週末は今シーズン最初の雪をもたらす寒波が到来しました。
早速、SNSは雪山メンバー間での天候に関するやり取りが増えてきます。
雨雪判別を見てみると、
西方の鳥取方面には雲があまりかかっていません。
東の方は、北陸あたりに雪雲が発達しているようです。
協議の結果、福井方面にいくことになりました。
12月の上旬~中旬の寒波はまだ大したことはなく、今回も期待しないことにして、夜のロングツーリングになってもいいかな、という気持ちで挑みます。
しかしながら86号は雪山仕様への変更ができていないので、昨シーズインからGC8インプレッサをシェアするメンバーに参加させてもらっているので、このインプで参戦します。
驚くべきことに走行距離は40万キロを超過!
動いていることが奇跡です。
人間でいうと200歳くらいでしょうか。
昨シーズインの最終戦であるTM峠以来のシェア号。
自身でも2年間5万キロをGC8インプを乗ったので、なつかしさも感じながら、AMMY氏のパジェロミニと兵庫県の某所を出撃し、すでに先行して高速道路を北上しているロドスタ号を追います。
今庄付近で合流し、スキー場付近を徘徊するも、湿ったべちゃ雪が積もるのみで、これといったコースもなし・・
お目当ての国道も、冬季通行止めです。
雪雲レーダーを見ながら、次の移動先を選定します。
もう雪がないのは覚悟の上の出撃なので、片道200Kmの空振りであってもショックはありません。
むしろ夜のツーリングと割り切ろう。
選んだ先は、伊吹山の北方の福井県と岐阜県の県境付近。
このあたりは昨シーズインに、86で挑み、あまりの積雪のせいでバンパー開口部が雪で埋まり、水温と油温の上昇に悩まされたうえに、スタック祭りを喫しました。
さらには融雪パイプから洪水の如く水がまかれ、道が川のようになり、クルマは水没寸前。
この水のせいかわかりませんが、翌日はバッテリーが上がってしまっていたという、不吉なエリアです。
まあFRの86で挑んだからであり、今回は4駆のインプレッサなので、過走行である以外、不安はあせいません。
国道を進撃していくと、徐々に路面は積雪。
しかし直線区間が多く、ただの雪道の移動です…
これではいけないと、脇道を探検しようということで、「夜叉ヶ池」という方面に向かう山道を発見し、向かってみることに。
そういえば今年7月のツーリング後半で、この近辺の道の駅によったような。
鈴鹿山脈~揖斐高原ツーリング
脇道に入っていくとまあまあの積雪。
真っ暗な山道への進入していくと、左の方に明かりが見えたので、ふと目をやると、神社があるようです。
人里離れているのに、並んだ灯籠にや社にはロウソクが灯され、神々しい雰囲気。
後で調べたら「夜叉龍神社」といらしく、夜叉ヶ池伝説の龍神を祀っていて、雨乞いにご利益があるとのこと。
あまりいちびると(関西弁で調子に乗ること)龍神さんの罰があたりそうですが、雪道への誘惑には勝てません。
ガードレースはなく、そのまま川が流れているとういう、ワンミスで川ポチャのコースを上がっていきます。
途中には、駐車場がある施設もあり。
「夜叉が池」というところまで、とりあえずいけるところまで行くことにしました。
後で調べてみたところ、「夜叉が池」というのは、干ばつで作物が枯れたときに雨を降らせる交換条件として自分の娘を池に棲む龍神に嫁がせた、というこの地域の悲しい伝説の由来になっているようです。
そんなことも知らずに、罰当たり軍団は林道を進撃していきます。
ガードレールはなく、コースアウトすると川に落ちます!!
慎重なドライブを心掛けましたが、何度か「ゴンッ」という衝撃を感じました。
雪の下に隠れた落石を踏んでいたようです。
この後も、計4~5回は同じような衝撃を感じましたが、過去の経験から、大丈夫だろうと判断していましたが、下山していくとまっすぐ進ます、ハンドルもセンターがおかしい・・・・
雪の轍のせいなのか、岩を踏んだせいなのか、降りて左フロントタイヤを見てみると、ペシャンコに空気が抜けております。
テンパータイヤに替えて、今夜はおとなしく撤収か・・・・と、交換作業に入りました。
しかしさらに悪いことが発覚!!
左リアタイヤまでパンクしてペシャンコになっているではないか!
タイヤを観察すると、サイドウォールに亀裂が入っており、パンク修理剤の注入も不可能であることが判明しました。
鋭利な岩でも踏んだのか?
10年落ちのスタッドレスタイヤの耐久性が落ちていたのか?
まあその両方だろう。
こんな山奥でパンク。しかも2本も。
いちびりすぎて、山の神を怒らせたのか?夜叉の祟りかもしれません。
スペアはテンパータイヤ1本のみ。
検討の結果、パンクした2本をリアに履かせて、引きづるように走らせて、雪のない人里まで行ってみることに。
降りしきる雪の中、皆さんに協力してもらいながらの交換作業。
トラブル対処に関しては、皆さん手慣れたもの。
交換が完了し、時速30Kmほどで徐行しながら、街を目指します。
ここからシェア号の基地までの距離は約180Km。
徐行しながら、帰還の手立てを考えます。
<その1>任意保険のロードサービスを呼ぶ方法
⇒保険会社に電話してみたが、契約している自分名義の車両のみしか利用できないとのこと。
<その2>JAF会員なのでJAFを呼ぶ
⇒最初の15kmまでしか無料で運べず、超過分は1kmあたり720円なので、10万円以上のレッカー代となるので却下。
<その3>路肩の開いているスペースなど置いて帰り、後日タイヤ持参で履き替えて帰る。
⇒除雪車に埋められてしまうかもしれない。また来る手間と、もう1台分の交通費がもったいない。
<その4>夜中も営業しているガススタに行って、合うサイズのタイヤを買って履かせて帰る。在庫が無ければ、置かせてもらう交渉をして、後日引き取りにくる。
⇒これに決定!
とうことで、朝の4時になる頃に、木ノ本IC近くのガソリンスタンドにリアタイヤを引きずりながらピットイン。
タイヤはボロボロで、ギリギリでホイールは無償でした。
もう少し距離があったら、ホイールのリムで火花を散らしながら走るところでした!
店員さんに希望のサイズを伝えるも、16インチの在庫は無しとのこと。
仕方ないが置いて帰るか、と思ったその時、店員さんより前日に交換した廃タイヤで16インチがあるとのこと!
5年物のダンロップのスタッドレスで、205/50R16と、バッチリのサイズ!
しかも交換工賃のみというご厚意にあずかりました。
タイヤが10年物から5年物へと若返り、わらしべ長者となりました!
これで大阪方面へ帰還できます。
作業が終わり、無事に高速道路に乗ることができました。
滋賀を越え、京都を越え、天王山トンネルを抜けたあたりで、異変が!
暖房の風邪が冷たい!
サーモスタットが壊れたのか??
純正の水温計に目をやると、徐々に上昇していくのが分かりました。
これはいけない。オーバーヒート!
吹田サービスエリアまで9.9Kmをなんとか走りきり、水温計は・・・・
リザーブタンクは、グツグツと煮えたぎった感じで、水補給でキャップを開けるのは危険なので、しばらく放置し、冷めてからトイレの水をペットボトルで汲んでは入れ、汲んでは入れを繰り返しました。
ペットボトルの水を子ヤギに哺乳瓶で乳を与えるように、インプに注入します。
ヒーターコアへはなかなか水が回りにくいので、乳しぼりのように、パイプを揉みながら冷却水を送っていきます。
500mlを10回以上は汲んだので、空焚きに近い状態になっていたかもしれません。
エンジンは深刻なダメージを受けているでしょう(泣)
水の補給を完了して再出発。
しかし、10kmほど走ったところで、またもや急に水温計があがりだしたので、高速を降りました。
リザーブタンクからは、自噴する温泉のように、グツグツを冷却水が吹いてます!
冷やしてから、下道をゆっくり走って、満身創痍の状態で帰還しました。
どうやらヘッドガスケット抜けではないかという判断が下りました。
ヘッドも歪んできるかもしれないので、エンジン載せ替えか、廃車かどちらかの運命です。
これから雪シーズン本番という時に、なんたることか・・・
一晩でこれだけ帰還が危ぶまれるとトラブルに襲われるとは。
夜叉の祟り、恐るべし!
おわり。