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2017年07月27日 イイね!

グリップの前後バランスの話。

グリップの前後バランスの話。この記事は、NBロードスター 脚回りの話(NBセッティング編)について書いています。

珍しく技術的な話です。
トラックバック先のmizuhoさんのブログを拝読して、個人的に思うところもあり長いコメントを書いてしまったのですが、mizuhoさんもグリップ設定の話に興味を惹かれるとの事でしたので、図付きで深堀りしてみます。

トップ画はmizuhoさんのブログのものとほぼ同じアングルで撮られていますが、写っているのは僕です(笑) まだ脚がノーマルだった頃ですね。かく言うこの写真を見て今回の話を思い付いたという…。
以下はあくまで素人の思い付きですので、そのつもりで読んで頂ければと思います。

トップの写真で注目すべきは前後外輪の接地状態です。
フロント外輪は転舵軸による助けもあり路面とほぼ垂直に接していますが、リア外輪は対地でポジティブ側に振れています。図から直感的に明らかですが、この時フロントはグリップを有効に使えている一方、リアは対地アライメントが崩れた分だけグリップ総量が不足します。



コーナーでの総グリップは外輪のものが支配的ですから、上記の「フロント>リア」のグリップバランスがクルマの挙動にどう作用するかを考えて行きます。
まずはクルマの重心軸中心の回転…所謂「自転軸」ベースで見て行きましょう。
クルマは加減速していないパーシャルの状態で、「フロント>リア」の外輪摩擦円を描いてみると、限界状況では図の通りリアが先に一杯一杯になります。ロードスター純正アシはまさにこの状態になるので、後輪駆動ですから目一杯の旋回中にアクセルを踏めば簡単にスピンモードに至ります。

基本的にはフロントのグリップが勝っている関係ですから、ドライバーからしてみれば“曲げ易い”印象になります。クルマは自転し易いので、即ち向きが変え易い…という意味になります。



続いて、視野を広げてクルマの旋回軌道の中心=「公転軸」ベースで考えます。
この視点で見てあげると、フロントのグリップに余力があるのにリアのグリップが一杯一杯なのでクルマはこれ以上踏ん張れません。しかも後輪駆動ですから、加減速あるいはハンドル切り増しの操作はいずれもスピンに繋がります。この場合、いずれにしてもリアのグリップが不足するので公転に対する前後バランスは悪く、その分だけコーナーでの限界は低いと言えます。

TC1000を走った際に実感したのですが、速度域が上がるとロードスターの挙動は最早「何をやってもスピン」という感じです。ロードスターを弄って速くしようとする方は大抵リア側の踏ん張りを効かせようとしますが、ノーマルの基本特性からすれば頷ける話です。



ロードスター以外のスポーティーカーは、僕の知る限りどれもロードスターよりリアを効かせています。(同じ後輪駆動でも例えばBMW各車、S2000、Exige S2等々…)
クルマが向きを変え易くて限界が低いとなると端的には「危なっかしくて遅い」ですから、これは理屈からすれば当然の判断のように思われます。

一方で、上記のような基本特性があるからこそロードスターは、ロードスターしか持ち得ない圧倒的な回頭性を誇ります。「どこまでも曲げて行ける」というフィーリングの妙に於いて、僕はロードスター以上のクルマを未だに知りません。
ロードスターは限界が低いですが、開発者側の見切りとして明らかに高速域の直進安定性を捨てている所があります。僕の感覚では100km/h以下。国内で言えば山岳のワインディング程度の速度域で、ちょうど破綻しないレベルで楽しむべく狙いを定めているように思われます。

上記のような開発者側の狙いと、それを実現する各部の技術が、ロードスターをLWS界の絶対覇者たらしめているのだと思います。必ずしも「限界が高い=良い」では無いという、競技車ならぬ市販車ならではの見方・考え方は、クルマ趣味を深めて行く中で非常に面白いポイントなのでは無いでしょうか。
Posted at 2017/07/27 22:17:00 | コメント(3) | トラックバック(0) | 雑記 | 日記
2017年07月16日 イイね!

