
■4日目 8/15(火) 天気:曇り後晴れ
走行距離:304.8km
美深町を出発し、日本海側オロロンラインに出て、稚内ノシャップ岬を訪れる。そこから豊富町を巡って、浜頓別町まで走った。
前日寝るのが遅かったせいか、6:00過ぎに目が覚めた。テントから出ると、空は雲が広がっていたが、そこまで厚くは無さそうで明るかったのが幸い。天気予報では北海道を離れるまでに雨の予報は出てなかった。夏の北海道は天気予報が全く当たらないので鵜呑みには出来ないが、信じることにする。この日の稚内の予報は曇りであった。
トイレと洗顔を済まし、朝食の準備をする。前日は冷雑炊だったが、温かいものを食べることが出来た。食後もコーヒーで一服し、至福の時を過ごせた。これでこそ、キャンプの醍醐味だ。
ゆっくりしていたらトイレに行きたくなったので駆け込んだ。急を要してたので全く確認せずに用を足したところ、紙が無いということに気付く。しまった~っと思ったが、幸いウォシュレット付だったので助かった。乾燥機能までは付いていなかったので、気持ち悪くならない程度に放置して乾燥させて事なきを得た。公衆トイレではこういったことはあり得るので、気を付けていたつもりではあるが今後はより一層気を付けていきたい。しかし、ウォシュレットじゃなかったらどう対応していただろうか・・・
トイレで肝を冷やしたが、片付けをする。その最中におじさんがバイクのナンバーを見て話しかけてきた。どうやら湖西の人らしくて、1週間前に北海道へ上陸して、美深には5泊目だそうだ。その間ずっとこんな感じの雲模様らしく、晴れて欲しいね、とお互い笑いながら話す。

おじさんとしばらく話した後に、天気も良くないので急ぐ必要も無いから、バイクのメンテをしようと考えた。ここは乗入可のキャンプ場なのでメンテをするには適任。もう雨も降らない予報になっていたので、チェーンオイルを注すことにした。センタースタンドが無いのでオイルを注すのも少しずつバイクを動かしながらだから非常に面倒臭い。でも、雨の中を結構走ったのでチェーンにも若干錆が出てたから、長い目で考えるとこういうメンテが寿命を左右すると考えている。
家みたいな設備は整っていないので、チェーンオイルをまき散らさないようにキッチンタオルを代替で使ったが、薄かったので手がベトベトになってしまった。やっぱり次回からはウエスくらいバッグのどこかに押し込んでおくことにしよう。炊事場に行って、食器用洗剤で手をしっかり洗っておく。
そんなことをやっていたら、撤収が完了したのは9時近くになっていた。受付票を返して森林公園びふかアイランドキャンプ場を出発する。国道40号を北上し音威子府のセイコマに寄ってみた。
ところが、このセイコマにはゴミ箱が設置されていなかった。同じセイコマで買ったものだが店が違うので、流石に引き取りを頼むのは気が引ける。自分も全く悪くなく問題無い、とは思ってはいないが、関係無いところでゴミを捨てたり、トイレを使用した場合は、ほぼ何かを買うように心掛けている。それでこそ持ちつ持たれつと言ったところだと思っている。
なので、野菜ジュースと飲むヨーグルトを買おうと思っていたが、この店で買うのは止めた。最近、ゴミ箱を店内に置いたり撤去することが多くなってきているので、せめて家庭ゴミの持込みだけはしないようにしてもらいたいと思う。
そんなことを考えながら、何も買わずに音威子府のセイコマを出発した。ここからは、もう内陸部に用は無いので景観の良いオロロンラインに向かうため、国道40号から道道119号に入り遠別へ向かう。相変わらず、郊外の道道は交通量が皆無になる。
オロロンライン国道232号に出た頃には、雲から青空が出てきていた。北海道3日目にして、初めて見た青空にとても感激していた。国道から離れて、去年も走った開拓農道に向かう。

まだ雲は多いが、初青空に感激して記念撮影。写真を撮っていたら何台かのバイクが来たので手を上げて通り過ぎる。普通に国道を進むとここは絶対スルーしてしまうところだと思うが、知っている人は知っているものだ。

開拓農道に入って、去年も同じ所に止まった気がする場所を見つけた。ここは海に一番近い所だと思うので、お気に入りの場所になってしまった。利尻山は雲が掛かっているが、上空はどんどん晴れていき気分は最高。

