だいぶ遅くなりましたが、皆さま今年もよろしくお願いします m(_ _)m
というワケで今年一発目のブログは年末年始の休みの間に、毎日嫁さんが通勤で使用しているビーノのメンテの顛末記です。
事の発端は昨年、仕事から帰宅した嫁さんが…
『原付からキュルキュルって変な音がして、スピードがぜんぜん出ないから、手が空いた時にちょっと見てくれない?』という話から始まりました。
症状を詳しく聞くと、異音はクランクケース辺りから聞こえてくるというので、どうやらベルトが怪しい感じ。
嫁さんのお父さんが乗っていた間は定期的に近所のバイク屋さんでメンテしてもらっていたのですが、ウチで引き取ってからの定期メンテは自分が行うオイル交換程度。
自分はまだクランクケースを一度も開けたことがありません。
今後のコトを考えると、ベルトを交換するなら駆動系一式交換してしまう方が良いのは明らかです。
予め純正品のベルト、プーリー、ウエイトローラー、ランププレート、スライドピース、クラッチシューなど、クランクケース内部の駆動系パーツ類一式を注文しておきました。
(本当はハイスピードプーリーとかウエイトローラーも重さを変更して自分好みのセッティングにしたかったけど…)
12月28日から年末年始の休みに入り、いざ交換作業開始!
と思って原付の下まわりを覗き込んだところ…
なんかラジエターのあたりがスゲ~ことになっているんですけど…(汗)
明らかにLLCが漏れだしてあちこちに飛び散った痕跡が。
けれども不思議なのはいつも原付を停めている場所の下には一滴も垂れた痕跡が無いので、どうやらウォーターポンプが作動している走行中にしか漏れないようです。
この惨状を見て、慌ててLLCのリザーブタンクを覗くと、辛うじて底の方に僅かばかりのLLCが残ってました。
リザーブタンクが空になってLLCが空になっていたら、メーターの水温警告灯が点灯するハズですが、嫁さんがそこまでの異常は訴えてはいなかったので、どうやらエンジン本体のオーバーヒートは免れたようです。
ラジエターカバーを外して本体を見るとコアにもLLCが漏れた痕跡。
ラジエターコアがやられているのかと思ったのですが、コアとアッパータンクの接合部分がやけに漏れたLLCで濡れています。
キャップ周辺は乾いているので、キャップのパッキンがヘタったわけではなさそうです。
アッパータンク周辺を入念に調査すると…
どうやら漏れの原因はココ(アッパーホース)っぽい。
LLCの滲み具合が一番酷い。
その場で直ぐにアッパーホースの純正品番をYAMAHAのアプリで調べて、ネットで注文しましたが、年末年始休暇に入ってしまっているので届くのは年明け1/5以降。
修復はホースが届くまで暫くの間、待たなければなりません。
気を取り直して、次は異音が出るというクランクケースの内部をチェック。
てっきりベルトの削れたカスがびっしりとケース内部にこびりついていると思っていたのですが、ケースを開けてみると案外綺麗な状態。
ベルトの幅自体もパッと見ではまだまだ十分使えそう。
プーリーの表面も綺麗でベルトが滑っている感じは無いように思えます。
「流石、定期的にプロのメンテを受けていたことはあるな。
綺麗に整備されてるんじゃないの?」
と感心したところまでは良かったのですが…
この後、次々と大問題が発覚します。
(以後の画像は自分が動揺し過ぎて撮影し忘れました)
ベルトを外すため先にクラッチ側のナットを外そうとしたところ、妙に手ごたえが軽く、なんだかナット自体が空回りしているような感触で、なかなかナットが外れない…。
コレは明らかに異常…(汗)
ナットを手前に引っ張り気味で外すと、ようやくナットがシャフトから取れたので、ナットの内側(ネジ山)を確認したら明らかにナメた痕跡。
一部のネジ山が削れて針金状に取れかかって、ナットの穴からバネのように飛び出ています…。
どうやら生き残った一部のネジ山だけで締まっていた模様…。
「嘘でしょ?! よくこれで外れなかったな…。
走っている最中にナットが外れてベルトとかリアタイヤがロックしたら、マジで大惨事だったぜ…(冷汗)」
明らかにオーバートルクで締め込んだ時に起こる不具合。(おそらくエアインパクトで無理やりナットを締め込んだと推測)
運良くシャフト側のネジ山は鋼材の強度違いにより崩れてはいない模様。
もう片方のプーリー側のナットもどうやら無事。
またしてもナットの純正品番を調べてネットで注文するハメに…。
プーリーを外して古いベルトを外して、プーリーの奥にあるランププレートを外そうとしたのですが、今度はプレートがビクともしない…。
明らかにクランクシャフトの奥の方まで食い込んでしまっています。
シャフトに傷を付けないように少しずつ揺すりながらランププレートを外したところでまたもや予想外の事態が発覚。
パッと見で分かるほど、ランププレートの形状と色(金属色)が違う…。
自分が注文した新品のランププレートと比較するため両者を当てがってみると、古いランププレート直径が小さく、ウエイトローラーが収まる部分(ウエイトローラー左右にある隔壁)の角度も違う。
流石にウエイトローラーがプーリー内部で引っかかってしまうことは無かったようですが、ウエイトローラーの側面はだいぶ削れて中の金属(真鍮?)が見えていました…。
さらに新品のプレートには『5ST』という文字が刻印されていますが、外したプレートには何の刻印も付いておらず、汚れではなくて妙に金属の色が黒々としている…。
どう見ても他車種用のプレートか、純正部品ではない社外品の様なプレート?