気晴らし。

気晴らし。ちょこちょこ写真upしていますが、僕は昨年より登山を楽しんでいます。「ロードスターで行けない景色」を撮るのがその主要な目的の一つです。昨日は尾瀬に行って来ました
夏らしい青々とした光景を楽しむ事が出来ました。

前日入り車中泊→日帰りで至仏山を登るという中々の強行軍でしたが、無事に行って帰って来れました。
今朝はぐっすり寝て何だか清々しい気持ちです。

週末に好天だとついつい何処かへ出掛けてしまう僕ですが、改めて“気晴らし”は大切だと思います。「気が晴れる」と書いて気晴らし。生きていると様々な悩みや困りごとを抱えたりしますが、好天のハイキングに出掛けると正に字の如く、「気が晴れる」という感覚を得ます。
それで悩み事が解決する訳では無いのですが、「気が晴れる」事によって思考も前向きになって、何だかんだで悩みも解消されたりするものです。

なので、自分なりの“気晴らし”の手段を持っておく事は大切だと思うのです。
僕が登山で得る「気が晴れる」感覚は、オープンカーで景観の良い道を走り回った感覚に似ています。今回輸送車として活躍したGolfはとても優秀なクルマですが、オープンの爽快感は味わう事が出来ません。Lotus Exigeはとても刺激的で楽しいクルマですが、オープンで味わえるあの感覚とはやはり異質な所があります。

オープンカーは外に向かって開かれているクルマですが、オープンカーに乗ると気持ちもまた開かれるのだと思います。クルマという一つの枠組みの中で、これはオープンカーならではの美点なのかも知れない、という気がしています。

そんな事を考えた、夏の週末でした。
Posted at 2017/07/16 21:30:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 雑記 | 日記
2017年06月25日 イイね!

スムーズな運転。

スムーズな運転。ちょっと前に、森慶太著・国政久郎監修『別冊モータージャーナル 四輪の書』を読みました。
学べる事も多く面白い一冊でした。

監修の国政氏は元々ダートラなど競技ドライバー出身の方で、今は足回り系チューニングショップの代表をされています。そういう経歴ですから、クルマの挙動に関する氏の言説は理論に加え、実戦で得たノウハウも詰め込まれていて、この本をとても読み応えのあるものにしています。

クルマの運動とはとどのつまり、「4つのタイヤの摩擦力をどのように使うか」でしかありません。
例えば「速い運転」というのは、タイヤの摩擦力を可能な限り効率的に使った運転です。
コーナーでは急減速からステアを切ると同時に徐々にブレーキを抜き、後半では今度はアクセルを徐々に踏み増しながらステアリングは中立に戻してゆきます。こうして縦グリップ(減速)→横グリップ(旋回)→縦グリップ(加速)を連続的に入れ替えて、スムーズにクルマを運動させてあげる。

これが自然に出来る人、即ち上手な人の運転はクルマの動きが本当に滑らかです。
クルマが変な動きをしないので、飛ばしていても同乗していて安心出来てしまいます。

これは、スポーツドライビングに限った話ではありません。
クルマを速く走らせようとしたら、可能な限り摩擦力を発揮させるべく縦横の加速度の限界ギリギリを狙うワケですが、普段の運転はこれに対して、加速度の絶対値が小さいに過ぎないのです。
交差点などでも上記の要領で、減速→旋回→加速の動きを滑らかに作ってあげる。
これが綺麗に繋がると何だかクルマとの一体感も得られるし、何よりこうした小さな積み重ねが最良の運転トレーニングになるのだと思います。

ただ速いとかドリフトが出来る事だけがドライビング・テクニックなのではありません。
今後もより良い運転が出来るよう、精進したいと思いました。

※写真は2017山陽・山陰ツーリング、鷲羽山スカイラインにて
Posted at 2017/06/25 21:02:14 | コメント(1) | トラックバック(1) | 雑記 | 日記
2017年06月03日 イイね!

魂の駆動体

魂の駆動体…という小説を読みました。
この本自体は数年前に買って一度読んでいたのですが、久々に読みたくなって引っ張り出してきました。

“クルマ”が主役のSF小説なのですが、テーマはかなり抽象的です。
あらすじですが、この小説は「過去」「未来」「現在」の3パートで成っています。「過去」…と云っても僕らからしたら近未来。自動車=自動運転車となった世界で過去の遺物となった、自分で運転する“クルマ”を設計し始める2人の老人の物語から始まります。続く「未来」はそれこそ遠く彼方の未来、人間に代わって翼の生えた「翼人」が生きる世界に移ります。たった2人の人間と発掘された“クルマ”の設計図。人間と翼人達によって再生された“クルマ”と、“クルマ”を運転する事の本質を巡って物語が展開され、最終章「現在」にて物語は幕を閉じます。

自動運転が現実味を帯びてきたいま、この小説はとても興味深く読めました。
(驚くべきことに、この小説は20年以上も前に書かれています)