利尻山を背景に望遠圧縮。

風車もあってやっぱり晴れた空が最高だ。ここで撮影していたら、カプチーノの人がオープンスタイルからピースされた。たまにオープンの人は挨拶をしてくれるので楽しい。
国道232号まで戻って天塩へ向かう。先ほどゴミを捨てられなかったので、またもやセイコマに向かった。天塩のセイコマは外には無かったが、中にゴミ箱があったのでありがたく捨てさせてもらう。そして、野菜ジュースと飲むヨーグルトを買ってその場で飲んだ。このセイコマの近くは、何度か利用したことがあるキャンプ場があり、徒歩圏に温泉があるので気に入っている。
セイコマでのどを潤した次は、バイクのお腹を満たしてやる。天塩にはホクレンのセルフがあるのを知っていたので訪れて給油。去年は、ここのフラッグが完売していた記憶があったが、今年はまだ残っているようだ。

北海道3日目にして4色揃った!今年はかなり早い段階だと思う。たまたまとは言え、効率的にフラッグカラーエリアを周れたのだろう。
バイクのお腹も膨れたところで、いよいよオロロンラインの最後である道道106号に向かった。晴れなのもあって、バイクが大量に集まっていた。通り沿いには、集団で手を振ってくれる人も居たりして旅気分が増幅される。
オロロンラインは毎年のように来ていることもあり、オトンルイ風車群も北緯45度モニュメントもスルーして、道中で絶景が無いかをキョロキョロしながら探すのを楽しみにしている。

今年は、牧草ロールがたくさん点在している所で撮影開始。

バイクと。この牧草ロールは結構お気に入りだったりする。

次にあったのは、日本海と利尻山を背景に牧草ロール。利尻山は残念ながら雲の中だったが、これで利尻山が見えていれば自分の中ではオロロンライン最強の展望だったかもしれない。去年こんな所あったっけか?あまり天気が良くなかったから、スルーしたのだろうか。

このカーブの感じも結構好きだったりする。毎年行くところも、天候と農家の皆さんの作業状況等によって、毎年違う姿を見せてくれている。これだから北海道は止められない。ちなみに、これだけ天気が良くても、気温は20℃程度で少し寒い。北海道に上陸してから、ジャケットのベンチレーションを1度も開けていないのは珍しい。
オロロンラインの撮影を存分に楽しみ、最北端の街稚内に向かう。ところが、あんなに晴れ渡っていたのに稚内に近づくにつれて段々雲が多くなってきた。まぁ元々稚内の天気予報は曇りなのだから、予報通りだがちょっと残念。
そろそろお腹が空いてきたので、どこかで食事をしようと考えたところ、ノシャップ岬に色々あったような気がしたので行ってみることに。着いてみたが、天候も冴えなかったので写真も撮らなかった。海鮮を売りにする店がいくつかあったので歩いていたら、おばちゃんに声を掛けられた所に入ってみた。

カニ・ホタテ・イクラ・ウニ・エビと5つも入ったノシャップ丼にしてみた。2,000円でそこまで高くないし、どれもとても美味かった。いつも貧乏飯しか食べていないので、たまには贅沢しても良いよね。
お腹も膨れたところでツーリング再開。稚内に来たら大体宗谷岬と宗谷丘陵には行っているので、行きたいのは行きたい。ところが稚内周辺は曇り空なので、こんな天気なら天塩・豊富周辺がピーカンだったのでそっちを周る方が良さそうだ。
去年、浜頓別から利尻島へ渡るために通った道道1119号が良い展望で、次はじっくり周りたいと思っていた。なので今回は、稚内空港まで行って天候が回復すれば宗谷を巡る。ダメそうなら、道道1119号を通って豊富へ戻ろうかと考えた。
順調に稚内市街を通り抜け、稚内空港の手前まで来たが全く天候は回復しそうになかった。全体的に曇りなら仕方ないが、晴れてる所があると分かってて、曇りの場所に居る必要は全く無い。なので、宗谷丘陵をキッパリ諦めて、稚内空港から道道121号経由で1119号に入った。

確かに展望は非常に良く直線道路もあるが、いかんせんもう少し南下しないと天気が回復しそうにないのが残念。こればっかりは時の運なので仕方がない。でもこんなマイナーな道を走るバイクが居たので嬉しくなって写真を撮った。簡単に撮影を済ませて、「晴れていてくれ」と願いながら出発。
すると豊富町に近づくに連れ、どんどん青空が広がってきた。これは自分の判断が大正解!道道138号に入って国道40号に戻る。豊富バイパスの入口が見えたが、乗らずに国道をそのまま南下。そういえば、ここら辺に素晴らしい展望の「宮の台展望台」があった気がするな~って思っていたら、看板が見つかったので入ってみた。

宮の台展望台に到着!

