『GUTTED M-SPORT FEELS LIKE IT ‘LET SESKS DOWN’』
M-スポーツ フォード WRTのチーム代表リチャード・ミルナーは、ラトビア人ドライバーのマルティンシュ・セスクスが、ほぼ手にしたと思われた表彰台をパワーステージで逃した事で、チームが彼を失望させたと感じている
WRC(世界ラリー選手権)のトップカテゴリーに、2度目となったテト・ラリー・ラトビアに、フルハイブリッドのプーマ Rally1で出場したセスクスは、金曜の午前のステージで、最終的に優勝したカッレ・ロヴァンペラにプレッシャーを掛けた
ロヴァンペラやセバスチャン・オジェは、セスクスの抵抗が及ばない程の強さを見せ付けたが、彼は経験不足にも関わらず善戦し、最終パワーステージを前にオイット・タナックに対して4.6秒の差を付けて、ホームイベントで初のWRC表彰台を獲得するかに見えた
しかし、パワーステージの600mを過ぎた辺りでマシントラブルに見舞われセスクスは、フォード・プーマ Rally1 ハイブリッドを何とかフィニッシュまで導き、7位でイベントを終えた
セスクスは、最終ステージでメカニカルトラブルに見舞われるまで、キャリア初のWRC表彰台フィニッシュを目指していた
「スタートして600m程の処のヘアピンの右コーナーでした。そこまでは全てが順調で、右コーナーに進入して、立ち上がりで1速から2速にシフトアップした瞬間に何かが破損し、次のコーナーにもたどり着けないところだった」と、セスクスはDirtFishに説明しました
「その瞬間、何が起こっているのか理解できなかったが、直後に表彰台が遠退いた事を理解し、とにかくマシンをフィニッシさせる事だけに集中した」
正確な原因は何かつかめていないが、判った処で結果が変わる事は無く、ミルナーは、セスクスがパフォーマンスに相応しい結果を得られなかった事を残念に思った
「チーム代表の立場から言えば、本当に残念な事です」と、ミルナーはDirtFishに語った
「最後の最後で彼を失望させてしまったような気がする。何が起きたのかは分からないが、ただ・・・皆いつものように一生懸命頑張って、ここまで僅差で最終パワーステージでの戦いを見るのを楽しみにしていた。皆さんもそうだったと思っています。それ故に、お詫びする事しかできません」
「私にとっては受け入れ難いことだが、彼が受け入れられる気持ちは想像もつきません。正直に言うと、彼がここに来た時の反応は彼のプロ意識を示すものだと思います」
「今後数日間、彼は辛さを味わう事になるだろうが、今週末に彼が成し遂げた事は、ステージ終了後にタナックがコメントした事に、何も付け加える事は無いでしょう」
「地元と言う事で、路面状況やルートに関する予見に関してはいくらでも議論できるが、それでも、ハイブリッドパワーも備えたRally1カーを120mphで木々の間を縫うように走らせ、セバスチャン・オジェを土曜の午前中まで抑え込んだのは凄いことです」
セスクス自身は楽観的な姿勢を見せ、明らかなネガティブな面よりも週末の大きなポジティブな面に焦点を当てていた
「もちろん、何にも文句を言うことはありません」と、彼は言った
「チャレンジングな19のステージで、浮き沈みはありましたが、常に世界チャンピオンの間に位置する事ができたので、数日でこの思いは消化できると思います」
「フィニッシュ後に彼達から受けた言葉は、何物にも代えられるものでは無いと思います。また、勝利や良い結果からは、これらの困難なことからほど多くを学ぶことはできないと思います」
ミルナーは以前にも、エルフィン・エバンスがコルシカで確実な勝利を失ったときに悲痛な思いを経験しました
しかしミルナーは、2019年のツール・ド・コルスでエルフィン・エバンスが最終ステージのパンクに見舞われ、チーム代表として初めてのWRC優勝を奪われた経験を慰めとなるかは分からないが、セスクスに話した
「私たちはこのような結果に終わってしまって、とても残念です。でも彼には、2019年のツール・ド・コルスで、表彰台には上がったが、最終パワーステージでパンクして順位を落とした事を話したよ」と、彼は言った
「私は彼に『君に何が起こるか分からないが、エルフィンはそれ以来成長を続け、今に至ってる』と言いました。今は大変かもしれませんが、これからもっと良いことが起こるかもしれません。そうなると信じてます」
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チーム代表にとっては、最終パワーステージでのメカニカルトラブルで表彰台を逃した事は、セスクスと共に悔しい思いでしょうね
しかしミルナーだけで無く、他のドライバーがセスクスに掛けた言葉に嘘偽りは無いもので、セスクスにとっては励みになるものだと思います
因みに、最終パワーステージ終了後タナックは「僕もスピンしてしまった、非常に難しいコンディションのステージだった。セスクスは素晴らしい仕事を成し遂げたとしか言いよう無いものだ。確かに彼はルートや路面状況に熟知していたかも知れないが、彼のドライビングのスキルは疑いようのないもので、初めての表彰台を手に入れれば素晴らしいものになっただろうが、この結果は彼を更に強くしてくれるものだ。彼の速さは僕達も後押ししてくれた」と、語った
フィニッシして、表彰台に登れる成績を収めた訳でも無いセスクスが、ルーフに上がった事を批判する方もいるかも知れませんが、応援してくれた母国の方々には、誇れる姿を見せたのは、立派だと思いました
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2024/07/22 19:38:48