• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

葵 由埜のブログ一覧

2012年11月01日 イイね!

新車販売価格調査(2012/10)

新車販売価格調査(2012/10)スポーツカーが(ほぼ)消えた今の新車市場の価格をグラフにしてみました。
※2012年10月末までのデータです。

”スポーツカーが”って付けた事に他意はアリマセンホントウデス。


ただ単にグラフを使いつつだらだらと雑記してるだけです(笑)



ついでに、

・今の魅力的なカーラインナップから購入予算に見合うクルマを見つけられればいいね。とか

・ふ~んこのクルマってこのくらいの価格なのね。とか

その程度の参考にでもなればよし。



まぁ、なんでグラフにしようと思ったかと言えば、「今の軽高っけ~」というのがあったからなんですけどね。

軽とコンパクトの価格帯とか注視してみると面白いカモ?



あ、ちなみに商用車は除いてます。

↓車両の最低価格と最高価格をガントチャート風にグラフにしています。
  (12/10末現在)

※画像をクリックすると大きい画像で表示されます。

●トヨタ


●ホンダ


●日産


●三菱


●マツダ


●スバル


●ダイハツ


●スズキ



あ、800万上限でグラフ作ったからGT-Rディグニティが欄外だ(爆)

ま、いいか。



しかし、ミニバン勢高いなぁオイ・・・。

アルファード、ヴェルファイアで最高595万円とかwww

一部クラウンや、ランクル(下グレード)より高いとかね。

エボXの最上級グレード(525万)が買えるし、Zも余裕だね(~451.5万)

そりゃ態度もデカくなりますね。しかし自重しなさい。

車間を詰めるな止まれないクセに。フルブレーキングしてやろうか?

2トンボディがインプレッサより制動力あるとでも?



もはやギャグレベルなのはエルグランドの最高735万円か。

同社シーマが買えます。(735万円~)(☆´ω`):;*.’:;ブ



さ~てあと突っ込み所は・・・??

侘しいスポーツカー&スポーティカー勢か。




え~と、GT-Rは置いといて・・・。

200万以下で買えるのはスイフトスポーツのみ。

若者が買えそうなのは200~300万円の86、MSアクセラ、ロードスター、BRZあたりまでか。

あ、CR-乙をグラフに入れ忘れた。一番ケツに慌てて追加(爆)
危ない危ない・・・本田信者にフルボッコにされる所だった

他は300万超えと手が出難いですね。中~高年者向けですか。

しかし、今の若者は200万オーバーの時点でスポーツカーなんて買わないか・・・。
※実際にはこの価格にプラスαが沢山付くからなぁ・・・。

86も若者ではなく中高年者に売れているそうだし・・・。


やはりスイフトスポーツくらいの価格が必要ではないのか。150~200万くらいのさ。

86も当初は200万以下の価格と言う触れ込みだったので期待したが、フタを開ければトヨタお得意の最下級グレードが199万円(事実上あっても意味のないグレード)という罠。

まぁ、86自体が悪いと言ってる訳ではなく、発売前と後での価格設定に開きがありすぎるよね。ってだけ。

200~300万のスポーツカーとしての出来は良いと思います誤解無きよう。


どのメーカーでも良いんで150万くらいで何か作ってくれないでしょうかね。

気合の入りまくった設計までしなくて良いし、遅くても良いからそれっぽいやつをさ。でもFFはヤメテ。

「見た目がカッコイイからこれにしたんだ」ってユーザーが胸を張って言える外見とリア駆動。エンジンは既存エンジンを高回転寄りにチューンしてさ。

2シーターにしろとまでは言わない。最悪でもRX-8みたいな最低限の4シータースタイルで。

1500cc~1800ccで140~160PSもあれば十分。車重も1000~1100kg程度で。当然MT。

内装も拘らなくて良い。それこそヴィッツレベルでOK。スポーツカーに内装の高級感なんて求めない。

足は4輪共ストラットで。ダブルウィッスボーンはいらない。さすがにトーションバーはヤメテね。


これなら150万くらいで作れない?


最近のスポーツカーはスペシャリティ路線に行きすぎなんですよ。無駄が多すぎる。

”スポーツカー=速い”でなく”スポーツカー=楽しい”であれば良いんです。

内装がプラスチッキーだろうが、遮音材が少なくて煩かろうが構わないじゃないですか。
何もクラウンじゃないんだからさぁ。

スポーツカーとなると、速くなくてはいけない、豪華でなくてはいけない、みたいな風潮で作るから高くなるんですよ。

高くなればそりゃ当然買い手も減るでしょ。まぁ安けりゃ買うのか?って部分もありますが(笑)

それに新車価格が高ければ中古価格の値落ちも遅いですから中古でさえ若者は買えないという事態に・・・。

新車も買えない程度の良い中古は高すぎ買える中古は10年以上落ちの半旧車・・・では若者が可哀想でしょうに・・・。

今のスポーツカーは子供に手が掛からなくなったオジサン用にしか見えません。

未来を見据えて若者に焦点を当てましょうよ。若者からモータースポーツを取り上げないで下さい。


さて・・・話が脱線しまくりですね。軌道修正しましょう。



今の売れ筋のクルマでもピックアップしてみましょうか。

2012年4~9月の新車販売台数ランキング1~10位です
(乗用車、軽)(同名車種は合算)




乗用車はプリウス、セレナ、ステップワゴンが200万オーバーですが、多くはコンパクトカー(100~200万円)クラスですね。

アクアはプリウスに比べかなり低価格に設定されていますが、他のコンパクトに比べるとやはり割高。

アクアが最低169万からに対し同社ヴィッツは107万円から。その差62万円。

HVお得意の燃費で採算を取ろうとするとどうなるか?

年間10000kmの走行でレギュラー140円とする。(燃費はみんカラ調べ)

アクア・・・・燃費24.57→年間ガソリン代56980円
ヴィッツ・・・燃費14.69→年間ガソリン代95302円

アクアは年間38322円ガソリン代が安い。

こう見ると「お、結構違うじゃん」と思いますね。

でも車体価格で62万も差があるんです。それを年間3.8万円の燃費安でチャラにするには?

なんと16年掛かります(爆)

乗りますか16年も・・・?


