『TOP 10 WRC DEBUTS OF THE DECADE』
マルティンシュ・セスクスは、オーレン・ラリー・ポーランドでWRC(世界ラリー選手権)のトップカテゴリーに初出場し、驚くべき成績を残し話題になっている
若きラトビア人ドライバーは、スピードと成熟度を存分に発揮し、トップカテゴリーのマシンをドライブするチャンスを掴み、先週末に総合5位という素晴らしい成績を収めた
WRCデビューで印象に残ることが将来の成功を保証するわけではありませんが、不利益になる事にはなりません
そして、WRCのトップレベルで最初のチャンスを与えられたときに力強いパフォーマンスを発揮したドライバーは、セスクスだけではありません
しかし、それがすべての人に上手くいくという訳でなく、ドライビングミスであろうとメカニカルトラブルであろうと、WRCデビューの中には異なった理由で歴史に名を遺すこともあります
わずか4週間後のラリーフィンランドで、次にデビューするサミ・パヤリがその法則のどちら側に当てはまるかが分かりませんが、WRカーであろうと現在のRally1カーであろうと関係なく、2020年代のWRCデビュー戦のベストリストをまとめてみました
見事に、10人のドライバーがこれを達成しているので、これをトップ10にして発表
まずはトップ10~トップ6まで・・・
10 オーレ・クリスチャン・ベイビー
WRC2クラスでヒョンデのドライバーして1シーズンを過ごしたオーレ・クリスチャン・ベイビーは、2020年シーズン最終戦のモンツァで2Cコンペティションからi20 クーペ WRCのキーを渡された
R5マシンで4シーズンの経験を持つベイビーは、好成績を残すと期待され、レグ1では総合8位でしたが、残念ながらレグ2のSS10でクラッシュしてリタイアとなりました
ベイビーはその後2度このマシンをドライブしましたが、どちらもWRCでは無く、また、COVID-19蔓延によりチャンピオンシップが6カ月中断となったため、彼自身のWRCでのキャリアが縮められることとなった
現在、彼はWorldRX(世界ラリークロス選手権)に、6度のチャンピオン獲得者であるヨハン・クリストファーソンのチームメイトとして参戦している
9 ピエール=ルイ・ルーベ
皮肉なことに、モンツァで2Cコンペティションのシートをベイビーに奪われたのが、このリストの次のピエール=ルイ・ルーベである
2019年のWRC2クラスでタイトル獲得後、ルーベは2020年にエストニア・ラリーでトップカテゴリーのマシンにステップアップしたが、それはCOVID-19の影響でカレンダーが中断されるまでの事だった
ルーベはイベントを通して着実に進歩し、最終日を迎える時点で総合9位につけていたが、SS13でステアリングトラブルで初出場をリタイアせざるを得なかった
フランス人ドライバーの2Cコンペティションではフラストレーションに悩まされたが、2022年にM-スポーツからスポット参戦したことで、真の実力を世界に示し、それが2023年にフルシーズンに繋がったものの、メカニカルトラブルやドライビングミスが重なり、物事はうまく進まなかった
ルーベは今年、トクスポート・シュコダでWRC2クラスに復帰したが、ポルトガルでは横転してリタイアとなり、サルディニアではメカニカルトラブルで完走出来ず、ポーランドではパンクに悩まされ、これまでのところフラストレーションのたまるシーズンとなっている
8 アルベルト・ヘラー
地元のヒーロー、アルベルト・ヘラーは、昨年のラリー・チリでRally1デビューを果たした2人のドライバーのうちの1人だった
M-スポーツ・フォード・プーマのハンドルを握る時間を明らかに楽しんでいるチリ人ドライバーは、初日を終えて着実に進歩し、トップ10内を走行したが、土曜日は他の多くのドライバー同様、タイヤ選択を誤り2回パンクし、最後のステージでは石にぶつかってステアリングを損傷したため、より難しいイベントとなった
ヘラーとコドライバーのルイス・エルネスト・アジェンデは最善を尽くしたが、オーバータイムとなり、その日はリタイアせざるを得なかったが、日曜日に復帰して15位でフィニッシュした
ヘラーは今年、国内で2回、イタリアで1回出場したが、昨年はRally1でのさらなる参戦に前向きだと示唆していたため、今年後半のラリー・チリに再び出場する可能性が高い
7 グレゴワール・ミュンスター
昨年チリでトップクラスデビューを果たしたもう1人のドライバーは、現在のM-スポーツのワークスドライバーであるグレゴワール・ミュンスターだった
友人であり個人的な支援者であるジョルダン・セルデリディスが所有するプーマ Rally1を運転するミュンスターは、M-スポーツのフィエスタ Rally2でWRC2クラスに参戦した後ステップアップし、チリはプーマ Rally1で2戦出場した最初のイベントで、その後にセントラル・ヨーロピアン・ラリーに出場した
2つのイベントの中ではCERの方が納得のいくパフォーマンスで、チリでは7番手と好調だったミュンスターは、コースアウトしてバンクにぶつかりタイヤをパンクさせ、その瞬間、ミュンスターの砂埃に巻き込まれてしまったカッレ・ロヴァンペラは「まるで、目の前にバナナや煙玉を投げつけられながらスーパーマリオカートをプレイしているようだった」ステージ終了後にジョークを飛ばした
ミュンスターはラリー・チリを13位でフィニッシュし、現在はM-スポーツのRally1カーのドライバーとして初のフル参戦を果たしており、これまで7戦を終えている
6 ヤリ・フットゥネン
不運にも忘れ去られたドライバーの一人であるヤリ・フットゥネンは、M-スポーツから2022年ラリー・フィンランドに一度だけ出場し、9位でフィニッシュし、世界選手権で2ポイントを獲得している
しかし、フィンランド人ドライバーにとって残念な事になっているが、もっといい成績を残していたかもしれない
ヒョンデのドライバー育成プログラムでスポットを獲得した後、フットゥネンはフィンランド国内戦でi20 クーペ WRCをドライブしましたが、世界選手権では一度もドライブしませんでした。ヒョンデ・モータースポーツNとの関係を断ち切った2020年のシーズンでフットゥネンは、ポーランド選手権とWRC3クラスでタイトルを獲得し、再び注目を集めました
ラリー・フィンランドのチャンスは、M-スポーツとのWRC2クラス参戦中に訪れ、SS8で燃圧の問題で後退するまで、総合8位(プーマ Rally1のチームメイト、ピエール=ルイ・ルーベとガス・グリーンスミスに先行)と好成績を収ていた
断続的なパワーステアリングの問題により、イベント終盤は苦しい展開となったが、フットゥネンは25位から9位まで挽回した
昨シーズン、彼はフィンランド選手権に専念し、ランキング3位で終えたが、30歳となったフットゥネンは、2024年のイベントにはまだ出場していない
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現在のヒョンデは、次世代ドライバーを育てるよりも、現時点でポイントを稼げるドライバーを優先して起用して、若手ドライバーは使い捨てのような状態
まぁヒョンデは、今が良ければそれで良いんでしょうからねぇ
ただ、M-スポーツ・フォードでデビューしたドライバーは惜しい事に、M-スポーツに3台目を用意できるだけの資金力が無いばかりに、シートを得られないのが残念ですよねぇ(o´_`o)ハァ・・・
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Posted at
2024/07/10 19:13:00