「嘘でしょ…?!(2回目&絶句)」
それにしても謎なのはランププレートは違うのに、スライドピースは新品と全く同じ。
まさかとは思いますが、プレートだけが何らかの理由で対策品になった?
古いプレートは新品と比較して金属の厚みが薄く、スライドピースの収まりがかなり緩い。(一応、スライドピースが抜けて飛んでしまうようなことは無さそう)
クランクシャフトにがっちり食い込んで外れなかったのは、プレートの中心の穴が小さくて、無理やり奥まで押し込まれていたようです。
試しに新品のプレートを差し込んでみたところ、古いプレートよりもスムーズに定位置まで収まります。
とにかく、バラした現状を嫁さんへすぐさま報告。
さすがにここまで来ると自分の怒りがおさまらないので、義父さんがメンテに出していた時の点検整備記録簿と、出てきた部品をバイク屋へ持って行って突きつけてやろうと進言しましたが、今から軽く5年は経ってしまっているし、走っていて不具合がなかっただけでも良かったので良しとしようという嫁さんの話。(←自分よりも事なかれ主義)
そもそも今更クレームをつけたところで何の利点もないから、ワザワザこっちから出向くのは無駄な労力。
但し、二度とあのバイク屋さんには決して整備依頼をしないことになりました。
思い起こせば、昨年リアタイヤの交換を依頼した際も、原付などの小径ホイールに使用するエアバルブはL字型のバルブか、超ショートタイプを使用するのが常識なのに、ロングタイプのエアバルブが付けられていました…。
その時も「なんでこの長さのバルブを使うかなぁ…。バルブの在庫が無かったとか?
それにしたってコレはナイだろ…プロとして作業が雑過ぎる…」
と呆れたのを思い出しました。
お陰で、今でも毎回空気圧を調整する時はL字型のアダプターを使用しないと空気が入れられません。
オマケに新品タイヤのビートがきちんとホイールに嵌っていなかったため、嫁さんが走行中に『バフッ!』というビートが外れる音がしてパンク状態となり、あわや一大事という事態が発生しています。
自分がエアを充填しながらビート部分を確認すると、ビートワックスを使用した痕跡は無し…。これじゃあホイールに新品タイヤが密着しないでしょう。
結局、依頼したお店には”プロとしての技術もプライドも、まともな知識すら無い”ということがよ~くわかりました。
はっきり言わせてもらえば、仕事のレベルが低すぎて自分のようなDIY作業をする素人以下! 料金をとって行うプロの仕事とは到底思えません!(怒)
どこの店とまでは言いませんが、列記としたメーカー直系の看板を掲げているショップにも関わらず、定常的にこれほどいい加減な整備をしているのならば、遅かれ早かれ客足が遠のくのは明らかでしょう。(なのにネットでお店のクチコミを見ると、やけに高評価ばかりなのが自分には解せない…大半のクチコミがサクラか?)
LLCはホースから漏れているわ、ナットはネジ山ナメて使えないわ、なんだかんだでビーノの修復作業は追加注文した部品が年明けに届くまで強制待機。
年が明けて追加注文していたパーツが届き修復作業を再開。
まずはラジエターのアッパーホース交換からスタート。
古い方(右)はゴムが硬化して今にでも割れてしまいそう…。
一応向きがあるので、差し込む方向を間違えないように元に戻します。
サーモスタットのハウジングから伸びているノズルにはだいぶサビが…。
中も若干サビているような感じ。
一度、ラジエター本体も取り外して水通しして内部を清掃しましたが、ラジエター内からはサビが出てこないので、ウォーターポンプとサーモスタットはまだ大丈夫そう。
LLCを大体の目安で希釈後に補充。
メットイン部分を外してエア抜き穴からLLCが溢れるの確認してラジエター周りの作業は終わり。
クラッチシューはさほど減ってはいなかったので、注文してあった新品は保管。
チャチャっとベルト、プーリー、ウエイトローラー、ランププレート、スライドピースを新品に交換して、クランクケースを元に戻し、クランクケースのカバーを開けたままでエンジンをかけて動作確認。
ガラガラと異音がしたり、妙な振動が発生すれば、ウエイトローラー左右の向きを間違えているので、一旦開けたままで確認するのは直ぐに直すための対策です。
駆動系の作業が終わったところで、次はエンジンとギアオイルの交換。
抜けてきたオイルは煤けて真っ黒。まるで墨汁のような黒さ。
もっとこまめに交換してあげないと可哀相ですね…(反省)
ギアオイルはまだまだ透き通っていて綺麗な状態。
これならギアオイルを交換する必要が無かったカモ。
もちろんエンジンとギアオイルのドレンパッキン(銅ワッシャー)は新品に交換。
純正オイル(←自分にとっては高級品!)をゲージの真ん中くらいまで補充。
自宅の近所を軽く試走して異常の有無をチェック。
シメは軽く洗車して、年末から足掛け3週間に及ぶ一連の作業が完了!!
オイル交換した甲斐もあり、以前よりもかなり滑らか感が増したスムーズな出だしになりました。
最近は自分がこの原付に乗ることも無く、完全にメンテナンス担当になっていますが、暖かくなった頃にまた一人でプチツーリングしてやろうかと企んでます(笑)