
ファーストインプレッションを思うまま、記述してみました。
長文、失礼します。興味のない方はスルーしてください。
また、内容は私の個人的なE93への想いが強く出ていますので、一般的ではない部分が多いと思います。話半分と思ってください。
E93、惚れちゃっていま~す♪
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<エクステリアデザイン>
一般的にクーペやソフトトップカブリオレに比べるとメタルトップカブリオレのデザインは難しいと思う。
オープン時とクローズ時のどちらにフォーカスをあてるかでデザインコンセプトが変ってくる。
それ故に、どっちつかずのデザインで魅力が半減しているモデルもあるも事実。
E93のエクステリアは明らかにオープン時のスタイル優先でデザインされたのだと思う。
そう感じる一つは横に延びるストレートなキャラクターラインに調和したリアセクションの水平な造型。
もう一つはボンネットに広がり感を表現しサイドに抑揚を持たせたフロントセクションのシンプルなデザイン。
LCIでセダンのようにボンネットにラインを入れなかったのはさすがだと思う。
そのシンプルさが一般的なカブリオレデザインで感じるオープン時のフロントセクションの寸詰まり感の低減につながっていると思う。
キドニールグリルと4灯ランプの優しくも勇ましい顔とあいまってBMW一員のカブリオレであることを主張している。
一方、クローズ時のスタイリングはCピラーの処理がレトロ風。
メタルルーフが納まる割には厚みを目だ立たせないトランクの造型が一層そう感じさせる。
後ろから眺めるとリアエプロンから繋がるトランク、その上のあえてかぶさっていることを消し去らないデザインが潔い。
スポーティさとレトロチックさの同居がなんとも微笑ましく感じる。
これらE93のデザイン、私は大好きだ。
<メタルトップルーフ>
これまでオープンカーはソフトトップ2台、メタルトップ2台を所有した。
ソフトトップは軽量・低重心、見た目の優雅さなど捨てがたい部分もあるが、私はどちらかを選べるなら迷わずメタルトップ派。
ソフトトップは鳥の糞攻撃や保管時の雨風などから保護し、きれいに維持するのは並大抵ではない。
手入れの怠りが布目のしみや堆積する埃による白っぽさなど、いくらボディーをきれいに磨いてもみすぼらしく見えるのがたまらなかった。
その点、メタルトップは収納スペースの犠牲などはあるものの、手入れという意味では通常と同じクルマのように扱えるのが何よりもうれしい。
<インテリア>
インテリアはスポーティーさとシンプルさがうまく調和されているように感じる。
スポーティーさを感じるのはドライバーシートから見た風景。
前を向くとBMWの常でタコとスピードメーターが二眼で並び、オレンジで調和されたライティング。
腰を落ち着けてみると、腰高だけれどぴったり調整できるスポーツシートのタイト感、それらが走りを演出する。
シンプルさを感じるのはiDriveの恩恵。
パネルからゴチャゴチャしたスイッチ類を一掃し、ブラインドタッチ可能な安全性をも手に入れた。
このクルマのインテリアの見せ場は夜間のオープン時だと思う。
夜、オープンで帰宅しそのまま機械式駐車場の操作の為に一旦外に出て、クルマを眺めた時のこと。
パネルのオレンジ照明と室内の灯りが調和し言葉に出来ないほどエレガンスでため息が出た。
4座のカブリオレだからこそ作れる風景がそこにあった。
<エンジン>
BMW直6の特徴であるモーターを思わせる回転フィールが脳裏に焼きついている。
BMWはエンジンを語らずして終われない。
今回のLCIでエンジンがN54B30AからN55B30Aにスイッチされた。
まだ慣らし期間なので、高回転は使っていないが、N55はN54と少々フィーリングが違うように感じる。
N54は専門家も絶賛するほどレスポンスに優れ、また排気音も情熱的に奏でるチューニング。
一方、N55はというと、バルブトロニック?シングルターボ?の影響からか、N54に比較して若干レスポンスが劣るような気がする。
排気音も負荷をかけた時の唸るようななんとも言えない官能的な「クォ~ン」もおとなしく感じられる。
