
友人が「レクサスに試乗しよう」と言うので、行ってみたらこれでした。
元々、ヤマハなんぞと一緒にプレジャーボートは(ポーナムだっけ?)やっていたトヨタですが、ここに来て本格的なラグジュアリーラインに参入だそうです。
実は既にマイチェンされていて、今はLY680らしいんですが、内容はほぼ変わらず、65フィートの大型艇。これになると一人で操船は出来なくて、キャプテンなどスタッフを雇う必要があるそうです。
エンジンはコンセプト時のトヨタエンジンではなく、ボルボペンタの1.2万cc二基掛け。本気出すとリッター200m以下(40ノット出る、クラス最速レベル)、という実にエコな乗り物。船の場合、リッターxxkmという言い方はあんまりしなくて、一時間当たりxxリットル消費、というのが一般的のようで、試乗時にモニターをチェックしたら12ノット巡航で時間当たり11リットル消費でした。これは、エコらしい。
当日は不運にも我々乗船時間だけ土砂降りで予定の航路を航走出来なかったのですが、ナギの状態とはいえ乗り心地は良く、どうやらこれは外注先のノーハウにトヨタの技術(当日はエアレースやLCの開発スタッフが乗り込んでいて、この人が設計に参画していたようで)が入っているとのこと。
思わず、サンシーカーやアジムットに肩並べますねぇ、と言ったら「目指すはそれ以上」なんだそうで。価格も発表時6億、今は10億なんだそうです。確かにそれはサンシーカー以上。
説明を受けていると、サンシーカーだとフェイク材のところを、こちらはきちんとユーカリなどの天然木材を利用したり、とにかく建付けをきちんとしている、というわけです。日本の海はとても特殊で地中海やバルト海をクルージングするより潮と波が非常につらく当たってくるそうで、他が内装ボロボロ外れるシーンでも、LYなら持ちこたえられるようにしてある、というわけです。
面白いのは、船はウワモノの影響が2%くらい?というレベルなんだそうですが、そのウワモノの設計にも凝っているそうで、これは例えばトヨタが最近採用しているスタビライズフィンの思想にも通じているそうです。粘性抵抗や造波抵抗は自動車に関係なさそうだけど、関連する技術があるんだなぁ、、、、と感心しました。
結局この船、やっている事は初代セルシオと同じで、他のラグジュアリーに殴り込み掛けるなら、作り込みを1ランク2ランク上にするのは当たり前で3ランクくらい作り込んでも勝てるか解らない、という感じなんだと思います。
だって、なんだぁかんだぁ、サンシーカーやアジムット、プリンセスとか色々なライバルが既に居るところに入っていかなきゃならないわけで、そりゃ大変ですよ。
というのも、現実的にこの船を買う人は7年という減価償却を見込んで10億をどう使うか悩んでいる超富裕層なわけで、そういう人に認知してもらうのは大変なこと。ボクみたいなの載せて、やれ性能がいいとか、ここの作り込みが魅力、、、というところとは別次元の問題で現実的な購買検討がなされるわけです。
比較されるのはプライベートジェットなんだそうで、あちらはなんと減価償却2年ということで、現実問題乗りもしないのにとりあえず買って1.5年で次に乗り換えて、、、という事がそこかしこで起きているそうです。中古相場どっかで破滅しないんだろうか、、、
ボクの個人的な印象としては、まず個人資産で買う事はないだろう、とはいえ一流企業の福利厚生でもなさそう。となると、非上場のオーナー大手企業(Y電線とか)のオーナーが、相続税とか所得税とか別に痛くも痒くもないけど、どうせなら船でも買っておくか、、、と年間100億くらい遊び金が絶えず入る予定がある人が、ぼんやり買う、、、、そんなイメージが浮かびます。
だって、10億円で買って、なんぼ節税出来ても、ランニングコストが大体買った金額の一割くらい年間掛かるとか言うんですもん、、、なんや年間1億円も掛かるんか、、、と思うと、、、
ちなみに、試乗中、そんな話をしているのはボクと友達くらいで、あとの人は純粋にクルージングを楽しんでいました。うん、それがほんと正しいと思う。。。
葉山に母屋が外から見えないレベルの豪邸を別荘に持ち、マリーナにLFAで行って、LYに乗り込んでサンセットクルーズして、愛する妻と悠久の時間を楽しむ、、、
日本にどれくらいおるんでしょうなぁ、、、そんな方がた。
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2024/10/08 09:48:22