ちなみにプリウス対ヴィッツだと・・・。

プリウス・・・燃費21.31→年間ガソリン代65696円 車両217万

ですので、車体価格差110万円年間29606円ガソリン代が安い。

燃費でチャラにするには38年掛かります(笑)

ちなみにその間にハイブリッドのバッテリー交換が数回待っているので更に時間が掛かりますね。



さて、コンパクトとハイブリッドを比べたので、次はコンパクトと軽でも比べてみましょうか。(HV除く)

それぞれのランキング最上位にいるのはフィットとN BOXですね(両方ホンダだ)

軽を選ぶ理由には”維持費の安さ”というのが多いようです。

というか車両価格に軽とコンパクトで差がないんですよね・・・。(ナンテコッタwww)

フィット123~174万円
N BOX124~187万円

むしろ軽の方が高いとか・・・もはや失笑ものですね。

軽ってなんなのさ??


という訳で車両価格は同等なので、維持費の観点で見てみましょう。


○年間の維持費をざっくり算出。

※車検は2年有効とし半分に割ることで1年分価格とする。
※燃費はみんカラの平均値と年間1万km走行するとして計算。
※ガソリンはレギュラー140円/Lとする。
※任意保険等は今回は計算外とする。

●フィット(燃費15.21)・・・ 自動車税34500円+車検46000円+ガソリン代92044円=年間維持費172544円

●N BOX(燃費16.36)・・・ 自動車税7200円+車検28000円+ガソリン代85574円=年間維持費120774円

よって年間維持費の差は51770円。

年間5万しか変わらない・・・。

一月にすれば、51770÷12=4314円

維持費が~と言ってコンパクトをやめて軽を選んでも4300円/月しか安くはなりません。

計算外とした任意保険なんかも両者大した差はないでしょう。

つまり4300円/月で軽でなく普通車に乗れるわけですよ。

この選択枝、私なら間違いなくコンパクトを選びますが・・・。

だって絶対に軽よりコンパクトの方が”楽”でしょうに。余裕が違う。

ちなみに比較対照をフィットからヴィッツに置き換えると16万円車両価格が安いです。

となると、N BOXに対してコンパクトは維持費が年間約5万高いので、16万安いヴィッツは3年間はトントンのコストです。

3年間、軽と同じコストでコンパクトに乗れるとあったら、さぁアナタはどちらを選ぶ??

見た目(軽)か余裕(コンパクト)か・・・??


維持費で軽を選ぼうとすると車両価格は100万以下でないと現実味があまりないかと思います。

となると選択肢は80万円から買えるミラとアルトあたりになりますね。


軽はもともとクルマの普及の為にあったはず、しかし今の軽はすっかり普通車と変わらない大きさ、価格になっている。

日本は世界的に見てもクルマ普及率は高いです。なのに軽が必要なのか?

そもそもそれは"軽自動車”なのか?もう一度よく考えてみてほしいものです。

ずるずると古い規格を引きずって軽を存続させるより、民衆から袋叩きにあってでも軽規格を撤廃してみてはどうでしょう。

軽の購入層がコンパクトに移り、軽と違い自動車税もきちんととれる。

利益の上がらない軽を作る必要もなくなり、メーカーは余裕が出来る。

自動車税の収率が上がり赤字な国庫にも優しく。

と、良い事尽くし。

軽に乗ってた人は増税みたいな形になりますが、そもそもが不当に安かったものが適正値に戻るだけなので文句は言わせない。

どうでしょう。景気対策に一発核弾頭を撃ち込んでみては(笑)


あ、そうだそれと引き換えに二重課税の撤廃すればいいんじゃない?

軽の税金UP(普通車と同一に)して二重課税撤廃で全体の税金を下げる。バランス取れるんじゃない?

伸ばし伸ばしになってる悪法2つが同時に解決できて万々歳\(^o^)/


なんてね☆彡




ちなみに予防線を張っておきますが、決して軽自動車そのものを貶して撤廃しろと言っている訳ではありません。

”今の軽”がキライなだけです。軽は軽らしくしたら?ってだけ。

上辺だけの燃費性能に見掛け倒しの張りぼてのボディにコンパクトカーと変わらない車両価格。
高すぎる背格好にフラフラな足回り。何もない直線路でフラ付いてるのは一体何なんだ(ドライバーの問題もありますが・・・)
排気量が660ccだというだけで不当に税金を免れている現実。今の規格でいくなら普通車扱いにしなさい。
今のラインナップの中ではミライースやアルトエコの路線が本来の軽としての方向性に近いのでは?
軽規格を続けるなら、もう排気量なんて好きにしていいから車重を”600kg以下”という一文をいれなさいな。
そうすれば自ずと”軽自動車”になるでしょう。
あとは名前や見た目がちょっと違う同一車種を何台も何台もラインナップするのはやめたらどうなの。
色違いの冷蔵庫がいくつあってもお互いがお互いを食い潰すだけですよ。



さ、予防線どころか逆効果な気もしますが反論は受け付けておりません。
※反論コメしても無視しますからね。

もし気分を害しましたらお酒でも飲んで忘れてください。

この文章は貴方の人生になんら影響を与えません。キレイサッパリ忘れてOKです。




さて、長くなりましたがムダにグラフを使った雑談でした。

ちゃん☆ちゃん☆
Posted at 2012/11/01 19:52:31 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2012年09月17日 イイね!

フロントリーンフォースメントと剛性のお話

フロントリーンフォースメントと剛性のお話フロントリーンフォースメントを外しました。
→整備手帳:フロントリーンフォースメント取外し

で、フロントリーンフォース外したら剛性下がらないの?



って思うでしょうから、私なりの見解を述べたいと思います。
(注:これが正しいとが限りません)


そもそもリーンフォースって何?って所から話すと、和訳すると補強材のことなんですが。

さて、フロントバンパー裏に配置されるリーンフォースは何のためにある?

すぱっと言っちゃうと正面からぶつかった時に対する補強なのです。

このリーンフォースが無いと最前面にある機器はラジエーターなので強度がありません。

これだと、ぶつかった物にもよりますがエンジンルームにノーガードで対象物が突っ込んでくる事になります。

そうなると共ずれでエンジンが押され、ドライバー目掛けてエンジンが迫ってくる。という事態に・・・。

これを防ぐためにリーンフォースを付けるわけです。リーンフォースがあればエンジンルームの過度の潰れを抑えられ、乗員の生存率が上がります

また、リーンフォースはただ左右を繋いでるだけでなはく、クラッシュ時に理想的に変形するように、計算された形になってます。

曲がったリーンフォースが自分目掛けて突き刺さりに来たらイヤでしょう?


