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tommmyのブログ一覧

2006年04月30日 イイね!

日産VCRエンジン

日産VCRエンジンMonologue76  2005.3.6

 日産が可変圧縮比エンジンを発表したのだそうだ。
 詳しい情報がないので正確な可変化機構はわからないのだが、コンロッドとクランクの間にもう一つのリンクを入れてるのだとか。なんとなく想像はつく。
 というのはこの手の発想は内燃機関としてのピストンエンジンの発生と同時にいろいろ考えられているからで、それらの資料は今はWebで一歩も動かずに探し当てることができるからだ。いろんな物事の歴史をみれば、新たな発明・発見はほとんど黎明期になされており、それ以降での新発明は極めて少く、ほとんど無いに等しい。
 だからといって、卑下してるのではない。実際に形にして発表までこぎつけた努力はすばらしいことだ。まだ研究発表レベルなのでなんとも言えないが、この手のギミック的なものが100年の時間をかけて改良されつくした現代のエンジンと比較できるレベルに達しているのであればそれはもう賞賛に値することだろう。

 圧縮比とは、
 圧縮比=行程容積÷燃焼室容積 +1
 で算出される無単位の指数で、これまでのガソリンエンジンではこの値が高いほど、エンジンの出力特性が良くなる。が、上げ過ぎるとノッキングを起こして壊れる。
 ピストンエンジンで圧縮比を変えるには、理論的にはいつか方法がある。
 上記の式を見れば判る通り、圧縮比を変えるということは、行程容積もしくは燃焼室容積、あるいはその両方を変化させるということだ。
 日産が今回発表したものはクランクに機構を仕込んで行程、すなわちピストンのストロークを変化させるものらしく、下死点位置か上死点位置、もしくはその両方が変わるということだ。
 下死点の変化は行程容積の変化だけだ。計算式の分子がかわるだけだから1mm変化しても大きな変化にはならない。ということはコントロールしやすいが、劇的は変化は見込めない。それに制御機構も多少ルーズでも問題がない。
 一方、上死点位置の変化は行程容積と燃焼室容積を同時に変化させる。行程容積の減少分が燃焼室容積になるというわけ。こちらは分母である燃焼室容積が変化するので1mmの変化は大きく影響するし、微妙な制御も必要になる。
 しかも、上死点位置の変化は燃焼に対する影響が大きい。ピストンが最大高まで上がらないことでスキッシュは弱くなり、燃焼室容積が大きくなることで、火炎伝播距離が伸び、表面積が増えることで熱効率も落ちる。
 その他いろいろと考えられることはあるし、それぞれがメリットになったりデメリットになったりするし課題として詰めることは膨大にあるが、日産のことだから上死点位置を変えることを選んでいるんじゃないだろうか?
 研究に対しては悪いことではないと思うし、BMWの可変バルブストローク機構によるスロットルレス化のように商用展開にまでたどり着いて欲しいものだ。


その後、詳細情報が入った。やはり上死点位置を変化させていて、可変範囲は圧縮比14〜8だそうだ。ターボエンジンでは特に有効だと思うが基本的に最大出力を上げる技術ではなく、ターボラグの減少、燃費向上など広い運転領域の特性向上のためのものだろう。ただし、それによってエンジンの小型化ができれば車としての性能はまた一段向上することになるだろう。

#機構の動作図等探していますが、一般公開されていないようです。どなたか情報があれば御一報ください。
Posted at 2006/04/30 21:09:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | エンジン | クルマ
2006年04月28日 イイね!

