私のFiat Ducato 14 230 2.5TDI Rimor Europeoには古いトルマヒーターがついています。
何故か不思議と故障はしないものの、噴出す風が弱いので整備もしないまま勝手に12VのPC用冷却ファンを数年前に増設した記憶があります。
トルマヒーターについて私の我流ですが簡単に投稿したいと思います。また過去の古い写真を使うことを御了承願います。
トルマヒーターは先ず、FFヒーターとは違いエンジン燃料を使わずLPGガスで火が入ります。
1. 先ずは燃料であるLPGガスタンクについて。
地方によって行政からのLPGガスタンクの取り扱いの厳しさが変わる様ですが。私が居住する関東地区は数年前からキャンピングカー車載LPGガス規定が一層厳しくなり、ガス充填してくれるガス販売店もかなり少なくなったと聞きました。
その対応としてイワタニのガスカートリッジを並列繋ぎして対応している方も多く居るそうです。
私の場合、運良く仕事のお付き合いのあった高圧ガス販売店に御願いして、何とか充填してもらいました。その販売店は普段は窒素・アセチレン・アルゴンガスを扱う販売店でしたがLPGガスの補充や充填期間期限切れのタンクの法定点検もしてくれました。
尚、私の自宅は都市ガスですが、もし自宅がプロパンならその業者に追加で御願いしてみる方法もあると思います。
2. 車内にてシェル側の元電源をONにします。
ライトUPスイッチを入れてシェル側の電源を活かすことによりトルマヒーター内のファン供給電源を活かすことになります。
3. LPGガスタンクの準備が出来たら接続してレギュレーターバルブを反時計に捻ってバルブを開けます。バルブを開けた瞬間に「シュッ!」と音が聞こえたりします。
LPGガスタンクのレギュレーターを開けたら、シェル内の元バルブを開けます。
元バルブはシンク下の片開き収納棚の脇に有ります。
写真拡大!!
赤色のコックバルブのハンドルが縦方向でバルブ閉止状態です。
車両によってもしかすると、バルブの配列が違うかも知れませんが、バルブの脇から上側に2本延びているチューブが冷蔵庫とキッチンガスコンロ用のガスチューブで下側に2本延びているチューブが暖房トルマヒーター用とボイラー温水用のバルブになります。
赤色のバルブの頭に何用のバルブか判る様に銀色のシールが張られています。
因みに私のデュカトの場合、一番上のバルブから説明すると・・・
1. 雪の結晶マーク ⇒3Way冷蔵庫用
2.お鍋マーク ⇒キッチンガスコンロ
3.ヒーターから風マーク ⇒トルマヒーター (一瞬沸騰した鍋にみえるが、笑)
4. 水道蛇口マーク ⇒温水ボイラー用
ということで、今回は 3.ヒーターから風マークのバルブを縦から横に捻ります。尚バルブが360度回転しますが、横方向でバルブが開きます。
4.トルマヒーターのファンを回す。
写真一番右端のファンのマークのスイッチがトルマヒーターのファンスイッチになります。
尚、私のトルマヒーターはスイッチを入れても風が出てるのか判らない程微風でしたので本体整備もせずにPC冷却ファンを配線切り替えて取り付けました。因みにその脇のスイッチはキッチン照明用と一番左側のツマミ式スイッチは後方エアコンシステムのファンボリュームスイッチになります。
5. ガスの車内元バルブを開けてファンを回転させたらいよいよ着火です。
写真のトルマヒーターの左上部にガス調整ツマミがあります。
着火時はガス調整ツマミを全開にします。
それと同時にツマミを強く押し込みます。
ツマミを強く押し込んだ状態で電子着火音が小さく聞こえます。
「チッ!チッ!チッ!チッ!チッ!チッ!」
LPGガスタンクを交換した後等、ホースやチューブ内は空気なのでガスが到達するまで10秒程着火に時間がかかる場合があります。
また、着火時、電子着火音が聞こえない場合はそれ用の電池が弱い可能性がありますのでカバーを上側に引き抜く様に開けて下部に付いている単三電池2本を新しい電池と交換してください。
いよいよガスがヒーター内に到達し着火した瞬間音がします。
「チッ!チッ!チッ! ポフッ!!」
点火成功です。
点火しているか、目視で除き穴から炎を確認してください。
炎の色は青色が正常です。もしも赤またはオレンジ色の場合不完全燃焼を発生させ一酸化炭素を発生させている可能性がある為、使用を止めてバナー等の清掃整備をしてください。
トルマヒーターが点火したら、炎を確認しながらツマミを全開から半分位に下げます。(私の場合です。) 何故かと言うと半分でもかなりの高い熱量あり雪山でも汗ばむ程暖まります。また全開に近いとガスの消費が大変早くなります。
6.トルマヒーターの使用中の注意。
トルマヒーター点火中はファンが回って温風が出ていることを時々確認してください。ファンの故障停止により自動消化停止の様な頭の良い構造ではないので注意が必要です。またファンが故障した場合は熱排気が出来ない為火災の原因にもなります。
トルマヒーター使用中は、定期的に換気してください。
また極力「一酸化炭素検知器」を車内の天井近くに取り付けて一酸化中毒防止に努めてください。
(白くて丸いのが一酸化炭素検知器)
7.トルマヒーターの消火について
消火の手順として、ツマミをゼロにすると消火します。消火したか炎点検穴から確認してください。また車内の赤いガス元バルブを縦にしてバルブを閉止してください。もしその時点で他のガス設備を使用していなければ、LPGガスタンクのレギュレーターバルブも閉止してくたさい。ガス設備を使用していない場合はこの元バルブを閉める癖をつけておけばより安全です。
8.トルマヒーターのファン停止タイミングについて。
消火後、ファンはトルマヒーター本体の熱が冷めるまで回しておきましょう。安全でもあるし、内部電子部品及び熱に弱い部材保護のためです。
9.トルマヒーターの安全とリアエアコンシステムについて
走行中にトルマヒーターを使うのは止めましょう。走行中はリア側エアコンシステムによりシェル内は十分に暖まります。
トルマヒーターの右上にレバーがあります。
このレバーを差し込んだ状態でエンジンの温められた冷却水バルブが開いてリアエアコンシステム内エバポレーターに送られ温風がトルマヒーター上部及びリアシート脇の通風口から温風が出る仕組みになっています。
逆に夏場はレバーを引くと冷却水バルブが閉止する為温風が出ない構造になっています。
10.最後におまけの温水ボイラーについて。
正直今迄一度も故障が無いので整備したこがありません。
使用方法としてはトルマヒーターと同様にガスの元バルブを開けてスイッチを入れるだけです。しかしトルマヒーターと違い自動点火と消火機能付きです。
キッチンガスコンロの上の方にボイラーのスイッチがあります。
何故か私のデュカトは上下逆に付いていますが機能的に問題ありません。笑!!
使用方法としてツマミを0から50にセットします。これは温度ですね。50度あれば十分です。
50にセットした時点で自動点火し、炎のLEDが緑に点灯します。お湯が沸いたらその炎の緑LEDも消灯します。温度センサーにより自動点火と消火を繰り返します。燃料ガスが無くなる等の事情にて自動点火出来ない場合は炎マークに×が付いた赤いLEDランプが点灯します。実際に私はガスが空になり、この赤いLEDランプで気付いたことが何度もありますが、その後新品ガスタンクに切り替えれば問題無く再稼動してくれます。
以上私の我流の取り扱い方です。
手のかかる子程可愛いとはこのことですね。