自動車の自動運転化については色々な意見があるかと思いますが、自動運転は今後どんどん普及するでしょうし、僕もそれには肯定的な立場です。
自動車を「実用的な移動/輸送手段」だと考えるならば、それは当然の帰結だからです。

一方で、自動車には別の本質として「身体機能の延長」(マツダっぽく言い換えれば“人馬一体”)という側面があるかと思います。だからこそ、未だ公共交通機関などに頼らずに、わざわざ自分で運転してお出掛けする人が(僕も含め)一定数いるのです。「身体機能の延長」としてのクルマは、例えば「歩きたいから歩く」ように「運転したいから運転する」のです。

ですから、主題の小説の「過去」のように、自動車=自動運転車に画一化される将来には僕はならないと思っています。この小説の言葉を借りれば、“自動車”と“クルマ”は併存する関係になるのでは無いかと。それどころか、クルマ=自分で運転する「身体機能の延長」…はむしろよりピュアーにスポーツカー的に進化するのではと、楽観的に考えていたりもします(笑)

そんな将来を見据えて僕に出来る事は、相変わらず運転の楽しさを味わって再確認して、残しておく事ぐらいでしょうか。

とまぁやはり抽象的なお話になってしまいましたが、クルマの持つ“ワクワク感”を思い起こさせる良著だと思います。梅雨入りしてお出掛けも億劫な週末などに、ご一読は如何でしょうか。
Posted at 2017/06/03 17:35:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 雑記 | 日記
2017年05月17日 イイね!

【まとめ】山陽・山陰ツーリング あとがき。

【まとめ】山陽・山陰ツーリング あとがき。GWツーリング最終日の記録と、まとめです。

と云っても最終日は、さすがに8日間走り続けてお腹いっぱいだったのと、帰省ラッシュに嵌るのが嫌だったので高山から松本へ真っ直ぐ抜けて中央道で帰宅しました。
途中、山間から覗く朝陽に照らされた槍ヶ岳の姿が恰好良く、印象的でした。いずれは登ってみたいです。
そんなこんなで朝8:30頃には自宅に到着。
最終日の走行は291.6km、総走行は3682.1kmとなりました。

「山陽」「山陰」とわざわざ分けて括られるだけあって、それぞれ全く異なった印象を受けました。
山陽の海沿いはとにかく風光明媚で、瀬戸内海の景色が楽しく、また大きな街や工場が多いです。
その分だけ人も交通量も多めでした。
一方で山陰の海沿いの景色はひたすら広がる日本海です。
角島や島根半島で見たブルーの海面が印象的ですが、山陽と比べると変化に乏しいですね。
それと山陰の方が交通量も少ないので、走って気持ち良いのは山陰です。

山陽・山陰は高い山が無いのが特徴です。今回走ったルートでは、6日目の大山周囲はそれなりに山岳路ですが、それ以外は内陸でも「丘陵地のワインディング」といった風情でした。
8日目に高山へ向かうにつれ、「これはこの1週間見なかった景色だ」と直感しました。
お陰で内陸の道は何処も走り易く、ハズレが無いのですが、山よりも瀬戸内海沿いの景色等々を求めるのがこの地域の正しい楽しみ方なのかも知れません。

今回は今までに無く多くの観光地に立ち寄りました。(宮島、秋芳洞、鳥取砂丘、天橋立等々…)
そもそも歴史の旧い地域なので、観光スポット自体が多めなのかも知れません。
僕は混雑が嫌いなので朝イチか夕方を狙いましたが、お陰でスムーズに楽しむ事が出来ました。
(バタバタする羽目になるので、ゆっくり楽しみたい向きには全くお奨め出来ません…)
夕陽に照らされる厳島神社の大鳥居は、これは神々しい光景だと思いました。

「ロードスターで全国巡り」目標も既に8割は達成しました。
あと未踏なのは紀伊半島だけですので、来年はこの辺りをぐるぐる走り回る事になりそうです。
自分自身の走行記録だけで、日本地図が描ける日が待ち遠しくて仕方ありません。
という訳で、当面はのんびり構想を練るとします(笑)
Posted at 2017/05/17 19:58:26 | コメント(5) | トラックバック(0) | ツーリング | 日記

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「@@まーぶる 燃費重視で惰性走行するので今回はそうでもなかったですが、全開だとキツいですね〜。最後の90°なんて下りですから尚更😅」
何シテル?   06/16 18:35
あにと申します。 神奈川で技術者やってます。 20代の頃はNB8Cロードスターで日本各地を走り回っていました。とにかく運転するのが楽しくて、運転技術もロ...
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