
段々と新型3シリーズ(F30)の
情報がリークされ始めましたね。
来年2012年1月のデトロイトショーでのデビューが濃厚。
なので、半年を割った今、順当なリークです(笑)。
外観などは色々なブログでご意見が出ていますので、それらに譲ります。
ここでは違った視点(搭載エンジン)から意見を少々?!
新型3シリーズ(F30)のガソリンモデルのバリエーションは、
・1.6リッター直4ターボの318i(150bhp)
・2リッター直4ターボの320i(180bhp)・325i(210bhp)・328i(245bhp)
・3リッター直6ターボの335i(306bhp)
とターボばかりになる模様です。
以前の情報通り、
直6NAは搭載されず、廃止の道まっしぐらです。
5シリーズも遅かれ早かれ同じ道をたどるはずです。
(すでに生産調整との話も聞きます。)
これをどう捉えるか!
私は、まさにEUの燃費規制の影響だと考えています。
この規制が重くのしかかり、たとえBMWといえども直6NAを廃止するほどの決断を余儀なくされているのだと思っています。
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(個人の見解、しかも長文ですので、興味のない方はスルーしてください。)
EUの燃費規制を振り返ってみましょう。
EUの燃費規制は二酸化炭素の排出量を基準にしていています。
(ガソリン消費量と違って分かりづらいですね・・・。)
2012年までに走行1キロあたりの
二酸化炭素排出量を130グラム(ガソリン換算約17.8キロ/L)以内に抑えるなければなりません。
但し、2015年までは「フェーズイン」と呼ばれる緩和措置があります。
EU圏内で販売する新車の内、2012年は65%、2013年は75%、2014年は80%。
そして
最終年度の2015年には100%規制にクリアしなければなりません。
ペナルティーの額は、2012~18年まではCO2排出量が規制より1グラム超過すると1台あたり5ユーロ、2グラムで15ユーロ、3グラムで25ユーロ、それ以上では一律95ユーロ。
2019年以降は、一台あたり1グラム超過する毎に、なんと95ユーロ(1グラム毎にですよ)と大幅な増額になります。
(ガソリン1リットルあたりのCO2排出量は約2.3キロなので、CO2排出1グラムはガソリン0.43グラムに相当。)
乱暴な計算をすると、現在の
320iの燃費(EU複合モード燃費にまぁ比較的近いと言われているJOC08モード)は
16キロ/Lです。
これを二酸化炭素の排出量に変換すると145.3グラムとなり、
15グラムのオーバーです。
燃費が良いと盛んに宣伝している320iですらこの数字です。
現在、円高ですが1ユーロは大体110円ですから、95ユーロで1万円ちょっとです。
ですので、
2019年以降、
15グラム×95ユーロ=1470ユーロ≒15万円
を一台あたりのペナルティーとして払わなければなりません!
まったくバカげた数字で、これではライバル車と勝負になりませんよね!
だから、この規制をクリアしようと必死なんです。
直6NAを捨ててまで必死に燃費にこだわるのです。
直6は気筒数が多いので、フリクションロス(摩擦抵抗)が一番に問題視されます。
フリクションロスは、回転が上がればあがるほと飛躍的に増大します。
近年、粘度を下げても影響が出ないエンジンオイル等、フリクション対策が精力的にされています。
しかし、それでも一般的に4気筒でエンジンで全出力の10~15%を占めるといわれています。
6気筒で乱暴な単純計算すると、なんと15~22.5%(共通機構部分を無視)になります。
馬鹿に出来ない数字ですよね!
フリクションロスを如何に減らすかが燃費改善の重要な課題。
BMWの中期的なエンジン戦略は
・気筒数の減少
・高回転まで回さなくてもトルクが出せるターボの採用
を英断し、直6NAを廃止したのだと思っています。
また、中期戦略という意味では3気筒ターボも開発中で、「あっと驚く低燃費」を、どこかのタイミングで正式リリースする思います。
3リッター直6ターボ335i(306bhp)がラインナップされるのは、BMWの意地でしょう。
このエンジンも規制にクリアするように必死で改善していると思います。
しかし、クリアできない場合(その確率大だと思いますが、)はペナルティーを払う覚悟があるのだと思います。
(2015年までを見据えて335は今以上に割高にして販売に占める比率を下げる、そんな価格戦略をとると思いますが。。。)
まぁ、そうなれば車両価格に確実に転嫁され、結局、ペナルティーを払うのはユーザーなんですけどね(苦笑)。。。。
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(嬉しいことに質問を頂きましたので追記です。)
長文が更に長文(汗)。
EUの燃費規制は少量生産のメーカーを対象に救済策が取られています。
年間1万~30万台の自動車メーカーは
「ニッチ」とされ、2007年の排出ガス(CO2)の平均値マイナス25%が基準です。
さらに年間1万台以下の「スーパーニッチ」には更に特別な措置がある模様です。
フェラーリやアストンはスーパーニッチに相当します。
その為、現段階では
ほぼペナルティーは回避される模様です。。。
少量生産のメーカーは規制対応が酷であるとの見解ですが、実は・・・
特定国の優遇?!どこかの企業から何かが?!よくある話でないことを切に望みます(苦笑)。
Posted at 2011/08/18 08:57:15 | |
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