関門海峡を通れないサイズのコンテナ船があるとは露知らず。山口出身の私は、スピットファイアを載せたコンテナ船が関門海峡を通った後に
故郷のすぐ沖合いを通ると思ってワクワクしていたので、少し残念でした。
そんな関門海峡は、
日本三大急潮流の一つとされるところです。
潮流の最高速度は、
9~10ノット(16.7~18.5km/h)にもなります。それは鳴門海峡に一歩譲るものではありますが、幅が狭い上に細長いS字クランク状になっていて、川のように続くその長さに関しては他を圧倒するものです。
https://kanmontime.com/rapid-tide-tour/
これがどれくらいすごいのか、他の例との比較で少し考えてみました。
私が宇都宮に住み始めた2015年に、茨城県常総市付近で
鬼怒川の数ヶ所で越水する大雨が降ったことがあります。周辺の家が流される中、
1軒だけ流れに耐えた「奇跡の家」が話題になったので、記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。
https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/14/hebel-house-kinugawa-joso_n_8132924.html
宇都宮はそこよりは随分と上流ではありますが、その日、私は、
最も増水していた頃に鬼怒川を車で渡りました。私が通る辺りの鬼怒川は、いつもは100mを下回る幅にしか水は流れていないと思いますが、そのときには
堤防間めいっぱいまで水が来ていました。
堤防間の幅は500mくらいで、広いところでも700mくらいだと思います。いつもは
球場や公園のある河川敷もすべて川底に沈み、激しく濁流が流れる恐ろしい大河となっていたのです。
見ているだけで吸い込まれそうで、橋を渡るのが恐ろしかったのを覚えています。
そんな鬼怒川の流速を調べてみると、通常は0.68m/s程度の速さで、
台風や大雨のときでも4.5m/s@上流部(下流部は1.5m/s程度)とのこと。これを時速にすると、
16.2km/hとなります。すなわち、
猛烈な流れに恐ろしさを感じたあの鬼怒川よりも、関門海峡の方が流速が速かったりするのですよね。宇都宮は上流部とまでは言えないので、流速はさらにもっと遅かったはずなのでなおさらです。
関門海峡に行ったことがある人は、
川のように潮が流れている様子を見たことがある方もいらっしゃるかも知れません。関門海峡はS字の北側の屈曲部の
最も狭いところで700m程度、南側で1km程度なので、まさに日本にある大きな川と同じくらいの幅です。
ただし、最近の大型コンテナ船にとっては浅かったとしても、深さに関しては圧倒的に関門海峡の方が深いでしょうね。その深さのせいか、
増水時の川のような荒れ狂う印象は受けないのですが、潮汐の具合によっては、
実は川どころではない勢いで潮が流れているということです。
‥‥と、そんなことを考えていると。
関門海峡を最後に眺めたのは、もう20年は前のことだと思います。改めて大潮の日の潮の干満に合わせて、関門海峡を見に行きたくなりました。いつか時間を作って、もう一度眺めてみたいですね。ここには本当の大型船はいないんだとわかりつつも。
《おまけ》
スピットファイアを載せたコンテナ船SEASPAN BEACONは、今朝、横浜港に到着しました。
https://youtu.be/qBq23BKLJzA
横浜港には約80のバース(岸壁)があり、そのうちの南本牧ふ頭にあるバースMC-1とMC-2は水深16m、MC-3とMC-4は水深18mです。
SEASPAN BEACONは、この日本にわずか2ヶ所しかない18mの水深があるMC-3の方に接岸しました。15.5m喫水の船が、16m水深のバースに接岸する例の確認とはいきませんでした。
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Posted at
2025/07/12 14:16:04