慣らし中だからそう感じるのか、はたまた踏み始めからトルクが出る特性が強くなったからか。
では、N55では失ったものばかりか・・・と言うとそうではないと思う。
慣らし期間中の運転での計測だが、高速・一般道半々のシチュエーションでゆうゆうとリッター10Km超えの「効率」を手に入れた。
「情熱」を取るか、「効率」を取るか、時代の流れは「効率」なのだろう。
慣らし終了後、目一杯回した時の自分自身の印象がどのように変るか、今から楽しみだ。
<トランスミッション>
E93のトランスミッションはご存知DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)。
滑らかさと優雅さを求めるならATにかなわないが、スポーティさの演出ではDCTが上。
アクセル操作のエンジン回転と速度がシンクロしているのが何とも気持ちがいい。
それを思うと発進時のデリケートさやギクシャク感も全体から見たら微々たるもの。
エンジンが低回転から豊かなトルクを出し、またトルクピークが平坦なエンジン特性なのでDCTとの相性は抜群。
アクセルを軽く踏むと、1500~2000RPMくらいで軽快にシフトアップしてゆく。
その時の気持ち良さは当たり前で、アクセルをオフにすると順々にシフトダウンされるのもいい気分。
この時のかすかなシフトショックとエンジンの唸りが何とも気持ちよく感じる。
回生システムでエネルギーを回収しながらエンジンブレーキがかかり、速度によっては最後までフットブレーキのお世話にならないケースも多い。
早く慣らしを終わらせ、自在にギアを選んだドライブがして見たい。
<ハンドリングと乗り心地>
ステア特性の特徴はアクティブステアリングに尽きる。
ちょっとした交差点では握った手の持ち直しが不要な切れ角180度以内でスムーズに操作できる。
慣れるまでに少々時間を要するが、Mspの小径ハンドルとの相性もよく、スポーティーに操作出来る。
これに慣れてしまうと別の車がかったるく感じることが唯一のデメリット。
BMWの常でハンドルインフォメーションは多め。路面の状態がハンドルを通じて常に感じることが出来る。
しかしフィーリングは他のBMWとは少し違うような気がし、それを生む原因は重量配分だと思っている。
BMWの前後重量配分は50:50であることがアイデンティティーだが、E93は100Kg弱のリアヘビー。
このため、比較的重量級でありながら、回頭性が良いように感じる。
特に下りのワインディングではハンドルの切れ角にすばやく回頭し、アクティブステアリングとあいまってすっごく気持ちいい。
ただし、重量級かつリアヘビーなのでリアが滑り出し出したら相当な腕がないとリカバーできないと思う。
オーバースピードだけは気をつけたい。
タイヤやサスペンションはしっかり仕事をしている。
道路の継ぎ目の処理でもタイヤがきちんとショックを吸収し、吸収仕切れない上下運動はダンパーがしなやかにいなす。
初代Z4などの第一世代ランフラットタイヤのショックを伝えるゴチゴチした乗り心地とは雲泥の差だ。
Mspのスポーツサスペンションの乗り心地は同乗者が女性であっても不満が出ない・・・と思う。
事実、嫁さんは「記憶している中では一番柔らかい乗り心地」とのこと。
まぁ、初代Z4など、それなりの硬さに慣れ親しんだ言葉なのであまり一般的意見ではありませんが。
<その他>
今回、購入にあたりメルセデスEクラスカブリオレも気になった。
ソフトトップとメタルトップの違いもあるが、なんといってもエンジンが・・・。。。
Eクラスカブリオレは5年前購入の代替車SLK350とまったく同じエンジン。
本国ではSLKでもEクラスでもとっくに直噴の新型CGIエンジンにスイッチされ、その先の次世代形エンジンへの置き換えも進んでいる。
乗り替えても同じエンジン、それも5年前とまったく同じクラッシクエンジンではまったくつまらない。
BMWは良くも悪くも最新エンジンを惜しげもなく投入するのが企業姿勢。
デザインも大好きだし、自己主張するエンジンなどE93を選択して本当によかったと思っている。
このクルマと過ごす時間を大切にしながら、風と戯れ駆け抜けるよころびを感じていたい。