
最近86(穹)に乗っていて1速→2速へシフトチェンジするときに入らない事が頻発するようになってきました。
調べてみると86/BRZではよくあるみたい?
よくやられている対応を見てみると
①シフトインヒビタープレートを調整する
②クラッチレリーズシリンダーを寄せて固定し直す
この辺をやって良くなった。って人が多い模様。
で、私の事象としては色々試してみてこんな感じ
・1速→2速へのシフト時に入らない(普通に操作)
・1速→N(一旦クラッチ繋ぐ)→2速でも入らない※N時にブリッピングすれば入る
・1速→少し長めにクラッチ切りっぱなしにする→2速でも入らない
・1速→2速の操作を速くやっても入らない
・1速→2速のシフトレバー操作を強くやっても入らない
・1速でしばらく引っ張ってから2速にしても入らない
・1速で動いたらすぐ2速にしても入らない
・アクセルOFF→クラッチ切るの操作のタイミングを遅くor早くしても入らない
・3速→2速は問題ない(どのギアからのシフトダウンでも問題なし)
・クラッチペダルの切れる位置に問題はなし
※入らないという記載は文字通り入らない時と、ガリっとなって漸く入る時を含みます。
これを見て①②の効果を考えてみます。
①シフトインヒビタープレートを調整する。
1速/2速の左側にあるバックギアに入らないように制限しているプレートを少し左に寄せると2速に入りやすくなるらしい。
1速は普通に入るし、どのギアからでも2速へのシフトダウンは問題ない事からこれは意味がなさそう…。
②クラッチレリーズシリンダーを寄せて固定し直す
これはそもそもどういう理屈で1速→2速の改善になるのか?
寄せる方向がクラッチを切りやすくする方向(車両後方側へ)ですので、どうやらクラッチの切れを良くするアクションのようです。
このレリーズシリンダーのボルトを一旦緩めて後方側へ寄せて留め直す(ネジ穴のガタ分)
一応86(穹)でも確認してやってみましたが、正直効果があるほどレリーズシリンダーが寄った感じもせず…。
実際走ってみても1速→2速の改善は見られませんでした。
さて、ではどうするか??
②のヤツは効果はなかったもののヒントになる気はしました。
クラッチが切れやすくするとなぜ1速→2速のシフト改善になるのか?
逆に言えば切れが悪くなっているから1速→2速へ入り難くなるのでは?
このレリーズシリンダーの動きが悪くなっているのでは??
そもそも86/BRZに限らず1速→2速って他のギアと比べて入りにくいのは共通なんですよ。
ギア比とシンクロの問題なんですがそれは置いておいて…。
マニュアル車に乗ってるとやった事あると思いますが、シフトの為にアクセルOFFにしてクラッチを切ったときに、それぞれのペダル操作のタイミングが違うとミッション内のギアの回転が変わってきます。
アクセルOFFをちょっと遅らせて、ちょっとアクセル残ったままクラッチ切ると「ゴンッ」ってエンジン回転数がちょっと上がります。ミッションから切り離されて負荷が軽くなった分エンジンの回転数が上がるんですね。その時ミッション側も回転落ちが遅くなります。
アクセルOFFでクラッチを切るとミッション側はすぐ回転落ちに向かいますが、アクセル残しでクラッチを切るとミッションも切り離されるギリギリまでエンジン回転の影響(回転を上げる力)を受けるので回転が落ちるまでの時間が通常より遅くなります。(文章にすると難しいですが伝わるか…)
ラリーとかだとシフトダウンするときにあえてコレをやったりするテクニックがあります。
※エンジンの回転を下げたくない&ミッション側はシフトダウンで増速したいので、一石二鳥の操作ができる。ただしクラッチは減ります。
そう、シフトダウンの時のアクションなんですよね。これ。
1速→2速はシフトアップなんで、クラッチの切れが悪いと回転数が逆アクションになり、シンクロの仕事が増えます。
※シフトアップ時はミッションの回転は下がる方
もともとシンクロ負荷の大きい1速→2速の操作でさらにシンクロ負荷を増やしたら、そりゃ入らなくもなるのでは…。
入らない時の手ごたえもなんだかシンクロがついてきてない感じもしますし。
という事で、クラッチの切れ悪化を疑い何をするか?
で、結論はクラッチフルード交換。
前回交換は2024年3月で1年ちょっとの使用でしたが、どうなるか?
最初は一旦家にあった在庫(2022年の残りが少々)でクラッチリザーバーの中だけ入れ替えて様子を見てみました。
ホースとレリーズシリンダーまでは入れ替えてないので、クラッチペダルを暫くがしがし動かして少しでも混ざらないかトライ。
で、リザーバー入れ替えてみた最初の結果は「結構よくなった」です。
意外にもリザーバーを入れ替えただけでも実感できる程度には改善が見られました。
そこからしばらく乗っているとだんだん良くなり(おそらくレリーズ側まで混ざっていった)、数日後には正常に1速→2速に入るようになりました。
なので原因はコレだろうという事で、正式にフルード買ってきて全交換しました。
正直言って1年前程度のフルードでは切れが悪化するほど劣化はしていないだろうと思ってましたが、普通に効果ありましたね(爆)
86/BRZのクラッチは切れに対してシビアな作りになっているのかもしれません。
レリーズシリンダーのサイズは13/16でGDBインプレッサと同じです。レリーズシリンダーの作動量不足という訳ではなさそう。
しかしクラッチを切るのがプッシュ式(GDBはプル式)だったり構造が違うので、その辺りが影響してるんでしょうかね。
フルードが劣化してくるとマスターシリンダーやレリーズシリンダーのピストンの動作が悪くなります(フルードの潤滑性能低下)。
マスターシリンダーはクラッチペダルに直結しているので、ペダルが重くなるくらいの影響しか感じませんが、そこから先の先端にあるレリーズシリンダーの動きが悪くなるとクラッチをしっかり切るだけレリーズシリンダーが動けず、切れ悪化につながるのでしょう。
GDBインプレッサはクラッチフルードが劣化してくると顕著にペダルが重くなりました。それでも普通に切れていたのは切れ量に余裕のある設計だったのか…。
86(穹)はフルードが劣化してもペダルの重さには変化を感じませんが、クラッチの切れ不良として先に影響がでるのでしょう。
86(穹)に今まで乗ってきてこの症状を感じた事が無かったのは走行距離でしょうか…
職場の近くに引っ越してしまったので、走行距離が以前の1/10くらいになってます(爆)…とはいえもう越して3年過ぎましたが。
クラッチペダルを踏む回数も少ないのでピストンの動きが悪くなりやすい…というのもあるかもしれません。症状でる人と出ない人の走行距離を比較してみたいですね。
という事で、久々な気がするトラブルシューティングでした。(新しい車はトラブルなさすぎ…)
86/BRZで1速→2速に入らない人はクラッチフルードの交換を検討してみてはいかがでしょうか。