
86(穹)の慣らし運転に伴うオイル交換は2月で終わって、
定期エンジンオイル交換のタイミングがきました。
私の走行ペースだと年3回の交換サイクルでいける計算なので、5月/9月/1月に実施していく事にします。
で、86(穹)には今までインプレッサに使っていたオイル
[ZERO SP チタニウムR 10W-50]の在庫を入れていましたが前回で使い切りました。
今回はオイルを準備しなくてはいけないのですが・・・。
実は4月に使っていた
アレがあります。
ヤマルーブ RS4GP 10W-40
そうです。R6(蒼)とセローに使っているヤマハのエンジンオイル様。
バイクには年1回ペ-スでしか使わないのに、なぜか
20Lペール缶で準備していたアレです(笑)
つまる所はお察しの通り。
バイク用のエンジンオイルを車に使いましょう。って話。
で、気になるのは「
使って大丈夫なの?」ですよね。
初めに断っておきますと、推奨はしません。が問題なく使える筈です。
※[バイク用を車に使用]は大丈夫です。
※[車用をバイクに使用]はやめましょう。
まず車用とバイク用で何が違うの?って言うと
車用:エンジン各部の潤滑
バイク用:エンジン各部とミッション+クラッチの潤滑
こういう役割の違いがあります。バイクはエンジンオイルがミッションオイルとクラッチオイルも兼用しているのです。
その為、車用よりも
[高いせん断安定性]を持ち、クラッチの性能を確保する
[摩擦調整剤が入っている]という特徴があります。
また、車よりもエンジン回転数が高いので
[油膜保持性が高い]という側面も。
※油種によります
※せん断とは:紙をハサミで切るあの力。オイル中の分子構造がギア等に押し切られてしまい粘度が低下していく
注意するのは
[摩擦調整剤]の存在です。車用のエンジンオイルには入っていないので、車用をバイクに使うと
クラッチが滑る可能性があります。
また車用のエンジンオイルはバイク用ほどせん断安定性をもっていないので、ミッション内部で
オイルがどんどんせん断されて性能がどんどん下がっていく結果に陥る可能性も。
ですので[車用をバイクに使用]はやめましょう。
さて、これだけ聞くと
バイク用のエンジンオイルって車用よりハイスペックじゃね?って思いますよね。
私もそう思います(笑)
さて、ここで規格の話もしておきましょうか。
車用のエンジンオイルは
[API規格]、バイク用のエンジンオイルは
[JASO規格]を記載(取得)しているケースがほとんどです。
API規格はアメリカの石油に関する規格で、JASO規格は日本の自動車技術規格です。
JASOはエンジンオイルを車用とは別にバイク用として制定しているのでバイク用はJASO規格を取っているんですね。
で、よく見るAPI規格はSL(01年)→SM(04年)→SN(10年)→SN PLUS(18年)→SP(20年)と規格の中身が進んでいます。とはいえ実際に見るのはSNやSMですね。
肝心の規格の中身ですが、新しく進んだ方が規格が厳しいのは当然なのですけどSM(04年)以降の規格はほとんど
環境規制に関する内容の追記です。
機械的な性能としてはSL~SNまで基本的に一緒。※SN PLUSとSPは直噴エンジンに関する項目が入っている
というのがAPI規格のざっくりした中身の違いです。
でJASO規格は?っていうと、API規格などの基本的な条件を満たしたオイルを摩擦特性別にグレ-ド分けをしているものです。(せん断安定性も試験してます)
MA→MA1→MA2→MB と動摩擦特性や静摩擦特性などの値で分けています。
JASO規格はそれ単体で成り立つ規格ではなく、
前提条件としてAPI規格などの認定やそれに相当するオイルであるという事が必要です。
現在一般的に流通しているオイルは大抵API規格 SL~SNなので、JASO規格を取得している場合はAPI規格 SL~SNと同等品であると見て良い。
RS4GPはJASO規格 MA2です。MA2であればAPI規格 SL~SN相当です。
~規格まとめ~
●API規格
04年以降制定品は環境性能を考慮した規格。
低摩擦を重視しており、燃費や排気ガスに関する性能に優れる。
●JASO規格
純粋に機械に対する油の性能で評価する規格。
高いせん断安定性と油膜保持性を持ち、湿式クラッチにも考慮している。
両者の違いは簡単に書くとこんな感じ。
環境重視のAPIと機械的性能重視のJASO。って感じですね。
機械的性能が必要なバイクに環境性能に振った車用のエンジンオイルを入れてしまうとよろしくない。
ですが、車にバイク用エンジンオイルを入れるパターンでは機械的性能が上がる方になります。ただし環境性能は落ちる。
バイク用の方が車用よりも
[高いせん断安定性]:せん断劣化しにくい(粘度低下を抑える)。
[油膜保持性]:油膜切れを防ぐ(エンジン保護)。
[摩擦調整剤]:性能に影響しない。
というメリットがある訳です。
車用に比べて燃費が落ちるっていうデメリットもありますが、さほど影響はないと見てます。
たぶんある意味一番響いてくるのは
オイルの単価だと思います。ピンキリではありますがバイク用って
車用より割高が多いです。
とはいえ今まで使用していたZERO SPチタニウムR 10W-50とヤマルーブRS4GP 10W-40は実売価格で大きな開きはない(RS4GPが少し高い)のであまり影響はないかな。
割と高いオイルを使っていたが故に価格差が気にならないだけなのですけどね…。
とここまですいぶん長くなりましたが、もう一度言っておきます
バイク用を車に使用する事を推奨している訳ではありませんのであしからず。
ようやくオイル交換作業へ。
古いオイルを抜いて、新しいオイルへ。
ZERO SPチタニウムR 10W-50もこれで使い納めです。
10W-50は86(穹)には少し硬い粘度でしたが、硬さが気になることなく使えました。
これから使うRS4GPは10W-40なので粘度的には丁度良いですが…
バイク用を車へ使う。理論上は特に問題ないと思ってますが、実際に試すのは初めてなので経過を観察していってみようと思います。
とりあえず少し走った分には特段問題はありませんでしたね。
●最後にもう一度●
バイク用のエンジンオイルを車に使用する事を推奨している訳ではありません。
使用する場合は自己責任でお願いします。
なおブログの内容はあくまで私の考えのほんの一部の抜き取り内容です。このブログを読んで全部解った気にならないように注意!!
一歩間違えばエンジンが死にます。
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86(穹) | 日記
Posted at
2020/05/23 20:21:23