
【モデル概要】
『日産 レパード』は1980年デビュー。それまで[2ドアクーペ]というのが既成概念のようになっていたスペシャルティカーのジャンルに、初めて4ドアというバリエーションを持ち込んだ画期的な車だった。 ...が、周知の通り、半年後に登場した
トヨタ ソアラが大きな注目と支持を集めてしまい、お株を奪われた感は否めない。
そして1986年1月、まずソアラがモデルチェンジし二代目に。当時の“パワーウォーズ”を敏感に察知したトヨタは、3Lはターボをプラスした『7M-GTEU』(230ps)を、2Lはツインターボを装着した『1G-GTEU』(185ps)を搭載して登場させた。
そして翌月の2月にレパードがモデルチェンジ。二代目レパードは案の定と言うか、初代ソアラの影響を大きく受けており、4ドアが落とされ、ソアラにディテールのよく似た2ドアクーペボディのみでの登場だった。 ...が、3Lはターボ無しのNA(185ps)のみ、2LはSOHCターボ(155ps)のみというラインナップで、レパードは“後出し”にも関わらず、パワーやスペックといった“記号性”でソアラに大きく遅れを取り、セールス面でまたしてもソアラの後塵を拝す結果となってしまった。
その後、レパードは1988年8月にマイナーチェンジ。3Lにターボを追加(255ps)、2LもDOHCターボ(VG20DET/210ps)を搭載しソアラに対抗したが、時既に遅し。セールスでソアラを逆転することは叶わなかった。
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....という事になるが、私的には、
初代後期と同様にパール/ゴールドツートーンがイメージカラーだった二代目ソアラよりも、濃紺がイメージカラーだったこのレパードの方がより上品に感じられたし、ボディスタイル的にもこちらの方が好みだった。当時、両車のお手本的存在に 『
BMW 6シリーズクーペ』 の存在があったが、それに引けを取らない美しいフォルムだったと思う。
当時の刑事ドラマ『あぶない刑事』に、ゴールド/グレーツートーンのアルティマが使用されたのも有名な話。二年後の『もっとあぶない刑事』では、マイチェン後の紺/グレーツートーンのアルティマターボが使用されていた。その影響も多分にあるのか 今でもこのF31系レパードのファンは多く、
専門店まで存在している。
2ドアのスペシャルティクーペがほぼ壊滅状態にある現在、この当時の『ソアラvsレパード戦争』は非常に懐かしく感じられるが、唯一跡を継ぐ存在としては
スカイラインクーペが挙げられるかと思う。その大変貴重な存在であるスカイラインクーペ、今年モデルチェンジが予定されているが、残念ながら今の日産車を見る限り、次期型にはあまり期待は持てそうにない。
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日産 レパード V30ツインカムターボ アルティマ [FR/4AT] ('88.8~'92.6) ※後期型
全長4805mm×全幅1690mm×全高1370mm ホイールベース2615mm 車両重量1520kg
2960cc 255ps / 35.0kgm P/W レシオ5.96kg/ps 車両価格416.2万円
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日産 レパード アルティマ [FR/4AT] ('86.2~'88.8) ※前期型
全長4680mm×全幅1690mm×全高1370mm ホイールベース2615mm 車両重量1460kg
2960cc 185ps / 25.0kgm P/W レシオ7.89kg/ps 車両価格383.7万円
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トヨタ ソアラ 3.0 GTリミテッド [FR/4AT] ('86.1~'91.5) ※↓のスペックは前期型
全長4675mm×全幅1725mm×全高1345mm ホイールベース2670mm 車両重量1520kg
2954cc 230ps / 33.0kgm P/W レシオ6.61kg/ps 車両価格447.9万円
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BMW 635CSi [FR/4AT] ('76~'90) ※'89年モデル
全長4815mm×全幅1740mm×全高1365mm ホイールベース2630mm 車両重量1580kg
3430cc 211ps / 31.1kgm P/W レシオ7.49kg/ps 車両価格868万円
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Posted at 2006/07/26 23:01:57 | |
車 - 私的名車列伝 | 日記