
今年も意外とアクティブに"試したいのが試しドキ"を実践している私わんどら。
もう2021年も後数ヶ月というところにて、発売済みの新しめのもので試してみたいと前のめりになるモデルは何かなぁ…と思案を巡らせていたら、ありましたこちらのモデルが。
日産ノートオーラです。
昨年末にベース車両であるノートを試して、その進化したe-Powerの楽しさにすっかり良いイメージを持ったまま時を過ごしておりました。
そんな中、今年になり上位車種オーラが登場。
あの妖艶で上質さを訴求したTVCMも気になるし、それに目にするメディアの論調はどれも褒めっぱなしの感もあり、そんなに良いクルマなんだったら試してみたいなぁ…と思った次第。
早速DLRを訪問すると、日産的にはやはり今最も"推し"なのか、一番目立つ場所に試乗車を展示し迎え入れられます。
一見はベースモデルとの差異はあまり分からず、これは街中で通り過ぎてゆくだけでは区別つかないのでは?なんて思ってしまいますが、よく見るとフロントグリルのディテールやらホイールやらで区別は付きそうです。
ボディサイズもフェンダーにボリューム感を持たせたり、僅かに大きくはなり3ナンバー化しているのですが、正直そんなに変わった感がないのが個人的な印象です。
まあしっかりと横に並べたら違うのかもですが、それはオーナーがスーパーマーケットの駐車場に横並びした時の自己満足的な優越感にはなるのかなと思う程度にて、一般市民にはよくわからず…。
ただ言われてみるとどことなくスタイリング的に縦横比の安定感は出ているような気がしますし、フロント周りの灯火類のグレードアップ感は、確かに質を重視した差別化が図られていて、好感が持てます。
さて、乗り込ませてもらうと、これは明らかに良い雰囲気を醸し出しています。
トリムにはツィード素材を用いていて(同じくシートも本革かツィードか選択可能)、さらには木目調のパネルとの組み合わせは、まるでモダンな家具が設えられている部屋の中にいるようです。

これはあのTVCMにてモデルの女性がうっとりとしたセクシーな表情をするわけだ…なんて。
ご対応いただいたセールス氏曰く、ツィードをトリムに用いるクルマはあまりなく、モダンなインテリアはかつてのティアナ、あるいはティーダの系譜だとのこと。
確かにその言わんとしている事はわかるわかる、木目は本物ではないんですけどね、とは言うけれど、いやそれでも十分、とても良い雰囲気です。
さて走り出します。
動力性能においてはノートから変わったところはないのかもしれませんが、e-Powerの走り特性については昨年末に得た胸のすく想いまでの衝撃はなく、よりスムーズになったような気がします。
もちろん心理的なものだったり、曖昧な感覚値を言葉に置き換えての印象となるのですが、加速感も回生ブレーキの挙動もより扱いやすくなった感じ。
おそらくこの手の電動車の挙動にいつの間にか慣れてしまったからかもしれないし、あるいはモードセレクトのセッティングが少し違うのかもしれないし、はたまた"オーラだから走りも上品"という先入観か…なんだかマイルドで乗りやすいのです。
出足のトルクフルな感覚はもちろん感じつつも、必要な時に加減速を思い通り、フツーにできるのは乗りやすいと感じます。
もちろんワンペダルもOK、個人的にはオーラの踏みしろのないブレーキ感覚は好きではないため、同乗者を酔わせない程度に回生ブレーキを活用しつつ、ドライブに慣れたら面白くなるんだろうなと感じました。
もうひとつ、私的に注目していたのが、このヘッドレストに装着されたBoseのスピーカーです。

どれだけの臨場感、低音再生力があるのか興味津々にて、試乗中に同乗セールスの許しを得てはFMラジオのボリュームを上げて聴いてみました。
私の感覚では、空間に響く音は所謂"ドンシャリ"の響きではなく、音帯全域がマイルドに響く感じ。
期待していたほど驚きの音質ではないけど、確かに包まれ感はあるので、これもまたTVCMの女性モデルのうっとり顔も納得いきます。
余談ながら、マイピカソの査定ついでに車内で音楽を聴いたある日本メーカーのセールススタッフが、その音質の良さに驚いていたことがあります。
"良い音ですね、何か変えているんですか?やっぱり外車は音がいいなぁ…"って。
私自身、クルマの中での音楽鑑賞はマストにて、マンション暮らしのため家では大人しく聴いている反動もあり、ひとりでクルマに乗っている時は結構大きめの音でドライブしていることが多いのです(DJやってることもあり、ドンシャリ感を得たいのかサガにて…)。
しかし、マイピカソのカーステレオはフツーに標準装備のもの。
音質こそ好みの設定に変えているけど、それも標準の機能を使っての範囲にすぎないものです。
(さらに言えば自身のクルマにスピーカーがどこに幾つ付いているかもよく知らない…)
それでも"音がいい"と言われるとは…うん、でももしかしからそうかもしれないなと思いつつ、それ以来、日本車に試乗する時にはそのステレオからの音を確かめてしまいます。
すると、そのセールス氏が発した通り、何だかやはり物足りない気がするのです。
欧州車は、やはり中世から素晴らしい音色のある暮らしをしている欧州人の耳にあった、それなりのレベルを備えているものなんでしょうかね。
定評あるe-Powerの走りはもちろんですが、それよりもノートにはない確かな上質さが引き立っている新型オーラ。
質感的には確かにこのクラスにしては"オーラを発しているね"と感心するとともに、これはもしやお買い得ですらあるかも…なんて感じたりします。
個人的にはこの車体がもっとストレッチされたワゴン的なモデル(先代フィットのシャトルや、クリオ4のワゴン(日本未発売)、プジョー207SWなど、ついひとつ前の世代まではBセグモデルにもワゴンタイプがあり結構重宝されていた気がします)の登場があればなぁ…なんて勝手な期待をしてしまいますが、乗って五感に触れる心地よさがあるクルマなだけに、今度また機会があれば、じっくり乗ってみたいなぁなんて思うのでした。