と、いうのがフロントリーンフォースメントの役割です。


衝突安全性の規制が強化されてから付けられるようになったモノですね。
なので昔の車には付いてません。


で、コレが剛性に影響するのか?という件ですが。

まぁ外したので、結果を言ってるようなものですがwww

剛性に影響はないと思います。(あっても軽微)

そもそも上記の通り、剛性の為に付いてる訳じゃない。



以下、解説です↓

タイトル画像に骨格の簡易図を描いたのですが、エンジンルーム周辺は大体このような構造になってます。


各部を色分けしたのですが、まずねじれが生じる要因は大きく二つです。


①サスペンション(足回り)
②エンジン(最大重量物)


サスは直接路面からの影響を受ける部分ですね。

エンジンはクルマの構成で最も重いものです。コーナリング時などは遠心力が多大に掛かります。



では、まずはエンジンから見ていきましょうか。

エンジンはエンジンマウントを介しメインフレーム(下)に乗っています。

乗ってるだけです。
左右も他に繋がっていないし、上部もどこにも繋がっていない。

エンジンに左右加重(遠心力)が掛かっても受け止めるのはメインフレーム(下)です。

メインフレーム(下)にはサブフレームも付いており、ここに掛かる力に対しリーンフォースは何も干渉していません。



次はサスペンションです。

サスストラット上部がメインフレーム(上)ロアアームがメインフレーム(下)へ繋がっています。

ロアアームはただ繋がっているだけで、足が動いても基本的にメインフレーム(下)へねじれを生じさせるような作用はしません

ストラット上部はタワーバーで左右連結しており、ねじれ作用はタワーバーが受け止めます。 

仮にタワーバーが無くてもラジエータよりも前面に付いているリーンフォースはストラットより発生する力に干渉しません。



と、エンジンもサスもリーンフォースによる影響を受けていない事が推測されます。

考えてもみてください。こんなところに棒が付いていても何の剛性に影響するんですか・・・と。

そりゃトータルで見れば多少は影響するのかもしれませんが、素人レベルが分かるような影響度ではないです。


私にとってこの剛性に影響しないであろう3.9kgの棒はただのデッドウエイトです。

ほとんど無い剛性影響のためにフロント最先端に3.9kgはちょっとね・・・。

と言う事で、取り外しに至った訳です。

当然安全性は低下しますのでそこは覚悟の上です。


一応、良い子マネはしないでね。と言っておきますwww


簡略的でしたがこんな所で以上です。終了♪
Posted at 2012/09/17 20:18:20 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2012年09月15日 イイね!

レギュラー仕様の高圧縮比エンジンの謎

レギュラー仕様の高圧縮比エンジンの謎最近の車ってレギュラー仕様にも関わらず、
圧縮比が物凄く高いですね。

プリウスは13.0デミオなんて14.0ですよ。
(12年9月現在)



ちなみにハイオク仕様のスポーツカーの圧縮比ってどうでしょう?

①生産終了してますが、エンジン屋ホンダのシビックTYPE-R(K20A)で11.7

②最新の国産NAスポーツ86/BRZ(FA20)で12.5

・・・と、なんとびっくりプリウスやデミオはスポーツカーよりも高圧縮比だというのです。

NAのスポーツカーといえば高い圧縮比(パワーの追求)。そしてその高圧縮に耐える為のハイオク仕様(異常燃焼対策)

と相場が決まっていましたのにね。

レギュラー仕様で「パワーなんてどうでも良いよ、燃費だよ。」という車がスポーツカー以上の高圧縮比だという謎(笑)

「その圧縮比でノッキングしないの?いやはや、そこまで技術が進んだのかぁ・・・。」な~んて関心しますか?


同じ年代の車である86/BRZはハイオク仕様スポーツカー(しかも直噴)なのに圧縮比は12.5とプリウスよりも低い。

プリウスで13.0が可能ならパワーのために86/BRZは16.0くらいにしたらいいんじゃないの?ってなりますよね。
※ちなみに高圧縮比のほうがパワーが出るという基本原理は今も昔も変わってませんよ。


○さらっとスペック比較
  ※以降プリウスと86/BRZを比較に話を進めます。(エコ/スポーツでありレギュラー/ハイオク仕様で年代も同じ為)

・プリウス

排気量 1797cc
燃料 レギュラー
圧縮比 13.0
最高出力 99PS/5200rpm
最大トルク 14.5kgf・m/4000rpm
※エンジンの性能です(モーターは省略)


・86/BRZ

排気量 1998cc
燃料 ハイオク
圧縮比 12.5
最高出力 200PS/7000rpm
最大トルク 20.9kgf・m/6400~6600rpm


こうして比べてみると不思議ですよね。

レギュラー仕様のプリウスの方が圧縮比が高く、パワー低
ハイオク仕様の86/BRZの方が圧縮比は低く、パワー大

リッター当たりの馬力は86/BRZが100PSプリウスが55PS
リッター当たりのトルクは86/BRZが10.45kgf・mプリウスが8.07kgf・m。という性能。


レギュラー仕様のプリウスで圧縮比が13.0に出来ても、ハイオク仕様の86/BRZでは出来ない理由があるのか?。

圧縮比を昔よりも上げる事は確かにできるようになりました。
しかしレギュラーで13.0とかはオカシイのです。

そんな技術があったらそれこそ86/BRZは16.0とかになってますよ(笑)


さて前置きがとても長くなりました。まぁいつもの事です(爆)

ではなぜプリウスのカタログには”レギュラーにも関わらず13.0という高圧縮比が記載されているのか?”という疑問を究明していきましょう。

ここで登場するのが”ミラーサイクル”です。

大雑把に言うと今のエンジンには3つの種類のサイクルがあります。


①オットーサイクル

②ミラーサイクル(≒アトキンソンサイクル)

③バンケルサイクル



それぞれに簡単に注釈をいれますと・・・

オットーサイクル・・・圧縮比と膨張比が同じ、最も基本的なレシプロエンジンのサイクル。

ミラーサイクル(≒アトキンソンサイクル)・・・圧縮比よりも膨張比を大きくとり、熱効率を高めたもの。レシプロエンジン用。

バンケルサイクル・・・ロータリーエンジン用。おにぎりがぐるぐる廻る夢のエンジンのためのもの。
※今回バンケルサイクルは関係ないので忘れて頂いて結構です。(というか私もなかなか名前が思い出せなかったというのはナイショ)


