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2013年09月02日 イイね!

ゼロは凡作、雷電は欠陥機だ。

ゼロは凡作、雷電は欠陥機だ。一年越しのプラモデルの雷電がもうすこしで完成だ。たくましい体をしている。

性能
高度6,000mにおいて325ノット(約601.9km/h)以上。340ノット(約629.7km/h)を目標とする。上昇力高度6,000mまで5分30秒以内。航続力最高速(高度6,000m)で0.7時間以上(正規)。武装20mm機銃2挺、7.7mm機銃2挺。その他操縦席背面に防弾板を装備する。

紡錘形に絞り込んだ機体は、最高速の向上が期待されたからだ。前面カウルの内側は強制冷却ファンが回る。このファンはプロペラの回転より早く回転し日本的工芸の精緻さを見せる。このファンとイグゾーストのターボファンの音はキーンという金属音を生んだ。

1000馬力前後のエンジンで昭和20年の戦争を戦おうとした低脳海軍は、やっと昭和20年2月になって次期戦闘機に期待しはじめた。

しかし、そのころは日本は、設計や生産や物資や制度やガソリンそれらすべてに絶望すべき状況であった。

堀越技師は優れた技師ではない。ゼロの最初の戦果は複葉機を相手にしたものだ。低翼単葉は世界初ではない。bf109を見よ。日本より5年も早い。時代は700キロの時代になるのに軽さが売りのゼロ21は速度が出ない。問題はエンジンだが堀越にも責任がある。受風面積にこだわるあまり配管の無理な引き回しが増えた。銃はコピー。そもそもエンジンもプロペラもコピーだ。翼に無防備にガソリンを積み風貌は防弾ガラスでもない。

無理な軍部の要求だという能天気がいるが、ハイと言った堀越はもっとバカだ。技師は命をかけねばパイロットに失礼だ。

元山航空隊の基地司令は、空母赤城を沈めおめおめと自分だけ助かった青木泰二郎だ。現場のパイロットはゼロとの互換性がなく工作精度の甘さに泣かされながら、補給もない中で苦労して部品を作り、夜を徹して整備していた。それでも整備兵はまだいい。朝になると徹夜で整備を手伝った操縦士は、毎日来るグラマンと格闘した。

「無能な経営に泣かされる現場」という図式は今も変わってない。

同じ海兵を出ていても要領がいいと司令官になり従兵や隊長機を持つ。僕の知る井上少尉はただのゼロ52のパイロットだ。

雷電のデストリビューターはふたり抱えで引き抜き整備した。それだけで4時間かかる。無意味な凸凹、お粗末電装、不合理な計器盤、死ねと言わんばかりの着陸速度、弾詰まり、暴発、意味のない装甲板(グラマンの弾が当たると機体全部が爆発した)、デストリビューターの奥にあるターボ。最大の欠陥は長いプロペラシャフトの共振、それを予期しつつ対策をとれない技師の無能。

内地から運ばれた雷電は半数も動かなかった。パイロットが地上で死ぬことほど悔しいことはない。

青木泰二郎司令は元山空で終戦を迎えた時、部下を見殺しにして自分だけ内地に飛行機で戻り、残された隊員たちは、ソ連軍の捕虜となりシベリアに抑留され死んだものが多い。青木の行動は「敵前逃亡」である。

一方、つい先日尊敬する井上少尉が死んだ。井上少尉は、ひきょう者青木のことは語らなかった。6回撃墜され6回目には12.7ミリが頭をかすった。でも彼は、ゼロ52で4機撃墜している。「私は帝国軍人としては失格です。落とされた回数が多いですから。」

聞いたか青木、敵前逃亡野郎。井上先生は静かな先生だった。静かに僕に数学を教えてくれた。また一人「男」がいなくなった。

奥様から勲章をたくさんいただいた。「遺品なのにいいですか。」と言うと、「要りません。」と言われた。







Posted at 2013/09/02 21:43:24 | 日記

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