思い出から消えることはないでしょう、と何とも強気の発言が面白い。

そして、これがその展望だ。写真では伝わりにくいかもしれないが、物凄く広大なサロベツ原野を一望出来る。雲が無ければ利尻山まで見えるはずなのだが、この日は残念ながら見れなかった。
確かにここからの景色は素晴らしいので好きな展望台の1つだ。後何が良いって、他に観光客がまず居ないことだ。大体常にガラガラで今回も来た時は1組居たが、自分が来たら帰っていったのでこの展望を独り占め出来てしまう。
そろそろこの日のキャンプをどこでするか模索する。稚内周辺は天候が悪そうなので却下。この辺なら、前述した天塩のキャンプ場か浜頓別のクッチャロ湖畔が候補に挙がる。天塩周辺は天気が非常に良いが、浜頓別も天気が良い保証は無い。ピンポイント天気予報を見ても、曇りの予報になっている。
何となくだが、天塩が晴れているのでその東側の浜頓別も晴れているような気がした。緯度単位で西から東へ移るはずだし、道北は日高・知床みたいな天候をガラっと変える山は無いので、浜頓別もイケるような気がした。なので、浜頓別に向かい、もし途中で全然これはダメな天気になったら天塩に戻ろうかと考えた。
その前に、一度行ってみたかった豊富町の大規模草地牧場を巡る道を走ってみることにした。ここら辺は何度も来ているが、何故か寄ったことが無かったので、今回多少時間の余裕もあることだし行ってみる。
豊富の市街に入る前に脇道にそれて、豊富バイパスを抜けた後の分岐点を右折する。案内が何も無かったので一度通り過ぎてしまったが、地図と農道の標識を見逃さなかったので、すぐUターンする。

初めて来たが、ここは初めて宗谷丘陵を走った時並の感動を覚えた。とても広大な牧場に牛が放牧されて、とても牧歌的な風景だ。

こんな感じで、空に向かって伸びるようなアングルが結構好きだったりする。

バイクと。やっぱりまだまだ知らない道は北海道にはある。5年目になるがやっぱり奥が深い。ツーリングマップルでもちょっとコメントがあるだけで、オススメルートにもなってないが、この道は非常に素晴らしい。

時間もあるのでお気に入りの場所を探しながら、ゆっくり走れる。このカーブの具合もたまらない。

バイクと一緒に撮影。

こちらは、何だか宗谷丘陵に似たような地形をしている。これまた道の軌跡がたまらない。

ここは気に入ったので、望遠圧縮も試してみた。

農道の終点辺りにPAがあった。トイレと東屋が完備されており、折角なので雄大な景色を見ながら休憩してみた。

素晴らしい絶景、青い空・白い雲・緑の牧場を目の前にして、前の道は交通量皆無でとても静か。聞こえてくるのは風の音と鳥の鳴き声だけ。8月だというのに気温は20℃程度で、バイクウェアを着ているにも関わらず、風もとても心地よい。何だか、ここでボーっとしていると泣きそうなくらい幸せな気分になってきた。やっぱり夏の北海道は最高だ。
10分くらい東屋で休憩していたが、これ以上休憩していると幸せ過ぎて出発出来なくなりそうだったので、出ることにする。道道84号に出て浜頓別へ向かう。
途中の町境辺りで雲が増えてきたので、ちょっと不安な気持ちになった。一瞬引き返そうかとも考えたが、今年は主に道東を巡りたくて、そろそろ道東の天気も回復してくる予報になっていたので、明日天塩スタートだと若干しんどい。どうなろうと、やっぱり浜頓別くらいまでは進んでおくべきだと考えたので、予定通り進むことにした。
その選択は大正解だった。雲が多かったのは町境だけで、すぐに天気が良くなった。これだったら素晴らしい景色が見れるかもしれない。ワクワクしながら、15:30頃浜頓別町「クッチャロ湖畔キャンプ場」に到着した。
もうここも4年連続で泊まっている非常にお気に入りのキャンプ場だ。景色・立地良し、温泉徒歩圏イステーブル充実、ゴミ捨てOK。コインランドリーまである、とまさに文句の付けようが無い。利用料金もたったの200円だ。後はバイクのみ乗入OKとかになればもっと最強だが、本当に100点満点というのは中々存在しない。
受付をしてテントを張る。去年は盆休み最終日に来たし、天気も良くなかったので人もまばらだったが、この日はそこそこ居た。バイクからの荷物搬入距離が近くて、イス・テーブルが空いている所を探したら、あっさり見つかった。