ミラーサイクルとアトキンソンサイクルを”≒”と書いた理由は後ほど解説する事にして話を進めます。(以降ミラーサイクル表記で説明します)

さて、注釈に書きましたが、”圧縮比””膨張比”という言葉を出しました。

今回の話の肝はこれです。


まずはミラーサイクルについてもう少し詳しく説明しましょうか。

エンジンというのは圧縮比を高くしていくと熱効率が向上します(=出力・大)しかし上げすぎるとノッキング等の問題が発生してきます。

スポーツカーではそれを回避するためにハイオク仕様とするわけです。

乗用車ではハイオクにしてまで熱効率を上げる必要はないので、それなりのところで圧縮比を上げるのはやめます。

これがスポーツカーの方が圧縮比が高い理由ですね。



それではオットーサイクルミラーサイクそれぞれの圧縮と膨張を簡略図にして見ていきましょう。

基本的にオットーサイクルでは圧縮比と膨張比が同じです。

ピストンが上にいく(圧縮)ときと下にいく(膨張)ときの比率が同じ

圧縮比が10.0であれば、膨張比も10.0となる。



これに対しミラーサイクルは、

圧縮比(10.0)に対し膨張比(13.0)の方が大きい。

というものです。


これがなぜ熱効率の向上に繋がるのか。というのがパッと分かる人は結構すごい。


---エンジンの4サイクル---
①吸入
②圧縮
③燃焼・膨張
④排気
------------------------

エンジンは、空気と燃料を圧縮しますね。

次に爆発(膨張)します。

この時、圧縮に対して膨張したときの方が、圧力・温度共に高くなります。(爆発してるものね)

例えば100cm3圧縮しても、130cm3に膨張するんです


しかしオットーサイクルでは圧縮比=膨張比(上下ストローク量が同じ)の為、100cm3までしか膨張させられません。

じゃあ残りの30cm3は?


捨てます!


エネルギーをまだ持っているのにそれを捨ててしまうんです。


この無駄をなんとかしようと言うのがミラーサイクルです。

100cm3圧縮して130cm3に膨張するのなら、圧縮比よりも膨張比を大きくしてやればいい

こうすれば膨張(爆発)のエネルギーを最大限利用することが出来るわけです。


コレだけ見たらスポーツカーにも使えばいいじゃん。って思いますよね。

ところがぎっちょん!?

圧縮比膨張比とするためにどういう制御をしているのか。ってのが問題です。


ミラーサイクルは吸気バルブを”遅閉じ”しています。

圧縮が始まっているのに吸気バルブを開けっ放しにしているんです。

「え?それじゃ圧縮されずに吸気バルブ側に吹き戻っていくじゃん」

と、思いますね?


その通りです(爆)

シリンダー内に吸入した空気を圧縮しないで吹き戻します。

これにより、膨張比よりも圧縮比が低くなるんです。

言い方のマジックなんですけどね、”圧縮比よりも膨張比を大きくとる”のではなく
”圧縮比を膨張比よりも小さくする”という事をするんです。

これが何を意味するのか・・・?

シリンダー容量に対して空気量が減ります。

例えばシリンダー行程が130mmあっても30mm分吸気が開けっ放しであれば、それはシリンダー行程が100mmのエンジンと同じことです。

空気量が減れば当然パワーは出なくなります。

カタログ上の排気量は吸気バルブの遅閉じを考慮しないで全行程分で計算してますので、
結果として、同排気量のオットーサイクルに比べてミラーサイクルはパワーで劣る。という事になります。

※膨張時のムダを回収する為にミラーサイクルとするよりも、多少捨ててでも排気量が多い方がパワーがあります。


ちなみにミラーサイクルによりカタログ値でどれくらいパワーが落ちるのか・・・?
※正確な比較とはいきませんが

プリウス 1797cc 99PS/14.5kgf・m
アリオン 1797cc 144PS/17.9kgf・m
ヴィッツ  1329cc 95PS/12.3kgf・m


同排気量のアリオンに対して45PS/3.4kgf・m低く、排気量が468cc少ないヴィッツとは4PS/2.2kgf・mの差です。

プリウスにはモーターもあるので実走行でヴィッツ並み・・・と言う事は無いですが、エンジン単体でみれば、1797ccもあるのに1329ccのヴィッツ並みのパワー(馬力)しかありません。

トルクはヴィッツとアリオンを足して2で割ったくらいですので、大体1500cc相当のトルクでしょうか。

ミラーサイクルの圧縮比<膨張比というのが、パワーに大きく関係すると言うのが見て取れますね。(その分燃費には効きますが)


さ、すっかりミラーサイクルの説明になってましたが、本題は”レギュラーで高圧縮比”の謎です。

まぁ、此処まで読んだらもうお分かりかもしれませんけど・・・。


ずばり、ミラーサイクルエンジンのカタログに載っている圧縮比は
膨張比の事です。


プリウスの圧縮比13.0というのは膨張比が13.0と言う事です。実効圧縮比は13.0以下です。

具体的にいくつ?とはいえませんが、10前後くらいなのではないでしょうか。

そうして見ればレギュラーでもノッキング等の問題は大丈夫なのでしょうねと察しがつきますね。


これまでは圧縮比=膨張比が当たり前であり、圧縮比=シリンダーの容量・行程だけで算出できる。
という前提でカタログに記載していたのですが、今や吸気バルブの遅閉じなんて事が当たり前のようになりつつある。

見た目の圧縮比と実際の圧縮比が大きく違うので、カタログ値がレギュラーなのに13.0などという、スポーツカーもビックリな数値が記載されてしまっている。

しかし、走行シーンによって吸気バルブの閉じるタイミングが違うのでしょうから、実効圧縮比をカタログに載せるというのも難しい。

なのでミラーサイクルエンジンの車のカタログ圧縮比はあまり見ないほうがいいかもですね。(何の目安にもならない)



と、凄くなが~くなりましたが、レギュラー仕様車がスポーツカーよりも高圧縮比という謎の究明でした。

殆どミラーサイクルの原理のお話でしたけどね(爆)



あ、そうだ、ミラーサイクル≒アトキンソンサイクルの説明をしていない。

まぁ、そう難しい事ではありません。

ミラーサイクルが吸気バルブの遅閉じで圧縮比<膨張比を実現しているのに対し、

アトキンソンサイクルは、機械的に上死点と下死点の位置を変える事で圧縮比<膨張比を実現しているというものです。(ピストンのストローク量そのものを変えている)