ブレーキロータの構造

ブレーキロータの構造Monologue75 2005.1.22

 前回の記事で書いたブレーキローターの件だが、未確認な点がひとつあったので訂正したい。
 GDB-E型のインプレッサから、逆支持構造のローターを採用採用していると書いたが、それはS203だけかもしれない。さらに、16インチの住友キャリパ用ローターは以前のままなので交換しても改善される可能性はないようだ。
 訂正してお詫びしたい。すんません。
 代わりにと言っては何だが、逆支持構造のローターの見本を見つけたので画像をアップしてみた。
 これは無限のパーツ。なので、レガシィ/インプレッサには使えないのはご了承していただきたい。
 構造の違いはもう見たまんまだ。これだけで、タッチの変化が良くなるならしめたもの。是非、他車でも採用していただきたい。
 頂きたいのだが・・・そうもいかない大人の事情というのがありまして、特にチューニングパーツに広く採用される可能性はちょっとわからない。
 それは特許という排他特権。この社会では製品として販売する際に、他人が発明したことを無断で使用することは法に触れる行為なのだ。
 そしてその触法行為は切符切られたり反則金を納めてオシマイ、というレベルではなく、莫大な損害補償を要求されることがあるのだ。
 他業界ではミノルタのカメラ、キャノンのコピー機、セガのゲームなどが民事訴訟を受け、敗訴もしくは和解で莫大な金をむしり取られた。
 だから、これがの逆支持構造が普及する可能性は、発明者の意向次第でまだまったくわからない。
 自動車部品の似たような例としてはクラッチが挙げられる。最近流行りのカーボンクラッチやらマルチプレートプレート、多くのメーカーがプッシュ式なのはこの理由だと思われる。
 プル式はエクセディ社が特許を持っていて、ライセンスしていないらしい。だからプル式を採用しているのはエクセディとそのOEMブランドだけなのだ。
 プル式は操作荷重が軽いというメリットがあるしスバルでもターボ車に純正採用している。もちろんスバルの純正クラッチはエクセディ製だ。
 逆支持構造のブレーキロータ、いいものだと思うけどチューニングパーツとして普及するかはわからない。いまのところ製品で出ているのは無限とエンドレスだけだし、スバル車用はエンドレスだけ。
 競争がない世界では進歩が止まる。いみじくもレースという競争の世界につながるものだけに、広く競っていい物作りに切磋琢磨してほしいんですけどね。
Posted at 2006/04/28 14:47:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | ブレーキ | クルマ
2006年04月25日 イイね!

ブレーキロータの熱負荷

ブレーキロータの熱負荷Monologue74 2005.1.12

 フロントのブレーキロータ。筑波2000走行後の状態。
 これまでもけっこうあちこちを走ったがそれでも出なかった異状が2つあった。放射方向に走る細かなヒートクラックと、部分アタリだ。
 ヒートクラックは画像の通りで、ローター全周に渡り発生している。
 この原因は、それまで生じなかったレベルまで熱負荷がかかったからです、と言ってしまえばそれまでなのだが、問題はそんなレベルの熱負荷でブレーキはどのように変化して結果こうなるのか?ということ。ちょっとそれを想像してみよう。
 鋳鉄でできたディスクは熱により膨張する。がそれは一様ではなく、部分により温度が異なるので、これにより応力が生じたり、反りが起こる。
 そういうわけだが、じゃあローターの熱分布はどうなっているのだろうか?それがわかれば、このクラックと変形を解く鍵になる。
 ローターは、一様に加熱して熱容量一杯まで使っていれば外周ほど温度が高くなる。ベンチレーテッドディスクはローター内の導風路を内周側から外周に向かって風が通ることで冷却するのだから、内周には冷風が当たっても外周は既に温められた風しかあたらない。しかも外周ほど冷やすべき鋳鉄の量は増える。ので、ローターの内部は外周ほど高温になる。
 ヒートクラックは応力によるものだ。それは、ローターの内部は温度上昇により膨張する。しかし、外面は冷却によりそれほど膨張しない。となると、まるで焼いたモチのように内側からの膨張圧に耐えられなくなった外面に小さなヒビ割れが生じる、というわけだ。そしてそれは温度差の大きくなる外周部、縁ではなく応力が逃げにくいちょっと内周側に発生する、ということなんだろう。
 そしてアタリの異状は反りによるもの。ローターの車体外側の面はホイール内とはいえ外気に触れているし、ハブとの接続部(ハット)へ熱伝導があるので冷える。が、車体内側は遮熱板があるので冷えにくく、内側と外側では温度が異なる。
 そしてこのローター内側と外側の温度分布の違いはバイメタルのようにローターを反らせ、アタリ面の異状を生じさせる。画像で見える変色している部分、ローターを外し車体内側をみたところもっと内周側に出来ていた。のは反りが起きていた証拠だ。

 これらの対策法だが、反りに対しては確実な方法がある。
 2ピース化しベルハウジングをフローティングマウントするか、ローターの支持位置を外側から内側に変えて反りを減らすか、がそれ。
 前者は社外パーツでいくつかある。そして後者はGDB-E型インプレッサから採用されたローターがそれだ。
 つまり、現状で一番安い対策方法はGDB-E型のローターをつけること。ただし、これは純正の柔らかい材質のローターなのでどこまで耐えられるかは不明。
 もう一つ方法がある。それは「温度を上げないこと」。だが、発生する熱量は変えられないので放熱量を増やすしなかいのだが、問題の本質は放熱(冷却)の不均一によるものだから、無闇にダクトで風を当てたりすると余計悪化する恐れがある。
 これはトライ&エラーでやるしかないかな?
Posted at 2006/04/25 01:36:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブレーキ | クルマ
2006年04月22日 イイね!

