BMW 118i (F20)の気持ち良さ

昨年2019年1月に奥さん用に、BMW最後のコンパクトFRとなる118i (F20)をモデル末期で購入しました。

普段は奥さんの仕事やテニスコートへの足として活躍しております。ただ今、納車され１年半で約9,000kmと奥さんにしてはまずまずのペースに距離を重ねています。私もたまに借りて乗ることが有ります。


たまに借りて乗ると何故かとっても運転が気持ち良いんですね。コレが！
買う時は「今どき３気筒⁉︎ の1.5Lのショボいエンジンだなぁ」と思っていましたが…


今月の『GENROQ』2020年9月号がポルシェ特集だったので書店で購入し、読んでいたらたまたま私の尊敬する自動車評論家の福野礼一郎氏の記事がありました。記事自体は「マツダロードスター」のスタイリングについての記事なんですが、その前座？でBMW 118i (F20)について触れられていました。（もしかして以前で似た内容を別の雑誌で書かれていたのかもしれませんが）

それを読むと「目から鱗」でした。
私が何と無く、気持ち良いと思ったその感覚を上手に説明されていました！



＞福野礼一郎の熱宇宙22
＞例題：マツダ・ロードスターに見るスタイリングの優と欠


脱線余談
6月26日(金)午後７時過ぎ。「サラリーマンの街」新橋駅。都知事選の選挙カーが陣取って政見を語り（実際には自分の話ばっかだったが）いつもの人混みと喧騒がほとんど戻ってきていた。

篠原カメラマン　どうもです！

福野　あれクルマ変えた？これ最終の118iでしょ。

篠原　いえ自分320dなんですが車検に出した直後にトラブって、これ代車なんです。

福野　いいでしょう118i。

永田編集長　F20最終の118iってMINIやアクティブツアラーと同じ３気筒1.5Lターボ(=B38B15A型)ですよね。

福野　そこが最高のポイントね。F20＝1シリーズはF30＝3シリーズ／F32＝4シリーズとプラットフォーム共用のFRでしょ、ボディがやや重いけどサスが高級でボディ剛性が高くAT(ZF8HP)と駆動系が極上、そこにエンジンだけ短くて軽い３気筒ターボ136psを無理やり縦置きして造ったから、ようするにすべてオーバークオリティで値段の割にクルマ全体の品質感がとても高い。ロングホイルベースに３気筒だからエンジン搭載位置は完璧なフロントミドシップ、重心低くヨー慣性小さく、結果的にフットワーク軽快で安定性も高いという素晴らしい運動性になった。車重が1430kgもあるから早くないが、神AT＝8HPがフォローして実に切れ味よく俊敏、しかもハナが軽くてタイヤが205/55-16だから乗り心地は１/３/４シリーズの中で一番いい。NVがこれまた悪くない。

篠原　はい。３気筒とは思えないくらいです。

福野　この３気筒はFFに積んでいるとうるさくて品質低いんだが縦置きすると別もん。

永田　それはなぜですか。

福野　エンジンの騒音の大半はブロックの側面から出るから縦置きすると室内に音が入ってきづらい。縦置きならエンジンの回転モーメントの変動で生じる揺動をエンジンマウント設計の自由度が高く、アイドル振動などNVチューニングの最適化が上がる。縦置きならエンジン左右のスペースが広いから吸排気レイアウトに余裕が出て同じ最高出力でもパワーバンドを広くできる。それと変速機。縦置きは横置きより軸方向にスペースを取れるから設計自由度が高い。ZF8HPは７/８シリーズからベントレー、アストンまで使ってる超絶AT、これだけでも320万円は買得。

永田　福野さんが118i絶賛とは知りませんでした。

福野　４気筒＝120iは並出来ですけどね。去年の単行本のサイン会に来てくださった読書の方で「記事読んで最終118i買いました！」と報告してくれた方がお二人いました。このまま買い取ったら？

篠原　はははは。

福野　すまん、つい本題から外れた。今夜の主役はロードスターやな。
（以下、マツダロードスターについての記事が続く）




福野礼一郎氏、さすがの分析力・文章力ですね！
BMW 118i (F20)の気持ち良さの訳、とっても腑に落ちました。感激しました♪♪♪


了