つまりやっていることは一緒で、その方法が違うというだけです。

アトキンソンサイクルは構造が複雑になるので、今現在使われているのはミラーサイクルの方です。

しかし、時折アトキンソンサイクルのエンジンだ。な~んて目にする事もあります。

ミラーサイクルはアトキンソンサイクルよりも後発のやり方で、分類的にはアトキンソンサイクルなのです。(アトキンソンサイクルと同じ事を別の手段で可能にしたものがミラーサイクル)

だからアトキンソンサイクルといっても中身はミラーサイクルである場合が殆どです。



よし、大分ごちゃごちゃしてますが、大体の所は書いた筈。

ま、大体こんな理屈なんだな~というのが分かればよし。
エンジン設計するわけじゃないですからね(笑)




ともあれ、カタログに載せる数値は意味のあるものを載せて頂きたいものだ。
最近は燃費とか特にね(爆)

10・15モードからJC08モードに計測方法が変わりましたが未だに嘘つきっぷりは健在。

wikiにもこう書かれる始末↓www

「10・15モード燃費が現実からかけ離れているとの批判を受け、より実際に近づけるために採用となったJC08モード燃費であるが、目的を達したとは言いがたい。例えばトヨタ・プリウスの場合、10・15モード燃費が38.0km/Lであり、JC08モード燃費は32.6km/Lであるのに対し、現実の燃費は22km/L程度である。一般消費者からしたら、未だに現実からかけ離れた数字であるのは変わらない。」

ねぇトヨタさん?(トヨタに限らないですが)

カタログ燃費なんてどうでもいいから現実を見て車を作ったらどうなの?

32.6km/Lと22.0km/Lって67%も差があるんですけど・・・(38と22じゃなんと58%)。

こんなのじゃ載せてる意味ないって(笑)


おっと話が脱線・・・というか変な方向へ行ってる(爆)

よし終わり!!
Posted at 2012/09/15 21:59:40 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2012年08月31日 イイね!

マフラー交換によるトルク・馬力の変化

マフラー交換によるトルク・馬力の変化さて、最近小難しい話をしていなかったので少し頭の痛くなるような話でもしましょうか(爆)

※いや~ネタは幾つかメモ書きしてあるんですけどUPしてないというね(笑)





よくマフラー交換をすると馬力が上がる低速トルクが減る、などと言いますね。

これって何ででしょうね??という話です☆


とりあえず、社外マフラーにする理由は”排気の抜けが良くなるからというのが多いでしょうかね(次点は音とかかな?)

で、”抜けが良くなって馬力が上がる”のは詳しく説明ができなくても、
なんとな~くそんな気がすると納得できる人が多いでしょう。




でも、低速トルクが落ちるってのは理解できます?

だって抜けがよくなるのに低速トルクが減るの?
※実際試したらそうなったんだからそうなんだろ。と言われたら、まぁそうなんですが。

ふん詰まりがなくなれば低~高回転全域でパワーアップしそうなものなのにね。


さて、これを説明するためには、まずバルブオーバーラップに関して話さなければいけません。

バルブオーバーラップってなんぞ?って事でさらっと説明をしましょう。

燃焼室には吸気と排気のバルブがありますね。


車のエンジン(4スト)って、

①吸入
②圧縮
③燃焼・膨張
④排気

という4つの行程を繰り返すので4ストローク/1サイクルエンジン(4スト)といいますね。

この”④排気→①吸気”の際に排気バルブと吸気バルブが両方開いている時間があります。(ほんのちょっとですけどね)

これをバルブオーバーラップといいます。

で、なんで両方開いてる時間があるの?っていう所が大事なわけですが。






オーバーラップの簡易図


簡単に書くとこんなイメージですが、吸気というのは基本的にピストンの下降による燃焼室内の減圧による吸引です。

そう考えると、オーバーラップなんて要らない気もしますけど、ちゃんと理由はあるんです。


ピストンは上死点に到達してもプラグやバルブに接触しないようになっていますよね。つまり、上死点まで行っても空間が残るんです。

この空間が実はムダなんですよ。

何でかって言うと、ピストンが上死点から下降を開始したらまずはこの空間に残っている気体を膨張(減圧)させるという余計な仕事をしないといけないからです。

この空間に残っている気体は④排気で残った気体なわけですが、排気の行程はピストンの上昇による加圧(押し出し)ですので、ピストンが上死点に達した時点で排気バルブが閉じてしまうとこの空間に残った気体は加圧状態で残ってしまうのです。





そうすると、吸気の為にピストンが下降し始めても、残留した加圧気体を膨張させきり圧力を下がるまで空気を吸い込めません





これでは当然、吸気の充填率は低下してしまいますね。

しかも排出しきれなかった排ガスが燃焼室に残っているのでなおさら悪いです。





余計な仕事排ガスの残留吸気量の低下と悪い事尽くめですね。


で、オーバーラップの出番です。


吸気も排気も流れている流体は気体です。気体にも慣性があるので吸気は入っていこうとする方向、排気は出て行こうとする方向へ慣性が働いています。

吸気開始のタイミングで排気バルブを閉じないでおく事で、排気を行いつつ、且つ排気の勢いを利用して吸気を引っ張るという効果があります。

オーバーラップさせる事で出来るだけ排ガスを追い出し、新鮮な空気をより多く燃焼室に取り込めるようにしているのです。



また、オーバーラップ時間は回転数によってベスト時間が違く、

・低回転・・・オーバーラップを少なめ(短め)
・高回転・・・オーバーラップを多め(長め)

となっており、高回転・流速が速いほどオーバーラップを多くとる必要があります。



低回転のセッティングにしていると高回転時にオーバーラップが少なすぎて吸気が入り難くなる。
 ※吸気が入り難くなるので、パワーが出ない。回転が上がらなくなる。(慣性を十分に利用できない)


高回転のセッティングにしていると低回転時にオーバーラップが多すぎて吸気が排気に引っ張られて抜け過ぎてしまう。
 ※吸気が吹き抜けてしまい充填量が少なくなるため、パワーが出ない。(吹き抜けの際ガソリンも一緒に出て行ってしまう)


つまり、低回転用のオーバーラップだと高回転がニガテ、高回転用だと低回転がニガテになってしまいます。

さくっと言うと、
 ・実用車はオーバーラップ少なめ(低回転・トルク重視)
 ・スポーツカーはオーバーラップ多め(高回転・馬力重視)
となっているといえますね。


さて、勘の良い方はオーバーラップとマフラーの関係に気が付いたのではないでしょうか?

