペダルを踏んでない所で最大まで歪んだ状態なのでこれ以上歪まない。って寸法。
目視できないのでカメラだけ突っ込んで下角度から撮影。
右側が少し浮いているのが分かるでしょうか。
金属と金属(作成したステーと車両側)が直接当たるのもアレかと思ったので、当たり面に布を巻いてからアクセルユニットを取り付けました。
これで劇的に改善しました。
もう殆どアクセルユニット歪んでないんじゃね?ってくらいに動かなくなりました(※ほんのちょっとだけは動きますが)
実際に運転してみると、もう感度MAXです。
ちょっと踏んだら即エンジン回転数に反映されます。
ユニット本体で1mm程度、ペダルで3~4mm程度の歪みでしたが、運転してるとそんな微調整領域の影響が結構大きい。ATだとあまり感じない(
※)みたいですが、シビアなコントロールを行うMTでは顕著に感じます。
※AT車はトルクコンバーターがあるので、MT車と比べてアクセルをガバッと開ける傾向が強い
※AT/MT問わずアクセルをラフに調整する(微調整しない)人ほどラグを感じにくい傾向にあります。
この補強でアクセルレスポンスが向上し、当初感じていた踏んでからワンテンポ遅れる感じはなくなりました。やはり
電スロの制御遅れではなく、歪みによる不感領域(遊び)が原因。
また、歪みを抑制したことでペダルタッチがシッカリしました。
(歪みはペダル踏力よりも弱い力で動くので、本来のペダル踏力だけになりぼんやりした感触が無くなってペダルが少し重くなった)
ちなみに別の実車ではヴィッツ(同じく斜め2本止め)も同様に歪むことを確認してますので、最近の電子スロットルのアクセルユニットは
これが普通みたいですね・・・。
データ上ですが、軽く何車種か調べてみるとやはり2本止めがデフォルトな模様。
中には1本止めの車両も・・・
斜め2本あるいは1本のタイプは歪みが生じる可能性大。縦2本止めのタイプは台座の強度に依存するでしょう。
まぁ・・・構造的に電スロの車両はこの歪みがあるのが普通と見て良さそうですね。
と言うことで、電スロ車両で感じる「ワンテンポ遅れる感じ」はアクセルユニットの取付け方法/強度に問題があるから。です。
車両に合わせてワンオフ加工をしないといけないので簡単にできるものでもなく、個人で対応するのは難しい所かもしれませんが・・・対応できれば満足の行くレスポンスが手に入ります。
レスポンスの悪さはスロットルコントローラーで対応しようとするのが一般的な方法かと思いますが、結局は
「踏んでもスロットルが開いていない」ならスロコンも介入できないわけで・・・。スロコンが介入できるのは歪みが終わって実際にスロットルが開いてからの話ですから。
※「電スロのレスポンスの悪さは非線形スロットルだから」という一面があります。それを解消するならスロコンでどうぞ
スロコンよりもっと前、開け始めのレスポンスを上げたいならアクセルユニットの補強を考えてみては如何でしょうか。びっくりするくらい変わりますよ。
~参考~
歪みがあると、実際のペダル踏込み量に対して実際にスロットルが開くまでのラグがある。
ある程度踏んでから初めて実開度が開き始める。=操作から出力までがワンテンポ遅れる。
スロットルを開けているつもりで開いていない状態が存在するため、「電スロが反応していない」と錯覚する。(そもそも出力信号が出ていないので動かないのは当然)
理想は踏込み量と実開度が等しい状態。(図は線形スロットルのイメージ)
踏み始めから実開度が開き、リニアに反映される。
※線形or非線形スロットルどちらを採用しているかで、出力と開度どちらがリニア特性なのかは車両によって異なる。
スロットルコントローラーはあくまで、通常のスロットル開度にゲタを履かせるものであり、実開度に反映されない歪みによる不感領域では制御できない。(図は制御パタンのイメージ)
ラグの存在は変わらないが通常よりも実開度の操作量が大きい為、ある程度ラグが減ったと錯覚する。
最後に、グラフは線形スロットルをイメ-ジして作成したものであり、あくまで参考図です。
電スロ車両は非線形スロットルを採用している事が多いようなので、真に受けすぎないように。
※19/12/29追記
グラフのX軸とY軸の表記が逆ですね。
X軸(横軸)が踏込(mm)で、Y軸(縦軸)が開度(%)が正。
作っててなんか違和感だったんですよね(爆)