うちには2台もクルマがあるのに、どちらもABSナシ。1台に至ってはブレーキブースター(マスターバッグ)も無いのです。だが、それがいい、ブースターレスは格段に良いブレーキフィール、まさに足の力加減そのものでパッドを押し当てて摩っている感覚でなのです。ペダルめちゃくちゃ重たいけど。
うちのレガシィの方も素でかなり良いブレーキ、30年前のクルマにしては効きも安定感もスポーツカー並と言えるでしょう。けどサーキット持ち込めば足りないところはあるし、フィールに関してはもっと望める。コツコツやってきたけど、特にホークのノンサーボは良く、そのダイレクト感は理想。これで目標が明確になり以降の改良も適切にできたと思う。ので簡単にまとめてみた。
だいたい手を付けた順に列記してますけど、それぞれ効能が違っているし、詳細は過去記事リンクでどうぞ。
・ブレーキパッド
ブレーキに不満があってまあ最初に交換するのはこれでしょう。効き、耐熱性、タッチ、鳴き、ダスト、等々の要素を好みに応じで選ぶのがいいかな。前後バランスなんかも変えられるので、パッド変えて好みになればそれでOK。最初で最後の調整要素です。
・
ブレーキローター
ローターはサイズ、材質・熱処理、表面加工(スリットやドリル)と、逆ベンチや2ピースの構造があります。
外径の大きなローターはテコの原理で軽い力で同じ制動力になりますのでタッチがわかりやすくなりますし、熱容量が増えるので過熱して効きが悪化したりパッドが炭化するまでの周回数が増えます、重いけど。
材質・熱処理は鉄の種類。CV鋳鉄とかFCVとかだとヒビ割れが入りにくいし、熱処理してあると変形もしにくい。
構造は逆ベンチも2ピース、どちらも熱倒れしにくいというのがメリット。熱膨張でローターが片側に反り、ピストン押し戻しちゃうんですね。その温度帯のまま走り続けている時ならいいけど、ピットでクールダウンしたりすると反りが戻るので1発目のブレーキが抜けます。長い直線で冷えたあとなんかに起こるとすごく怖いヤツです。
まあ、2ピース構造のローターであればCVかFCV材だし、スリットも入ってたりするので元のローター変えて熱容量増やしたいっていうのなら一足飛びに2ピース化がいいでしょう、軽量化もできます。ただ、対策されてないフローティングマウントだとカタカタ鳴いたりするという欠点もあります。
・ブレーキホース
ステンメッシュとかですね。ゴム製は液圧で膨張しますので、ステンメッシュにするとタッチがちょっとだけダイレクトになります。手前、軽く踏んだ領域がいい感じにということです。
ゴムホースでもグラスファイバーテープで巻いたりすると同じ効果が得られますが、それをするならステンにしちゃうのがいいかと。ゴムは劣化早いので。
ちなみタッチの向上は微小です。マスタシリンダーストッパーよりわからないくらい、かな。(個人の感想です)
・マスターシリンダストッパー
そのちょっとだけ奥のタッチが良くなるやつです。うちは外してしまいました。バルクヘッドがヘナヘナ動くクルマほどよく効くそうで、まあ、今どきのサバイバルセルはガチガチなのでそんなクルマはほとんどないでしょう。
・ブレーキキャリパー
ポッド数増えたりするとタッチが良くなります。あと材質変更で足回り軽くなるとか。ただ、液量当たりのパッド押し出し量が変わるとマスターシリンダを交換するなど調整が必要な場合もあり、押し出し量が減るとペダルが軽くなってフニャフニャした感覚になる場合があります。
あとキャリパーは熱とダストまみれなので掃除やメンテが大事。ピストンの動きが渋くなりやすいのでOHの際には1000番以上で磨く、シール溝のゴミ取り、片押しならスライドピンの傷消しグリスアップ、でかなり改善されます、いや、もとに戻る、か。
意外なところではパッドの耳を押さえるステンレス金具、押されながら滑りますので引っ掛かりが起こらないよう掃除して磨くと良いですね。