マフラーを変えると何が変わりますか??

”排気の抜けが良くなる””背圧が低下”しますね。

さて、オーバーラップと背圧の関係を考えてみましょう。

今回は排気の出て行く勢いが重要ですね。背圧の大小で・・・、

・背圧:大・・・排気の勢い:小
・背圧:小・・・排気の勢い:大

となりますね。
※単純な圧力の話です。(例:100→90kpaに流れるよりも100→50kpaへの方が流れやすい)
※バルブ開度が変わらなくても圧力が変われば流量は増減する。


背圧の大小はバルブオーバーラップ時の排気バルブからの抜けの大小に関わってきます。
※背圧が低ければ、排気バルブへの抜けが多くなる=オーバーラップが多いのと同様の効果がある。(よって高回転が得意になり低回転が苦手になる。)

つまり、

・オーバーラップ少ない&背圧高い車ほど低速トルク向けのセッティング。
・オーバーラップ多い&背圧低い車ほど高回転向けセッティング。

となります。


だから”社外マフラー=背圧低下=低速トルクが落ちる”となるのです。

※社外マフラーで背圧が上がる場合は逆となりますけどね(基本的にそのパターンはあまり無いですが)
※マフラー交換にあわせてバルタイも調整すればこの限りではありません。でもそんなことする人は殆どいないよね。
※可変バルブタイミング機構はこの吸排気バルブの開閉時期を調整しています(GDB:吸気側のみ、GRB以降:吸排気両方)


ちなみに馬力が上がるというのもココまでの話で説明できます。(最大馬力の話ね)

低速トルクが落ちるが高回転向きになると言いましたよね。

馬力とはトルクと回転数と定数によって計算される仕事量です。

たとえ低速トルクが落ちても計算で使うのはもっと上のトルクです。

そして高回転向きになった分回転数が稼げるようになるし、高回転時のトルクも上がるかもしれません。

という事は・・・馬力の計算で使う部分の数字は上方修正なわけです。

そりゃ馬力は上がるよね。”最大”馬力はね。




背圧はマフラー以外にもエキマニの形状や、配管径、配管の取り回しなどでも変わります。

スポーツカーは元々低背圧に作られているので、抜けの良いマフラーやできるだけ曲がりの少ない排気ラインなど工夫が見られます。

逆に実用車は排気ラインがうねうね曲がっていたり、マフラーがふん詰りだったりと低回転向けに作られているのが見て取れます。


※実用車のふん詰りマフラーは嫌がらせではなく狙ったものなんですよ(笑)



余談で私のインプレッサの話ですが、タービン交換の際に社外のハイフロータービンではなくスペックCのBBタービンをチョイスしたのも実は背圧の絡みがあったり・・・。

小径タービンの方が低回転から加給がしやすい(その分最後の伸びはイマイチ)というのもあったのですが、ハイフロータービンだと背圧が下がってしまうんです。

羽根が大きくなるとタービンでの排気抵抗が減るので結果として背圧の低下、低速トルクの低下という自体を招く(しかもハイフローなので低回転からの加給もおそくなる)

ハイフロータービンは最大馬力は上がるのですが、私の狙いと外れてしまうのですよね~。という(笑)



と、まぁこんな感じで社外マフラーによる馬力UP・低速トルクDOWNという事象の理屈でした。

細かい部分は他にもありますが、ざっくり言うとこんな感じです。(所詮素人知識ですしね)


分かり難い部分もあったかと思いますが、まぁいつも通りです。気合で読んでください(爆)

細かく書きすぎても分かり難いし、大雑把に書きすぎても分かり難い・・・加減が分かりませんね~(笑)
Posted at 2012/08/31 23:13:47 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2012年05月17日 イイね!

燃焼室のカーボンについて

燃焼室のカーボンについてよくカーボンを取り除く為に、回転数を上げてやると良いと言いますね。


あれって真偽はどうなんでしょうね~?


アナタはどう思います??





ま、イメージとしては「”高回転=高温”なので、カーボンを燃やせる」といったところでしょうか。


じゃあ逆に、回転数を上げないとカーボンが溜まる?

上記のと同じようにとれば「”低回転=低温”で燃えにくくカーボンが生成される」でしょうか。

ま、これもよく言われますよね。低回転走行はカーボン溜まると。


これで納得できますか??



さて、じゃあ化学の話といきましょうか。
※出来るだけ細かい数字・計算は使いません。ざっくり説明でいきます。


最初に、燃焼とはなにか?

HC(ガソリン) + O2(酸素) = CO2(二酸化炭素) + H2O(水)

という化学反応です。(完全燃焼の場合)


では、カーボン堆積の原因から考えていきましょう。


①短期走行(暖気不十分による燃焼温度不足)

温度が低く、ガソリンの燃焼が上手く行きません。

酸素と炭素が上手く結び付かず、CO2になれません。そのため単体のCとなってしまう。これがカーボンです。

これは十分に暖気をすることでカーボンの堆積を防止できますね。

※ちなみに、短期走行の繰り返しはメンテナンスノートにシビアコンディションとして記載されています。


②低速走行・低回転走行

これはエンジンの制御の話が出てきます。

空燃比ってやつです。

エンジンって回転数が低いときほどパワーがでないですね。

そして、停止→発進の時ほどエネルギーが必要ですね。

回転数が低いのに走ろうとすると、パワーを出さないといけない。

そうするとECUが燃料を多く噴くように制御をします。

そうすると、O2の量に対してCHの量が多くなるので、燃焼しきれなくなりカーボンとなる。

停止→発進の時も同様の事がおきます。
(停止しているということは回転数が低いという事、そして止まっているものを動かすには大きな力が必要ですからね)

熱量が少なく、温度が低めなのも一要因。

STOP&GOが多く、低回転ばかり使って走っている方は注意。


③O2センサーの異常

O2センサーが汚れや不調などで正常な値を計測できなくなると空燃比が狂います。

ECUはO2センサーを見て燃料噴射量を変えるのでO2センサーがウソを言うと空燃比が濃くなったり、薄くなったりします。

結果として燃焼が上手く行かず、カーボンの析出となります。



まぁ、大きい所はこんなもんですかね。

補足すると、空燃比は理論空燃比14.7(ガソリン1に対して空気が14.7)の時が一番カーボンが出ません。

低回転で走るとパワーを出すため空燃比を濃くする(14.7→13とかね)からカーボンとなる。

※目標空燃比等は車両ごとに違います(あくまで例です)
※理論空燃比とは、ガソリンを完全燃焼させるのに必要なO2との比率です。


と言う事で、低回転で走っているとカーボンが溜まるというのは概ね正解ですね。



さ、じゃあ高回転にすればカーボンは果たして除去できるのか?


