• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2021年08月29日

タイヤグリップとヒステリシスロス

コーナリングフォースとかいろいろ言いますけど、その説明で出てくるこのヒステリシスロスというのがどうにもよくわからんのです。なんでロスが力(F:フォース)になるん?っていう。
そもそも物理でいう次元がズレてますよね。ロスされるのはエネルギー、なのでこれは直接的にグリップしている様子を表しているモンではない。そういう現象が起こったときにエネルギーがどれだけの量使われたかを見ているだけなので、このグラフも何も判らないのは当然で、こいつを現象の説明に使うのはそもそも間違い、なにがエネルギーを使っているか?(エネルギーを消費しているのはどういう現象なのか)、まさに理解したいところを説明していないのですから、わからなくて当然です。

でもねぇ、調べてもほとんど無いないんですよね。なので、おそらくはこういうことではないかと、考えました。

まず、前提、タイヤのグリップは静止摩擦+動摩擦、です。
地面に接地している部分(コンタクトパッチ)は叩きつけられてにじりながら張り付くまで動摩擦エリア、張り付いている間は静止摩擦エリア、引きはがされて離れるまで動摩擦エリア、になっているはずです。
この形状や比率はタイヤと荷重によって違いますが、タイヤである以上この構成をしているはずです。
ただし、静止摩擦エリアが無い場合もあります、ホイルスピンしてるような状態がそれですね。そして、動摩擦だけでも、ダートラタイヤでホイルスピンさせてもトラクションがあるようにグリップはあります、感覚的にはグリップという言葉はあわないけど。

これをタイヤ表面の1点で見ると、地面に叩きつけられて離れるまでの一瞬のうちに、ぶつかって、にじって、こすりつけられて、べたっと着いて、引き上げられて、離れる、ということが起こっています。
そしてタイヤ全体としてはこれを連続的に繰り返しているはずです。

大ざっぱに言えば、この、叩きつけられた後、にじって、こすりつけられている状態と、引き上げられている状態がいわゆるヒステリシスロスがグリップ力の一部を成していると言われている部分、と理解すればいいかと。

主にタイヤ表面のコンパウンド部分の話ですが、にじりついてこすりつけられる際の変形と、引きはがす際の変形がヒステリシス特性で、そのロスが大きい=動摩擦に関与するエネルギー量が大きいということなんだと思います。もちろん全てのロスが動摩擦力に変換されるわけではないので、そのロスとやらがデカければでかいほど食うタイヤということは無いですが、目安的なものにはなるのかと。

コンパウンドのにじり以外にもトレッド面を左右に引っ張る動きもロスに含んでいると思います。それは、ダートタイヤがエッジ食い込ませて擦りつけたり土掻いてトラクションにするときの作用が横、コーナリングに働いていると考えればわかりやすいかと。

まあ、ごく大ざっぱに言えば
張り付く分=静止摩擦=粘着
引っ掻く分=動摩擦=ヒステリシスロス(もしくは粘着以外)
でいいかもしれません。
タイヤの感触にそういうイメージを持っておくと、単にグリップしてるor滑った、とは違う対応ができるようになります。

つまり、常に変化しているこの2つ比率がわかれば、それに応じてクルマの操り方を変える判断ができます。雨の降り始めなんかはそうですね。周回なんかではいきなりツルっとくる前に徐々にベタグリップ感が無くなっていく感じがあります。

#山道でコーナー全開で抜けたら一面濡れ落ち葉、は祈るしかありませんが。

そういう感覚を操作とセットにして引出しを蓄積しておければ、ベタベタに粘着グリップする側のSタイヤの使い方や、逆にそれがほとんどなくなるウエット、ダート、でのグリップ(というよりトラクション)の掛け方がなんとなくわかってくればより面白くなってくるはずです。

※厳密に言えば粘着してもコンパウンド層が変形しますね、これ、消しゴムに力を入れてズレる前の変形と同じで、これもヒステリシスロスには含まれています。だからヒステリシスロスで説明するのは不適切なんです。
新品タイヤだとコンパウンド層が厚いのでそれがよれる感じが強く出てわかりやすいです。レースなんかだとムーブが大きいなんて言いますが、G掛かっていくとヌルっと逃げそうになります。でも限界はまだ先まである騙し挙動なので嫌われます。ラインがちょっとはらんだりするのも嫌ですね。

ブログ一覧 | ドライビング | クルマ
Posted at 2021/08/29 17:32:52

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

なんじゃこりゃぁ〜🤬
もへ爺さん

【BEV・MAC・映画】5月最後の ...
Black-tsumikiさん

気になる車・・・(^^)1406
よっさん63さん

音調(ง ᵕωᵕ)ว♪
まこっちゃん◎さん

朝の一杯 5/30
とも ucf31さん

ゾロ目Get^_^
tatuchi(タッチです)さん

この記事へのコメント

2021年8月30日 14:49
以前いろんなスポーツモデルに純正採用されていたBSのRE-050が、グリップ状態から唐突にスピンモードに入る(スライドコントロールできない)特性で苦手でした。
ブログ本文に当てはめると、静摩擦係数と動摩擦係数が異なり過ぎ(動摩擦係数が極端に低い)なのかなあ・・・とか、考えさせられました。

最後の方に書いてある「粘着状態のヒステリシスロス」ですが、タイヤではなく、軸締結をするためのカップリングで、ゴム製のカップリングを用いた状態でねじり共振を発生させると、ゴムが滑っているワケではないですが、CW/CCW方向に交互変形し、発熱し、バラバラに分解される・・・という現象を何回か経験したことがあります。
コメントへの返答
2021年8月30日 15:38
純正装着の方の050ですかね。あれは本来あるべきタイヤのつくりを自動車メーカーさまのご意見で変更されてしまっているので歪なタイヤですから仕方ないかと。
おそらく、耐摩耗性向上のため、オイル少なくて粘着グリップがあまりない。
サイドウオール、ケーシング剛性高くてスクエアショルダーなので設計通り接地していればそこでしっかり食っていられるけど、限界超えて変形すると一気に滑る。かと。
エア圧高すぎと同じ様な挙動ではないかと思います、でも、下げてもコンパウンド違うから改善されずタイム落ちるだけという。

まあ、そういうタイヤもありますね。

カップリングの件は針金の繰り返し折り曲げ疲労みたいなもんですかね。あちらは金属組織の欠格が集まって繋がって破断、ですけどその前の発熱。
それこそがヒステリシスロスです。
変形することによって作用時間が増えているから力積が大きくなり、グリップする、という面もありますがそれは一部のことなので、やっぱりわかりにくいですよね。

プロフィール

「@パワーキャッツ レーザー溶接や錆取りじゃなくても刻印、レーザマーキングのでも出来るかも」
何シテル?   05/30 15:03
クルマ趣味は走る/直す/作る、一通りをできるだけ自分でこなします。Blogの過去記事には、今とは異なる考えの内容もありますので疑問に思ったらコメントなど頂けると...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11 1213141516 17
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

[日産 プリメーラカミノ]TrakMotive CV axle NI-8116 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/16 13:26:13
[日産 スカイライン] Dジェトロの点火時期の胆 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/23 07:30:48
スバル インプレッサ GC8型 プロペラシャフトOH作業 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/22 17:17:16

愛車一覧

ホークカーズ HF2000 鷹 (ホークカーズ HF2000)
キットカーです。リヤフェンダーの張ってるコンペのストラトスの形してます。量産車とは違うの ...
スバル レガシィ スバル レガシィ
新車からずっと乗ってます。かなりお年ですが、かなり元気。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation