オマエ、どこ大学出たんだ。

高校の同窓会のお誘いがあった。カネ(会費)も高い。恩師に対する贈り物とかで一人何万もとる。合計するとＣＲＯＷＮが来るじゃないか。事前に送られてきた名簿にはこれ見よがしに上場企業の重役たちがいる。個人情報も自分の自慢をするときは、いいわけか。医者や弁護士は肩書が短いのですぐ分かる。あふれる笑顔で書いているな。

僕の肩書は母校の同窓会館に行って書くなと強く言ったので空欄になっていた。

肩書に頼る人間は概して実力がない。ところがその肩書自慢のクズたちが集まったのが僕の高校だ。

中流だ。僕を除いて億を下る収入の人間はいない。

だからなんだ。僕はいつも思う。たかが資本主義になって組織の奴隷になり、また人を奴隷にして、秘書と、看護婦と事務員と「妻とは別れるから」と言って浮気をし妻にバレ、送り迎えのクルマの中の独りぼっちが唯一のくつろぎの時間となっているだろう。

中流と信じる貧乏人だ。農地解放前は極貧小作人のくせに。

そんなことだからいつまでたっても修猶館に勝たない。むしろ勝ってほしくない。



知ってるくせにわざとみんなの前で聴いてくる。「おまえ、大学、どこ出たとや？」

学歴頼みのゴキブリは、はるか昔のことを自慢してそれを「よすが」に生きている。ぼくの同窓会はそんなあほに満ちている。

東大には何十人も行くので何のハッタリにもならないが、そういう奴らが無神経に学部を聞く感覚で聞いたのだろう。だが不愉快だ。

クラスには一人だけ進学しなかった奴がいる。彼は、福岡を代表する業界の社長になっていて、いわゆる勝ち組みだが大学の話になると微妙な表情になる。

「持っている人間」は「持たない」人間への配慮がない。

用心してモノを言え。私はいやなのだ。職業を詮索されること、自分の過去をほじくられること。どこを出てどこにいてもお前に関係なかろうが。

だれがどこを出たということが、人生の一大事であるという奴どうし、ネットワークを作って子供の就職に利用したらどうか。僕の子供たちは立派な子供たちだからその必要はない。

便所の団子虫とは関係ない世界観の人がいることを知れ。


同窓会に参加したが、楽しくない。カネと地位は人を堕落させる。ぼくに与えろ。世のためだ。

もう行かない。会費も僕にやせ我慢を強要する。