2020年12月07日
各方面、といってももっぱらクルマ業界ですが、
最近メディア露出度が高くなってきたホンダeに乗せてもらいました。
我が家の近隣では、展示・試乗車は2か所しか置いていません。
試乗には予約を、と案内がある割には、見にいくなりお店側から
試乗提案がありましたので、そこは断る必要なしなので。
さて、純粋電気自動車は、e以外では日産リーフの出初めに
乗ったことがあるくらいなので、その時の記憶とすり合わせながらの試乗です。
かなり前の個体が対象なので、技術の進歩が感じられるでしょうか。
試乗に出てみましょう。
あくまでも街中、ちょっと渋滞気味で、高速・峠・スポーツ走行なしの
極めて一般的なお買い物モードでの運転限定の印象です。
ブレーキペダルから足を離しても勝手に動き出さない機能や、
ワンペダル設定ができるのは最新のクルマですね。
動き出しは当然静か。エンジン音一切なしなので当然です。
タイヤノイズや風切り音もよく遮断されています。
車体のサイズはちょっと太ったフィットぐらい(でも4人乗り?)ですが、
車重が1.6t近くあることから、見た目以上に安定しており、
小型車特有の乗り味がありません。悪く言えば重ったるい。
しかし、そこは電気自動車、ノーマルモードでも遅いとは感じない。
しかも、初代リーフで感じたようなジェットコースター的な動きは全くなく、
エンジン音のない普通のクルマのように走らせることができました。
他メーカですが、制御はうまくなっているのは技術の進化でしょう。
メーターの視認性は可もなく不可もなく。
取り立てて見やすくもないけど見にくいこともない。
必要以上な情報は出さないのでしょうが、もともとクルマは不必要な情報を
出すべきではなく、非常時に特別なものを表示すればよかったはず。
ナビ連動でいろいろな情報が出ても注視はできませんわな。
eにはドアミラーがなく、ドアにはカメラが付いています。
映像は車内のインパネの端っこにドアミラー代わりのモニターがあり、
そこに映されますが、これは案外見やすい。
というのも、視界や空力を考えた結果、ドアから大きく突き出している
最近のドアミラーよりも視線移動が少ないからです。
また、画像もクリアでこれはいいですね。
窓が曇ってもこれなら視界は確保されそうです。
しかし、カメラのレンズは曇らないのだろうか・・・
ルームミラーもカメラ映像によるものっぽかったですが、
これは自分の目が悪いのか、クリアな画像として認識できませんでした。
なんかぼんやりした映像がルームミラーに映っている・・・
注視すればいいのかもしれませんが、そんなことすれば事故ります。
利点はいろいろあるのかもしれませんが、まともに見れないのであれば
情報収集ツールとしては、ただの鏡に何か映ってる、
という通常のミラーでいいかな。
eのウリは駆動方式がRRということだそうです。
しかし街中では、そこから感じる面白さは一切感じられない。
ルノートゥインゴのような「前が軽く後ろから蹴りだす」感が全くない。
まあ、違和感なく乗れてしまう点は良しとしましょう。
途中でセールスの方がスポーツモードにしてくれたのですが、
(クルマ好き、走り好きと認識していたようで、スポーツモードにして
気に入ってもらいたそうでしたが)
正直、これまた街中ではノーマルのままでいいかも、です。
もともとモーターは動いた瞬間100%出力なので、
ガソリンエンジン車にある初動時の苦しさがない。
となれば、峠や高速道路での更なる加速時には有効かもしれないこの機能、
街中では乱暴運転のために選択するようなもの。
無くてよい、とはいいませんが、ノーマルでも十分な動力性能はある、
ということにしておきましょう。
ワンペダル走行も試しましたが、アクセルオフ時のブレーキは相当強い。
結構乗りにくいですね。
ノートEパワーのワンペダルドライブはしばらくすると慣れましたが、
eのこれには慣れませんでした。
強いエンジンブレーキがかかるのでドライバビリティが悪く、
心情的にアクセルを離したくなくなるからです。
しかし、アクセルかブレーキかの区別がつかず、
まともに運転することができない高齢者にはいいかもです。
ただし、その場合、これはホンダeに限ったことではないですが、
このクルマはワンペダルドライブ「でしか」動かせない、と
思い込ませておく必要があると思います。
暴走者はクルマを止めたいがためにブレーキペダルと思いこんだ
アクセルペダルを踏み続けているかもしれませんので。
モニターが並んだ特徴的なインパネも、走行中はほとんど気にならない。
というか、あくまでも走行中ですが存在意義を感じられない。
テレビは音声だけだし、その横のものはブラックアウトしてたので、
このような状態ではモニターの有る無しは関係ないですね。
さて、短時間の試乗を終えての感想です。
正直なところ、今買うクルマでもないのかな、というのがホンネです。
Webカタログによると走行可能距離は290km弱、
車両本体価格が450~500万程度。
リーフはモデルが代わって進化した結果、走行可能距離が約450km、
購入価格は335万~430万程度であれば、同じ買うならリーフですね。
どちらのクルマも500万の声を聞くことになるわけですが、
クルマ1台に500万を、たとえローンであっても支払って購入に踏み切る、
そんなことができるのは基本的に輸入車ユーザーでしょうね。
一般的には、躊躇する金額であるかと。
ましてや走行可能距離が、実質200kmには届かないとも言われてしまうと、
それだとちょっと離れた実家とかの帰省にも使えない。
完全街中使用で、唯一無二の自家用車としても使いにくい。
セールスさんも、セカンドカーとして、あるいは趣味の対象としてしか
勧めない、なんて言ってはりました。
また、自分の店の顧客がほとんど見ようともしない、とも。
見に来る客はほとんどが他店の顧客か、我々のような一見だそうです。
補助金が80万円に増やされる予定なので、それをあてこんでおき、
法案が通ったら受注が集中するので先に今オーダーだけしてください、
実際の生産に入るころに必要なければキャンセルしても構わないので、
なんて勧め方をされてしまいました。
普通に考えれば客層も違うような高価格なクルマを販売する力は
ホンダにはなさそうですが、おそらくそれは、他の国産ディーラーも
みんなそうなのかもしれません。
ホンダでもS2000やタイプRといったユーザーを限定できるものなら
また話は違うのでしょうが。
2035年になって、新車がみんなホンダeのようなのになれば、
もっと単価が安くなるかもですが、それとてあくまで新車販売ですから、
ガソリン車が無くなる前に新車購入し、おそらく初回車検以降とかに
政府が売らせるために多分やるであろう自動車税高騰政策の頃に、
買い替えるか免許返納するか考えるがいいのかもしれません。
今回の結論
ホンダe、今買うクルマじゃないですね。
ただし、めちゃくちゃ目立つかも、なので、欲しけりゃどうぞ。
お店も喜びます。
ただし、ものすごい満足感を得られるかどうか、には触れないでおきましょう。
Posted at 2020/12/07 11:29:01 | |
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2020年12月07日
もうすぐ新型が出るとの話で、既に本国では現行モデルの標準車の生産はいったんストップしているとか。お得意の限定カラーの限定車を100台ロットで個別生産する契約は日仏でできているものの、それであと1年は乗り切れない、というのが販売サイドの悩みだそうです。今のこの犬コロ系外観が好きで、ある程度の安全が確保されていればOKな方は、早く手に入れましょう。
Posted at 2020/12/07 08:50:22 | | クルマレビュー