
発売から気になっていた
レクサスRC Fを試乗してきました。思っていたより上出来で、浮気虫?!が(笑)。
その前に先週のオフ会ツーリングで汚れたクルマを洗車します。
走っていた高速道路が白っぽい。きっと融雪剤がまかれていたんですね。すぐ洗車したかったのですが、1週間経ってしまいました。。。
冬のこの時期は横着してブラシレスの高圧水洗車機です。
洗車機に入れる前にブラシで気になる箇所をナデナデ。
融雪剤が気になるので、タイヤ周りや下回りを重点に。
ブラシは柔らかい素材なのでボディーを軽く撫でてる分には大丈夫です。
水垢の原因になるので、寒いけどしっかり水分をふき取ります。
気分もさっぱりしたところで、さて試乗。
今回、試乗させて頂いたのは昨年10月23日に発売された
RC F。
スペックをおさらいすると以下のよう。
(カッコ内は私が乗っているC63AMGcoupePP)
【全長×全幅×全高】
4705×1850×1390mm
(4710×1795×1390mm)
ホイールベース:2730mm(2765mm)
【エンジン】
V8NA DOHC 4969cc
(V8NA DOHC 6208cc)
477ps/7100rpm 530N・m/4800-5600/rpm
(487ps/6800rpm 600N・m/5000rpm)
こうして比較すると、数字上のスペックは車幅が広い以外はあまり変わらない感じです。
しかし実際、走行してみると…。
試乗準備された車両はオレンジの車体色。
イメージカラーとはいえ、外見の派手さと相まってちょっと気恥ずかしい(笑)。
エンジン始動後、少し待ってほしいとのこと。
暖まらないとレミリミットが上がらないとか。
C63もマニュアルに油温が80度を超えるまではあまり回さないように指示があります。
RC Fは物理的に回らなくしているんですね。
乗り込む前にスタイリングチェック。
リアはレンズの出っ張りが好みではありませんが、全体の造形はLFA譲りで好感が持てますね。
今回のハイライトは何と言ってもフロントセクション。
万人受けするような無難なデザインではなく、挑発的でインパクト大。
嗜好が分かれるところでしょうが、好きな方は熱狂的に好きになれるデザインです!
残念ながら私は…ダメな部類でした。。。
エンジンも暖まってきたようです。
実際に乗り込んでみます。
センターキャビネットの位置が高く幅もある。
なので座って見渡すスペースはC63よりも圧倒的に狭く感じます。
リアには嫁さんが着座。
C63クーペのリアはリラックス出来て眠くなるほど。
一方、RC Fは狭くて長時間乗車は勘弁してほしいとのこと。
ドライバーズシートはC63に比べるとちょいきつめでフィット感重視。
背もたれの腰椎部分にランバーサポートがあるようで長時間ドライブでも疲れ難そうなシートです。
調整機能も豊富で、自分のベストポジションが容易に決まります。
見渡す計器盤は見やすくなかなかスポーティー。
センタークラスター以外は質感もまずまずです。
さてDレンジにしてスタートです。
スポーツエンジンですが、エンジンサウンドも控えめで一切の気難しさもなくスムーズに発進。
行くぞ!と肩肘を張っていた部分もあったので、ちょっとばかり
拍子抜け(笑)。
大人しくアクセルを踏んでいる限りは静かですね。
少しだけ多めにアクセルを踏み増しすると心地よいV8のビート音が聞こえます。
前半のセクションは市街地なので、流れに沿ってドライブします。
腰に感じる路面感覚は、いわゆるトヨタライドとは別物ですね。
今まで乗ったトヨタ車では感じたことのない感覚です。
ちょっとイイかも、と思わず唸ってしまいました。
ハンドリングは小径と相まって軽快感。
反力がやや強めで、直進安定性が強い印象を持ちました。
後半セクションは河の側道。
道幅広めで見渡しが良く、クルマも少な目。
ドライブモードを色々変えながら他車に迷惑をかけない範囲で強めにアクセルを踏み込みます。
3500回転を超えるあたりから今までの大人しいエンジンは豹変。
V8特有の勇ましいビート音と共に鋭い加速。
そして楽しみは一瞬で終わりました(笑)。
今度は高速道路で楽しみたいですね。
さて総評。
いやぁ~、いいクルマでした。
日本車でこのようなクルマが世界にお披露目できるなんてほんと誉れです。
褒め言葉はいくらでも出てきそう。
そのあたりは評論家の記事で読んでもらうとして、あえて感じた
今一つな点を。
IS-FからパワーアップしたNA5リッターV8は、トルクピークを高回転域寄りにチューンしたとか。
そのせいなのか、低回転時はレスポンスと共にトルクも薄めの印象。
いつもではないのですが、低速低回転から強めにアクセルを踏み込むと一呼吸おいて反応。
低回転時の薄いトルクとその時のギア比の関係でしょう、少しだけギクシャク。
一瞬、気持ちが萎えます。。。
自分の運転で頻繁に行うパターンなので、心象が悪い。
しかし、エンジンをあえて高回転で維持して走らせるとレスポンスやサウンドに印象は一変。
このエンジン、高回転型でしかもジキルとハイドの開きが大きいエンジンなのかも知れません。
環境性能や燃費の課題もあり低回転側のチューンはこれが落としどころなのかも。
なので、このクルマを低回転を多用する街中で楽しんで走るのは無理だと感じました。
郊外もしくは高速、いやいやサーキットが本来の場所なんでしょう。
(クルマの個体差、および経験が少ない個人的な意見です。)
自分のクルマに戻って自宅まで走行。
前車との間隔が空き、少しだけアクセルに乗せた足に力を入れます。
そのちょっとしたアクセルの動きにエンジンが唸り、すぐさまクルマが反応。
アクセルの踏込量に従って低速からでも野太いV8サウンドが響きだします。
NAはこうでなければと思わず
にやり。
高回転型のエンジンは自分には不向きかも。
このエンジンフィーリングに慣れてしまった今、買い替えモデルの選択は難しそうです。
<追記(1/15 17:15)>
低回転の状況時に負荷を与えた際、一呼吸レスポンスが遅れる件ですが、原因が分かった気がします。
RC Fに搭載される新エンジン2UR-GSE型は、高効率化と省燃費性を求めるために定常走行域では
アトキンソンサイクルによる燃焼方法を取っている事が判りました。
このことはあまり公表されていませんが、きっとこれが原因でしょう。
普通のエンジンはピストンが下がりきった状態まで空気を吸い込んで圧縮を開始します。
5000㏄エンジンなら、5000㏄分の混合機(ガソリン)を圧縮します。
アトキンソンサイクルのエンジンは吸気バルブをピストンが上がる途中まで開けたままにし吸い込んだ空気を逃がします。
これにより5000㏄エンジンですが、例えば4000㏄分の空気しか吸わない。
爆発した燃焼ガスは非常に高温で、膨張するので今度はピストンが下がりきるまで排気バルブを開きません。
閉リンク機構とクランク機構を併用して上・下死点の位置をストローク毎に変化させることで、膨張比が圧縮比よりも大きくなる状態を実現した省エネ技術です。
アトキンソンサイクルはクランク機構が複雑なので高回転に不向き。
なので、負荷がかかった時や高回転時はクランク機構を切り替えて通常のレシプロエンジンに戻ります。
その状態変移時にちょっとした違和感を感じたのでしょう。
もしそうであれば、低速定常時からのギクシャク感は残念ながらこのエンジンの特性でしょうね。