とりあえず回転数は置いておいて、アクセル開度ごとの燃料量を考えてみましょうか

0%・・・燃料噴射ゼロ(或いはアイドリング分)

10%・・・燃料ちょっとだけ

50%・・・燃料それなりに多め

100%・・・燃料多め


ざっくり言うとこうなりますね。


・それぞれの空燃比はどうでしょう?

0%だと、燃やしていないので空燃比はゼロ。(或いはアイドリングの空燃比)

10%だと、ちょっと燃えてます。空燃比は14.7を目指す車が多いでしょうか。

50%だと、結構加速しますね。空燃比は加速の為に濃くなるので13~12くらいかな。

100%だと、フル加速です。とにかくパワーが欲しい。空燃比は11~10くらいかな。


・それぞれの温度はどうでしょう?

0%だと、温度は上がりませんね。(或いはアイドリング分の温度上昇)

10%だと、多少温度は上がっていきますね。

50%だと、温度はグイグイ上がりますね。

100%だと、温度は急上昇ですね。


さ、どれが一番カーボンが取れると思いますか?



って聞くと100%って答えが来そうですね。だって一番温度高いですもんね。


ここで終わるとつまらないですよね?

当然続きがあります。


それは回転数ごとの目標空燃比です。

アクセル開度ではなく回転数による空燃比です。
※ECUは基本的には回転数で空燃比を制御します

1000rpm・・・空燃比14.7

2000rpm・・・空燃比14.7

4000rpm・・・空燃比13.0

6000rpm・・・空燃比12.0

8000rpm・・・空燃比11.0

ま、ざっくりテキト~にですがこんなイメージです。

※エンジンの負荷量などでも変わりますので一概には言えないですがね
 例)巡航中=負荷小=空燃比は薄め。加速したい=負荷大=空燃比は濃いめ
先ほどアクセル開度で空燃比を書いたのはこの負荷量のことを指しています
(アクセル開度が大きい=加速したい為負荷が大きい)

回転数が高いというだけで同じアクセル開度でも目標空燃比は濃くなります。

なんでかって?

空燃比が薄いまま高回転回すとエンジンが焼けます。
(温度が上がりすぎて異常燃焼をおこします)

で、なんで空燃比が濃くなるのかですが、燃料を多めにすることで燃料で冷やすんです。

※燃焼室へ燃料が入ると、燃料が熱されますね。燃料が熱を貰うということは、熱を奪うという事です。
※また、膨張過程で燃料が液体→気体へと状態変化します。この際に周囲から熱を奪います。

また、空燃比が濃いのでノッキングを防げます。

極端に傾向を言うと↓
・リーンバーン(燃料薄め)=ノッキングしやすい
・リッチバーン(燃料濃いめ)=プラグがかぶりやすい
という傾向になります。

高回転・高温下であればリッチバーンのプラグかぶりは起こりませんね。

でもリーンバーンだとエンジンが壊れます。

どっちを選ぶかは一目瞭然ですね。

だから空燃比は濃いめに制御します。

さて、高回転というだけで燃料は濃くなります。温度は上がりますけどね。

これってカーボンにとってどうでしょうねぇ?

一番最初に言いましたが、理論空燃比が一番カーボンが出ません。さらに言うとリーンバーンもカーボンがでません。

・完全燃焼 : HC(ガソリン) + O2(酸素) = CO2(二酸化炭素) + H2O(水)

・空気多め : HC(ガソリン) + O2(酸素) = CO2(二酸化炭素) + H2O(水) + O2

となります。空気が多めでも排ガス中のO2が増えるだけで、カーボンの析出には繋がりにくいです。
※しかし、空気が多いと燃焼室の温度が上がりにくい(空気で冷やされてしまう)のでカーボン析出に繋がるという反面も。

では逆に・・・

・空気少なめ : HC(ガソリン) + O2(酸素) = CO2(二酸化炭素) + H2O(水) + 

Cに対してO2が足りず、カーボンとして析出します。

温度が高いとはいえカーボンが出来やすい環境(空燃比)となりますね。


回転数を上げても、カーボンを焼くどころか、カーボンを出してしまいます。

これでは本末転倒どころか逆効果。意味無いですね(笑)


インプレッサのようなターボ車に乗っている方は実感あると思いますが、回したってマフラーはススまみれですよね(笑)

ターボ車は高回転高負荷下では空燃比が9~8まで濃くなります。

ターボの所為で温度がガンガン上がるので、燃料を多くして冷却する&単純にパワーの為に燃料を多くするという悪循環になっています(爆)

つまり高回転まで回して温度を上げてもそれ以上にカーボンが出てしまうので結局は意味無いんですよね・・・。


と、一言で高回転は意味なし。というのも芸が無い?ので、補足です。

ガソリン(特にハイオク)には洗浄剤と言うものが含まれています。

これは、カーボン等を落とす効果があるのです。

燃料を多く噴くということは洗浄剤を多く吹き付けるということです。

直噴エンジンで無い限りは、これによって吸気側のバルブのカーボンをある程度落とせます。

要はドバドバ洗剤かけるイメージですね。

リーンバーンだと燃料が少ないのであまりカーボンは落とせません。

これが高回転でカーボンを落とせる要因と言えますね。

※ちなみに直噴エンジンは吸気バルブに燃料が当たらないのでカーボンを落とせません。直噴エンジンの気筒内図を見ると分かります。


さ、もろくも”高回転=カーボンを落とせる”というのは崩れてしまいましたね。
※落とすのが吸気バルブだけの話ならあってますけどね(笑)

じゃぁ、どうしたらカーボンを落とせるんでしょうね?

低回転走行もダメ高回転走行もダメ・・・

じゃぁ、その中間は?