・
マスターシリンダー
キャリパーと逆に大容量にして液量増やすとべダルがどしっと重くなり、タッチが硬くなります。うちのは直径1インチから1+1/16インチにしましたけど
フィーリング的には好ましい方向。
人によっては操作が重くなって疲れるという意見も出そうなくらい効果ありますが、それでもノンサーボに比べたら羽のように軽いです。
これも当然メンテ大事。
・ブレーキペダルシステム
主に軸ですね。摩耗して渋くなったりガタがあるのはじみにタッチを悪化させます。
軸にあるブッシュを新品にしてグリス塗っときましょう。
・
ブレーキブースター(マスタバッグ)
この辺は普通手を出さない領域ですね。いや、マスターシリンダもそうかも。
エンジンルーム見るとブレーキマスターシリンダの根本にある丸い台座、みたい印象しかないと思います。が、こいつはすごい倍力装置でして、おかげで1トン以上のクルマでもペダル軽々で止められますが・・・タッチはフニャフニャスカスカ。そう、タッチ劣化の大半はこいつで作動原理を知ればさもありなん。ペダルストロークでスイッチが入って脚力の何倍もの力でロッド押し込んじゃうんですから、踏力(タッチ)でなくストローク依存なんですね、根本が。
そうではあるけど、フィール改善手法はあります。ブースタの効きを弱める方向になりますので、マスター小型化が一般的です。同車種の低グレードに付いてればラッキー、それと交換するとかなり踏力を重くできます。1サイズダウンでマスターシリンダ1サイズアップと同等かそれ以上な感じですね。
また、流用は難しいのですが、最近のブースターはタッチのいいものがあります。それは内部にあるゴム板のリアクションディスクに工夫があるのだそうで、ペダルを踏み込んだ時のオリフィスの通り具合をゴム硬度と形状で調整してあるとか。このへんはサスダンパーのオリフィス&シムディスクと同じような構造でして、ちょっとペダルを踏んで少しストロークしたときにはじわっとしか流さないことが大事。そうすることでブレーキの微妙な効かせ具合をコントロールできるようになるのだとか。
原理からすると0~10の効きのうち0~3くらい、踏み始めから弱領域のタッチが出せるということのようです。そろっと踏んだり、カックン防止に停止寸前に抜いていきノーズ上げていくには大事なところですが、7から上のフルブレーキなロックコントロールにはあまり関係ないのかも。あ、ABS標準装備だな、これだから21世紀のクルマは。
さて、もう一つブースタを弱める方法があります。真空倍力装置なのでバキュームホースにレギュレータを挟んで負圧を制限してしまうという方法。最近知り合いになった方がやってましたがレギュレータ挟むだけでいいし、調節できるし、外せば元通りですからこれ一番賢い方法かもしれません。0~10全域で効くからABSナシ車にも有効です。
・プロポーショニングバルブ
これは前後の液圧を変化させてリアをロックさせないパーツです。
前後バランスはパッド、ローター径、キャリパーでも変えられますので。うちはノーマルのまま。
4WDのレガシィでサーキットに行くと前後繋がっているのでブレーキもロックしにくく、連係している分バランスをいじりにくい。前後荷重だけでなく、駆動系でも最適点が変わってしまうから未だに後回しにしているのが実際のところだったり。
・
ブレーキフルード
フルードはベーパロックしたり、気泡噛まなきゃokと思ってましたが、フィールにも関係するらしいです。
粘度、サラサラな方がタッチがいいのかなぁ?と思いますが、これも未だに試していません。1本買ってみたけどスゴイ高いんだもん。コスパ的最後に試すもの、かなぁ。
ブログ一覧 |
ブレーキ | クルマ
Posted at
2021/05/06 21:06:11