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2013年09月12日 イイね!

M156のラインオフとEUの燃費規制

M156のラインオフとEUの燃費規制名機と誉れ高いM156エンジン。AMGで設計から一貫製造された唯一のエンジンです。

現在、C63のみの搭載ですが、来年Cクラスが新型になりラインオフされると考えられています。
消えゆく理由は年々重くなるEUの燃費規制が原因です。

ではその燃費規制を振り返ってみましょう。

EUの燃費規制は二酸化炭素の排出量を基準にしていています。
(ガソリン消費量と違って分かりづらいですね・・・。)

2012年までに走行1㎞あたりの二酸化炭素排出量を130グラム(ガソリン換算約17.8kmL)以内に抑えるなければなりません。
但し、2015年までは「フェーズイン」と呼ばれる緩和措置があります。
EU圏内で販売する新車の内、2012年は65%、2013年は75%、2014年は80%。
そして最終年度の2015年には100%規制にクリアしなければなりません。

達成できなかった場合はペナルティー(罰金)が待っています。
2012~18年まではCO2排出量が規制より1グラム超過すると1台あたり5ユーロ、2グラムで15ユーロ、3グラムで25ユーロ。
それ以上では一台あたり一律95ユーロ(約13,000円弱)です。
2019年以降は、一台あたり1グラム超過する毎に、なんと95ユーロ(1グラム毎にですよ)!
大幅な増額です。

C63のM156エンジンの燃費は比較的EUモードに近いJC08モードで7.1km/Lです。
この値を使ってざくっと計算してみます。

一キロあたりに換算すると・・・140.84ccのガソリンを使います。
ガソリン1ccあたりのCO2排出量は約2.3グラムなので、一キロあたり二酸化炭素は約323グラム。
規制値が130グラムなので、323-130=193グラムのオーバー。
現時点では一台あたり95ユーロ(約13,000円弱)のペナルティーを支払っています。

しかし、2019年以降は大幅に値上がるペナルティーが待ち受けています。
計算してみると・・・
193(グラム)×95(ユーロ/グラム)=18,335(ユーロ)≒238万円!
この金額が販売価格に上乗せされていると知ったら・・・買う人は限られてしまいますよね。。。

クルマの駆動系、とりわけエンジンは一朝一夕に開発できません。
市場に出し、そこからフィードバックを受け、性能や信頼性が上がる側面もあります。
その為、各社は2019年を目指し、できるだけ早い段階で新しい駆動系やエンジンなどを世の中に送り出したいと頑張っています。
1グラムでも二酸化炭素の排出量を減らすのはもちろん、10年20年先のブランド確立のためにも他社に先駆け、技術力をアピールする必要に迫られています。

このあたりが名機M156エンジンが消えゆく理由ですが、以下は雑談です。
興味のない方はスルーしてください。

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2019年以降の次のEU規制強化案が決まりかかっていました。
内容は・・・2020年からに走行1キロあたりの二酸化炭素排出量を130グラムから95グラム(ガソリン換算値として24.3㎞/L)にする案です。
EU委員会も含め欧州自工会ACEAや各自動車メーカーとの交渉も終了し、国際競争力と付けるという観点から渋々合意されたました。
しかし、最終的な合意を確認する本会議での議決が期日になっても開かれず、延期されています。
どうやら・・・ドイツ政府が合意を覆しているという噂です。

フランス、イタリアは比較的小型車有利なメーカーが多いお国柄ですがドイツはアウトバーンと高性能車。このアウトバーンの存在がこれまでの高性能車の性能を牽引してきました。
この速度無制限(アウトバーン走行)を想定した車両開発は、省燃費車両と相反する要素が多々あります。最高速度はトルクより馬力、車重はある程度重い方がトラクション優位、これらは燃費悪化要因です。
アウトバーンの存続と規制値のクリアは国益にかなっているのか?
ドイツ政府は・・・各国の反感を買ってでも(見返りを与えてでも)アウトバーンは規制せず継続、新たな燃費規制は時間稼ぎを選択した模様です。

2020年規制の95グラム(ガソリン換算値として24.3㎞/L)という数字は、現時点のクルマ(軽除外)に当てはめると規制値をクリアしているのはプリウスファミリーくらいです。新型ゴルフ(21㎞/L)ですら、この規制値に到達していません。
ましてやV6やV8エンジンなど多気筒車は、たとえ自然吸気を捨て過給機化しても現行技術の延長線の対応では極めて厳しいと思います。何がしらの技術的なブレークスルーが必要な状況です。

現在、ドイツ政府が規制に反対していますが、成立は時間の問題。
各メーカーは多気筒車存続の為、
・さらなる高性能な電動化、ハイブリッド化を目指すのか?
・まだ見ぬ新たな技術的ブレークスルーを狙うのか?
・はたまた多気筒車は高性能化しペナルティーのたっぷり載った超高級車と割り切り、数を狙わない車種に位置づけるのか?

メーカー首脳陣の経営判断の苦悩と共に駆動系技術者の格闘する姿が目に浮かびます。

BMWはトヨタと提携し、ダイムラーはルノー・日産と手を結びました。
AMGは保険のために4気筒エンジンを新たに開発しましたが、多気筒エンジンの行方が気になります。


Posted at 2013/09/12 15:28:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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