ハブキャリア破損

ハブキャリア破損Monologue73 2005.1.8

 ハブベアリングの打ち替え、の時に折れちゃったハウジング(ハブキャリア)。もうブレーキキャリパが付きません。
 もう取りかえしがつきません。ピンチです。アロンアルファじゃダメなんです。

 ハウジングの中を見てもらえれば判ると思うが、事件はハブをハウジングから抜いた後、アウターレース打ち抜きのときに起こった。
 SSTがあればきちんと水平に安定した状態で押せるのだが、そんな高価なものはないので適当な当て物でアタリを付け、押す。全く動かない。
 位置を変えて押す。ハウジングを温めて押す。でも動かない。
 ので、頑張って押したら、バン!という音とともに火花が散り、ハウジングががっくりと肩を落とすように崩れ、当て物がガラガラとプレス台がからこぼれ落ちる。
 傾いたハウジングを起こすと、片側のブレーキキャリパー取り付け部分がぽっきりと折れ、鈍い白灰色をした鋳鉄が見えてしまった。
 ハイ、サヨウナラー。 火花ガキレイダッタナー・・・
 
 油圧プレスではやけになって無理をしてはいけないというお話でした。

 その後たまたま知人が持っていたお蔵出しハブASSYに交換し、なんとか自走で帰りました。
 ちなみにお蔵出しハブASSYはアウターレースはそのままで再使用。
 本件ロスタイムは4、5時間はじめからアウターレースはそのままにしておけば、スムースに進んだものを。
 まあ、ネタになったから、いいか。

 後日談:
 ハブベアリングのアウターレースはCリングで止まっているんだとか。そりゃあ外れないわな。
 よく調べて、よく見ないといけないねぇ。俺。
Posted at 2006/04/22 14:32:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | メンテナンス | クルマ
2006年04月21日 イイね!

ハブ交換

ハブ交換Monologue72 2004.12.31

 筑波を走ったからか走る前からか、フロントのハブにガタがでていたので交換。
 レガシィ/インプレッサのハブはSタイヤを履いてサーキットを走るところまでは耐えられないようだ。
 ハブの耐久性を上げるにはサイズの大きなベアリングを使うべきだし、実際現行のGDBインプレッサではその通り対処してきた。
 その大きなハブを使えればいいのだが、ハブASSY以外にもドライブシャフトや、ストラットケースも変える必要があるので結構高くつきそうだし、第一、まだ手に入らない。
 そこで今回はハブの表面硬度を上げるためタフトライド処理をかけた。上記の画像がそれ。
 回転軸受けは大概内側の軸が損傷する。それは同じ材料を使っていれば、面積の小さい方が面積当たりの受け持つ荷重が大きくなる=負担が大きいということに起因する。
 ので、タフトをかけたのも内側、軸の部品のみ。これでダメなら大型化しかない。
 タフトライドとは、塩浴軟窒化処理といい、大雑把に説明すると鉄を青酸塩に浸けて表面に窒化鉄の膜を作る処理のこと。
 同様の表面処理として最近有名なWPCもあるが、これは違う方法。
 WPCはショット(粒)を音速近いスピードでぶつけることで、
 1.表面一枚だけ焼き入れ
 2.ついでに圧縮応力を残し
 3.ディンプルホールを作る
 という方法。
 実は3.が他の処理ではできない方法で、油を保持する部分にはもってこいだったりする。ディンプルだとヤスリでつけるレール溝のようなものと違い、油の逃げ道がないので潤滑が切れにくい。
 が、今回のハブはベアリングのインナーレースをガッチリ銜えて保持してほしいので、これに3.はあまり役立たないし、表面硬度はタフトの方が硬いらしい。

 さて、タフトをかけて表面硬度を上げると何故耐久性が上がるかというと、この処理をすることで、中をある程度やわらかいまま表面を硬くできるため、折れにくく、曲りにくくなるということらしい。
 構造は逆だが日本刀を想像してもらえればいいだろう。鋼と軟鉄を組み合わせることで、刃面は硬く切れ味を持ち、刀身全体は適度にしなり、受け切れない力を逃がすことができる。鋼だけではもろく、打ち合いですぐ折れてしまうし、軟鉄だけでは切れ味がないどころか打ち合った時点でぐにゃりと曲ってしまう。
 素材は鉄(Fe)でありながら性質の違う部分を形成し、より高機能を得るということを日本刀は実現している。複合材料の先鞭と考えればいいだろう。
 このハブもそのように持ってくれればいいのだが、それは試してみないとわからない。
 そう、そしてこのハブを打ち替えるときにアクシデントが起こったのだが、それはまた次回に。
Posted at 2006/04/21 01:56:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 駆動系 | クルマ

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「おかんアートにより製作されたフロアマット。少し黒いが素晴らしい出来栄えである。なにより原価300円のセリア仕入れとは思えない。」
何シテル?   06/13 23:37
クルマ趣味は走る/直す/作る、一通りをできるだけ自分でこなします。Blogの過去記事には、今とは異なる考えの内容もありますので疑問に思ったらコメントなど頂けると...
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