ここをキャンプ地とする!イス・テーブルが完備されていると、自前のを出す必要が無いし、何より荷物を散乱出来るので撤収が非常に捗るため最高だ。テントを張って、米を水に浸けたところで、まだ日没まで時間は充分あるため買い出し兼エサヌカ線までブラつくことにした。
浜頓別町内は、信号の変わるタイミングが非常に微妙ですぐ信号に引っ掛かってしまう。なのでメイン通りではなく適当に行ったところ、何とか殆ど信号に引っ掛からず国道238号に出た。
国道に出てしまえば、エサヌカはすぐそこだ。ここもオロロンラインみたいな片方は海、片方は原野が続く北海道らしい直線道路だ。ライダーもたくさん来ていて、通りすがりに手を振って挨拶をする。しかし、キャンプ道具を降ろしてバイクを動かすと、あまりの軽さに少々困惑する。物凄くヒラヒラ曲がれるので、キャンツーだとやはりそうとう行動が制約されていることを実感する。

夕方で、大分赤みがかっているが素晴らしい直線道路だ。

背景は草原とオホーツク海が見えていて、何も無い。

よく見るとシカが居た。そろそろヤツらの活動する時間になってくるのか。本当に道路に飛び出してくるから非常におっかないので、北海道ではなるべく夜間の走行は控えた方が良いだろう。

バイクが走り去った後に、望遠圧縮で撮影。
エサヌカへのお散歩も充分楽しみ、浜頓別のセイコマで買い出しをしてキャンプ場に17:00過ぎに戻ってきた。米を既に水に浸けているので、すぐ炊飯開始。今日も美味しく食べられた。

夕飯を食べて片付けをした後は、クッチャロ湖へ沈む夕陽の観賞ショーだ。とても良い天気なので、素晴らしい夕焼けが見られそうだ。

周りの人もカメラを構えて夕陽を見ている。

夕焼けを背景に愛車を。

雲がもう少しあれば、赤く染まった雲が湖に反射して一面真っ赤になるのだろうが、こればっかりは気象条件に左右されるので仕方がない。大変素晴らしい夕焼けを見ることが出来た。
このキャンプ場は湖畔なので、やはり蚊の発生が多いのだが、今年は寒いためか全くいなくてとても快適だ。去年は何故か蠅が多かったが、それも居なくて素晴らしい。

太陽はあっという間に沈んでしまった。普段太陽の動きなんて見えないのに、こういう沈むときは、目に見えて動いているのが分かるので、面白い。

マジックアワーも充分に楽しめた。これももう少し雲が多ければ、もっと素晴らしい変化が楽しめるのだが。雲は多過ぎても少なすぎてもいけない、微妙なさじ加減で景色を作るので、こちらも非常に奥が深い。どんな風景になるかは神のみぞ知る、ってところだろうか。
良い時間になってきたので、はまとんべつ温泉ウイングに行くことにする。サイトから歩いて5分で着くため非常にありがたい。着いてみたら、去年まで入浴料500円だと思ったが、550円に値上がりしているみたいだ。まぁここなら50円程度の値上げは問題無い。露天風呂は無いが、ヌルスベ温泉の内風呂・サウナ・水風呂もあって最高だ。風呂上りに休憩室でPCを持ち込んで出費管理をした。
21:00に温泉から出てテントに戻るが、去年まで点灯していた温泉からキャンプ場への階段の照明が点いていなかった。油断してヘッドランプを持ってこなかったが、キャンプ場の明かりが若干あったので何とか下る。テントの外でしばらくボーッとして、22:00過ぎに眠りについた。
宿泊地:北海道浜頓別町 クッチャロ湖畔キャンプ場 200円
温泉:はまとんべつ温泉ウイング 550円(キャンプ場から徒歩5分)
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