そう。中間を使えばいいんですよ。

低すぎず、高すぎず。

温度が十分にあり、かつ高すぎない温度。

あとは負荷を出来るだけ掛けないことです。負荷を掛けるとリッチバーンへ向かいますので。

とにかく完全燃焼を心がけるんです。

温度を十分に掛けてやり、それ以上のカーボンが出来ない環境にするのが一番いいです。

それである程度カーボンは燃えます。これで取れないカーボンは、燃焼の調整では取れないとあきらめるべき


GDBFインプレッサSTI(純正ECU)であれば、3000rpm前後で負荷を掛けないように走るのが一番いいバランスだと思います。

6速3000rpmだと110km/hなので、高速道路を巡航するのがベストバランス。
5速3000rpmでもいけます(88km/h)

他の車の制御がどうなっているのか知りませんが、概ねこのあたりの回転数ではないでしょうかね。
※排気量などいろいろと違いがあるので一概には言えないのです

これで200~300km(2~3時間)くらい走れば十分カーボンは落ちるかと思います。


あと、カーボンを落とす手として考えられるものは薬品がありますね。

いくつかその手の商品があったと思います。(CRCエンジンコンディショナーとかそのへん)

でも、私はあまり推奨はしないでおきます・・・。


私がイヤと思う理由は、燃焼室へカーボン等の汚れを押し込んでしまうことです。

その手の商品ってスロットルとかから入れるじゃないですか・・・。まぁ、そのラインの洗浄も兼ねているのでそこから入れるんですけどね。

で、その汚れは何処へ行くの?

燃焼室へ押し込まれますよね。

一般的な直列エンジンで考えてみると吸排気バルブの位置って気筒の上部ですよね。

さ、押し込んだ汚れが上手く”全て”燃えてくれればいいですね。

ガスであれば上入れ、上抜きでも流れますが、燃えカスは果たして上手く流れるのか?

燃焼室内へ入った薬液は排気バルブを通る時は気体になっているんですよ。
(膨張で気化し燃焼で気化する)

汚れを含んだ薬液が燃焼室で燃えると、燃え残りは何処に溜まるんです?

って言ったら燃焼室に溜まるじゃないですか。

※不純物を含んだ液を燃焼させると固体として析出してしまう
※もちろん幾らかは排ガスに乗って出て行きますがね

そう考えると、燃焼室手前までは洗浄できるが、燃焼室自体にとってはデメリットなのでは?

しかも燃焼室を出た不純物を含んだガスはマフラーから出ていくまでに、排ガスラインや触媒などに汚れを付けていく可能性が。

※燃焼した薬液に汚れを落とす能力は無く、マフラーへ向かうにつれガス温度も下がるので析出環境になる

スロットル~燃焼室手前までを洗浄し、その分排ガスラインや触媒を汚すってのはどうなのよ?

私はメリットを感じませんけどね。むしろイヤだ。


結局、燃焼室のカーボンを落とすには温度と空燃比のバランスが良い所でエンジンを回してやって燃やすしかないです。

そして燃焼室出口~マフラーまでの間は基本落とす手段は無いと考える。

※もしやるなら配管丸ごと外して洗浄するしかありません。
※ガスでカーボンは落とせませんからね(燃焼室下流はガスしか来ませんので)


ま、よしんぼ燃焼室のカーボンを落とすことが出来たとして、果たしてそれはどうなの?というのもある。


経年劣化・磨耗でできた隙間をカーボンが埋めてくれている場合があるんです。

そのカーボンを薬品で落としてしまうと詰め物がなくなり、圧縮抜けやガタの原因となる可能性があります。

せっかくカーボンを落としたのにパワーダウンしたら意味無いじゃないですか。

ガタが出るのはもっと最悪。磨耗を加速させてしまいます。

なので、燃焼室内も見ないで使うようなもんじゃないと思います。



・・・と私は薬品でのカーボン洗浄には否定的な考えです。


まぁ、私の意見が間違っていて、商品の謳い文句通りに綺麗にはなるのかも知れませんよ?

ただ、それでエンジンの調子良くなるか悪くなるかは分かりません。

エンジン内部の状況も把握せずに使うと痛い目みるかもしれないのでオススメはしませんという事で。


ちなみに、そもそもスロットルにススが付いてる車は注意です。

燃焼が上手く行ってなかったり、ピストンリングの磨耗などが考えられます。

ブローバイガスのラインが吸気に戻っていますよね。スロットルにススが来るってことはこのラインから来ている可能性が高いです。

ブローバイガスは燃焼室からクランク室側へ漏れこんだガスですので、これが多いということはピストンリングの磨耗が考えられる。

また、ブローバイの量は大した事無いのにススが多い場合は燃調が狂っているかもしれません。(空燃比の濃いガスが来ている)

あとはスロットルにブローバイオイルが多く付いてる車は走行距離とご相談。

走行距離が多い車は溜まり溜まった汚れかもしれませんが、走行距離の少ない車の場合は問題アリかもしれません。

※短期走行の多い車はブローバイも多く出ます。
(エンジンが温まっていないと、クリアランスが大きく吹き抜けの要因となる)


さて、余計な話もしましたが、回転数とカーボンの関係ですがざっくりまとめると。

低回転→カーボン生成
中回転→良い燃焼
高回転→カーボン生成


という事です。

車種やECU、走り方次第で状況は変わるので一概には言えませんけどね。


だれが広めたのか分かりませんが、単純な温度の話ではないのですよ~。
Posted at 2012/05/17 21:00:54 | トラックバック(2) | 小難しい話とか | 日記

プロフィール

「お知らせ:ブログカテゴリーに便利なリンク集あります。」
何シテル?   04/17 20:48
はじめまして、葵 由埜(あおい ゆの)です。 ★YouTubeとTwitter始めました。 ★できるだけ面白可笑しくをモットーに日々のクルマやバイク...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

123456 7
89 1011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

トヨタ 86 86(穹) (トヨタ 86)
2019年冬から乗り始め。[超低重心FRパッケージ]が売りの2+2シーターFRクーペ。 ...
ヤマハ YZF-R6 R6(蒼) (ヤマハ YZF-R6)
2018年春から乗り始め。尖った性能の600ccスーパースポーツ。 2017年式(BN ...
ヤマハ セロー250 セロー (ヤマハ セロー250)
2012年春から乗り始め。オフロード車の定番。二輪二足コンセプトのトレール車。 200 ...
ヤマハ YZF-R6 R6(紅) (ヤマハ YZF-R6)
※過去所有車です ※2018/03/21 2017年式YZF-R6(BN6)との入れ替え ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation