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葵 由埜のブログ一覧

2010年12月14日 イイね!

更に突っ込んで考えてみる!

 
実は、空気密度が変わる要因がまだあります(笑

温度・圧力・密度

ボイル・シャルルの法則で出てきたものはこの3つでしたよね?

3つとも使って計算しました。

じゃあ、何なんだ?と・・・。


実は今までの計算には裏設定がありました。

それは、湿度が0%というものです。


これで空気密度との関係がピンと来る人は少ないでしょう。


空気中に水分があると、空気中のO2・N2・その他気体を追い出してしまいます


例) 空気(100)=O2(20.9) + N2(79.1) + その他気体
                  ↓
   空気(100)=水分(6.0) + O2(17.9) + N2(76.1) + その他気体 


数字は例えですが、こんなイメージになります。

O2の量が減ってしまっていますね?


これを計算します。


が、説明が面倒なので、結果だけ載せます(爆

説明は皆さんきっと読み飛ばすでしょうしね?(笑


温度(℃)→
湿度(%)↓    0     5    10    15    20    25    30   35   40
       0  1.293  1.270  1.247  1.226  1.205  1.185  1.165  1.146  1.128
      10  1.293  1.269  1.247  1.225  1.204  1.183  1.163  1.144  1.125
      20  1.292  1.269  1.246  1.224  1.203  1.182  1.161  1.141  1.122
      30  1.292  1.269  1.246  1.223  1.202  1.180  1.159  1.139  1.119
      40  1.292  1.268  1.245  1.223  1.201  1.179  1.158  1.137  1.115
      50  1.292  1.268  1.244  1.222  1.200  1.178  1.156  1.134  1.112
      60  1.291  1.267  1.244  1.221  1.198  1.176  1.154  1.132  1.109
      70  1.291  1.267  1.243  1.220  1.197  1.175  1.152  1.129  1.106
      80  1.291  1.266  1.243  1.219  1.196  1.173  1.150  1.127  1.103
      90  1.290  1.266  1.242  1.219  1.195  1.172  1.148  1.125  1.100
     100  1.290  1.266  1.242  1.218  1.194  1.171  1.147  1.122  1.097


縦軸が湿度・横軸が温度で、それぞれの空気密度を一覧表にしました。


表を読み取ると、温度が0℃の状態では湿度がいくら変わろうと、空気密度は殆ど変化しません。


そして、温度が40℃の状態では湿度の影響を大きく受けます。


これは水分の飽和水蒸気量が温度が高いほうが多い為です。

冷たいコーヒーに砂糖を溶かすよりも、温かいコーヒーのほうが多く砂糖が溶けますね?それと同じです。


つまり温度が高いほうが水分が多く空気中に溶け込めます。

水分が多い=O2の量も少なくなってしまいます。


湿度は低いほうがパワーが出る。そして、温度が高いほど影響度が大きいという訳です。




ちなみに、この表を変化率(%)に直すと以下となります。

温度(℃)→
湿度(%)↓    0     5    10    15    20    25    30    35   40
      0   100.0  100.0  100.0  100.0  100.0  100.0  100.0  100.0  1000.0
     10   99.98  99.97  99.95  99.94  99.91  99.88  99.84  99.79  99.73 
     20   99.95  99.94  99.91  99.87  99.83  99.76  99.69  99.58  99.45
     30   99.93  99.90  99.86  99.81  99.74  99.65  99.53  99.37  99.18
     40   99.91  99.87  99.82  99.75  99.65  99.53  99.37  99.17  98.91
     50   99.89  99.84  99.77  99.68  99.57  99.41  99.21  98.96  98.63
     60   99.86  99.81  99.73  99.62  99.48  99.29  99.06  98.75  98.36
     70   99.84  99.77  99.68  99.56  99.39  99.18  98.90  98.54  98.08
     80   99.82  99.74  99.64  99.49  99.31  99.06  98.74  98.33  97.81
     90   99.80  99.71  99.59  99.43  99.22  98.94  98.58  98.12  97.54
    100   99.77  99.68  99.54  99.37  99.13  98.82  98.43  97.91  97.26


※各温度の湿度0%時を100%とした。



%表示の方が分かりやすいですね。

・温度が0℃の際は湿度が0→100%になっても変化量は0.23%です。

・温度が40℃の際は湿度が0→100%になると変化量は2.74%です。


湿度の影響度の違いがこんなにあります。温度・湿度は低いに限りますね。



さて、これまでの結果を元に考えると、パワーを出す好条件は、

気温が低い日
高気圧の日
標高が低い所
湿度が低い日

となりますね。  
         

普通こんな事考えながら走ったりしませんが、車ってこんなに外乱によって影響を受けるものなのですね~(- -
Posted at 2010/12/14 20:57:22 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | クルマ
2010年12月14日 イイね!

「1℃で1馬力」から派生して考えてみる・・・?

え~「1℃で1馬力」の事 を計算していると、気になる別の事が出てきます。

繰り返し言いますが、温度で空気密度が変わり、馬力が変わるのですよ

空気密度で、馬力が変わる。

※大事なので2回言いました(笑



なにが言いたいかというと、空気密度が変わる要因は温度だけではないです。

まず、気体に関する有名な法則に以下があります。


①シャルルの法則 → 圧力が一定のとき、理想気体の体積は絶対温度に比例する

②ボイルの法則 → 温度が一定のとき、理想気体の体積は圧力に反比例する

③ボイル・シャルルの法則 → 気体の圧力は体積に反比例し絶対温度に比例する



つまり「1℃で1馬力」①シャルルの法則を前提としたものですね。

前回のブログでした計算には圧力の計算は一切ありません

ここまで言えばお分かりでしょう?


圧力による空気密度の変化が及ぼす馬力への影響
を調べたいと思います。



しかし、何kpaで何馬力変わるという出し方をしても、日常で使いづらいですので、日常で起こる圧力変化である、高度(標高)による気圧変化を使ってみます。


標高0mで標準大気圧(1013.25hpa)、標準空気密度(1.293kg/m3)とします。

                        ④空気密度
①高度   ②気圧  ③空気密度     変化量  ⑤馬力
   m     hpa     kg/m3       %     PS
    0   1013.25      1.293    100.00     280.00
  100   1001.80      1.278     98.87     276.84
  200    990.35      1.264     97.74     273.67
  300    978.90      1.249     96.61     270.51
  400    967.45      1.235     95.48     267.34
  500    956.01      1.220     94.35     264.18
  600    944.56      1.205     93.22     261.02
  700    933.11      1.191     92.09     257.85
  800    921.66      1.176     90.96     254.69
  900    910.21      1.162     89.83     251.53
 1000    898.76      1.147     88.70     248.36


※解説↓
①高度
②気圧(0mで標準気圧)
③空気密度(0mで標準密度)
④密度の変化量
⑤馬力の変化量


こうなりました。


標高0m地点で280PSでる車は標高1000mの山へ登ると248.36PSになります。
※ただし、温度変化が無いものとする

実際は標高が上がれば一般的に温度は下がるものなので、この表の通りには行きませんね。


前回のブログで出した温度による馬力の変化量と組み合わせて見ると実際値に近い値が出せると思います。

あと、前回の計算と同様ですが、ベースの馬力が変われば変化する馬力の量も変わります。

④空気密度変化量をベースとなる馬力とかけてく下さい。


例)150PSの場合 0mから1000mへ行くと
  150×0.8870=133.05PS


ちなみに、高気圧・低気圧でも空気密度が変わるので馬力が変わります。

高気圧の日のほうがパワーが出ます。

でも、高気圧の日は大概晴れで気温が上がるのであまり意味はないか・・・(;;- -)  


こうして見ると標高の変化も結構馬力に影響を与えるものなのですね。


山に走りに行って、「外気温が下がったぜ、やった~」なんていっても、同時に気圧も下がっているので対して意味無かったりしますね(^ ^) 
Posted at 2010/12/14 19:40:42 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | クルマ
2010年12月14日 イイね!

吸気温度1℃で1馬力って・・・?

吸気温度1℃で1馬力って・・・?「吸気温度が1℃下がると1馬力上がる」

と言う説があります・・・。

コレって本当なのでしょうか?

気になりつつも良く分からないので放置してました(笑

私は半ば迷信かな?と思っていました(爆

1℃で1馬力なんて、都合の良い数字になるとは思えなかったからです。

ちょっと考えただけでも複雑な計算になるのですから、切りの良い数字にはならないでしょう。普通。整数だけの計算じゃないですし。

すっかり冬モードへ移行して、車弄りが落ちついたので、この説にケリをつけようと思います!!


EXCELを利用して表だのグラフだの作ってひたすら計算しました。

画像はその様子です(笑


数字だらけの長文になるので読む際はお覚悟を(笑


できるだけ、計算式は載せずに過程と結果を書いていきます。


ではまず、なぜ吸気温度が変わると馬力が変わるのかですね。

大雑把な理屈で言いますと、吸気温度が変わることで、空気密度が変化し、単位面積あたりに含まれるO2の量が変わる為です。

例)吸気温度がUP→空気が膨張→単位面積あたりのO2量が減る→パワーDOWN

要は、O2の量が変わると燃やせるガソリンの量が変わるのでパワーに響くという事です。


これが、一般的に言われている「1℃で1馬力」の理由です。

しかしこれでは、全く数字は出てきてません

これからこれを計算するわけです。



で、まずは温度毎の空気密度絡みを計算します。

①温度  ②空気密度  ③O2密度  ④変化量    ⑤馬力   ⑥馬力増減率
  ℃     kg/m3      kg/m3        %      PS        PS
  0     1.293      0.299     100.00    299.11       6.83
  5     1.270      0.293      98.20    294.08       5.03 
 10     1.247      0.288      96.47    289.22       3.29 
 15     1.226      0.283      94.79    284.53       1.62
 20     1.205      0.278      93.17    280.00       0.00
 25     1.185      0.274      91.61    275.62      -1.56
 30     1.165      0.269      90.10    271.39      -3.08
 35     1.146      0.265      88.64    267.29      -4.54
 40     1.128      0.260      87.22    263.33      -5.95


※表の解説です↓
①温度
②0℃の空気を標準空気密度1.293とし、各温度毎の密度の変化を計算。
③それに対する、O2密度も計算。
④密度の変化量を計算。
⑤変化量に対し馬力を計算(常温を20℃とし、20℃をインプの280PSとした)
⑥馬力の増減量


と、こうなります。つまりはどれくらい密度が変わったかを算出し、その割合を馬力に当てて計算したのです。

例)空気が5.0%膨張した為、馬力が5.0%減少する(280→266PS)



もう少し表を載せます。

       ②空気密度   
①温度    (膨張率)   ③O2濃度   ④吸入空気量   ⑤吸入O2量   ⑥O2分子量
   ℃        %        %          %         %         個
   0      100.00       20.9         100       100.00       20.90
   5      101.80       20.9         100        98.20       20.52
  10      103.53       20.9         100        96.47       20.16
  15      105.21       20.9         100        94.79       19.81
  20      106.83       20.9         100        93.17       19.47
  25      108.39       20.9         100        91.61       19.15
  30      109.90       20.9         100        90.10       18.83
  35      111.36       20.9         100        88.64       18.53
  40      112.78       20.9         100        87.22       18.23

※解説↓
①温度
②空気の膨張量(0℃で標準とする)
③O2濃度(空気が膨張しても濃度は一定20.9%)
④エンジンの吸気量(100%で一定とする)
⑤エンジンの吸気量と空気膨張率から計算したO2の量
⑥O2の分子量(仮定として空気100に対しO2 20.9個とした) 

イメージ出来てきたでしょうか?

空気が膨張しても、エンジンの吸気量は変わらないので、吸い込まれるO2の量が減少しています。
   



さらに・・・

O2が減った分、馬力が同じ%で減少するのはなぜか?

※O2 5%減=馬力5%減 となるのか?


今度は空燃比が出てきます。

理論空燃比14.7で、280PSが出ると仮定します。
※空燃比14.7とは→1gのガソリンを全て燃焼させる量のO2を含んだ空気の重さが14.7g


       ②空気100gの   ③空気14.7gの   
①温度       O2重さ        O2重さ    ④ガソリン量
   ℃          g            g          g
    0       23.09          3.39        1.0000
    5       22.68          3.33        0.9820
   10       22.28          3.27        0.9647
   15       21.89          3.22        0.9479
   20       21.52          3.16        0.9317
   25       21.16          3.11        0.9161
   30       20.81          3.06        0.9010
   35       20.47          3.01        0.8864
   40       20.14          2.96        0.8722

※解説↓
①温度
②空気100gに含まれるO2の重さ
③空気14.7gに含まれるO2の重さ
④空燃比14.7になるガソリン量
   

と、なります。

O2が減ったら、ガソリンも減らないと空燃比14.7に成りませんから、ECUがガソリンを減らしに制御します。
※目標空燃比は14.7とは限りませんが、目標が幾らでも結果は同じです

こうすると、④ガソリン量が、最初の表の④変化量と同じ%になりますね。

これで、O2 5%減=馬力5%減確証できます。



さて、あとは肝心の「1℃で1馬力」の件ですが・・・。

最初の表に戻ります。

⑥馬力増減 を見てください。

コレが5℃毎の馬力の増減量です。

う~ん、まちまちですね?

ちょっと見づらいので、書き方を変えます↓

①温度  ②5℃毎変化量  ③1℃毎変化量
   ℃         PS         PS
   0         5.04        1.007
   5         4.86        0.972
  10         4.69        0.938
  15         4.53        0.906
  20         4.38        0.875
  25         4.23        0.847
  30         4.10        0.819
  35         3.96        0.793

※解説↓
①温度
②5℃毎の馬力変化量
③1℃毎の馬力変化量


どうでしょうか?

温度によって、馬力の変化量が違いますね。

これは空気の膨張率が温度に対して一定ではない為の生じるようです。

同じ1℃でも、30→29℃ と 1→0℃の変化は馬力に及ぼす影響が違います。


これで、「1℃で1馬力」説崩れましたね

結局の所、計算しないと何馬力変わるか分からないと言う事ですね。

※ちなみに、今回は280馬力をベースに計算しましたが、ベースにする馬力が違うと変化量も全然違くなります。


例)150馬力の場合↓

①温度  ②5℃毎変化量  ③1℃毎変化量
   ℃         PS         PS
   0         2.70        0.540
   5         2.60        0.521
  10         2.51        0.502
  15         2.43        0.485
  20         2.34        0.469
  25         2.27        0.454
  30         2.19        0.439
  35         2.12        0.425


150馬力だとこうなります。全然ちがいますね。

なぜかと言うと、大事なのは「ベースの馬力に対して何%上がるか」だからです。

一番最初の表の ⑥馬力増減率 が大事なのです

この表を見ると例えば、20℃に対して0℃は6.83%馬力が上がる読み取れます。

280PSの6.83%150PSの6.83%は当然違いますよね?

馬力の大きい車ほど温度の影響が大きいと言えます。



長くなりましたが、「1℃で1馬力」説の謎を解く事が出来ました。

「1℃で1馬力」は嘘でした(笑


しっかし、この説を言い出したのは一体誰なのでしょうかね?
Posted at 2010/12/14 01:00:16 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | クルマ

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ヤマハ YZF-R6 R6(紅) (ヤマハ YZF-R6)
※過去所有車です ※2018/03/21 2017年式YZF-R6(BN6)との入れ替え ...
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